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中小企業と地域金融機関の関係強化

2013年1月10日

 2012年11月の野田首相の解散明言により、12月16日に衆院選が行われ、自公が320議席超を確保する結果となりました。2012年を締めくくる大きな出来事でした。
 年明けから本格的に新政権が稼働しましたが、デフレ・TPP・消費増税・エネルギー・領土問題など課題は山積です。まさに安倍総裁がいう「危機突破内閣」となれるかどうかが注目されるところです。また、2013年3月末に期限を迎える金融円滑化法による影響も中小企業にとって大きな問題です。

 11月30日にリリースされた金融庁の発表によると、2012年9月末時点における「貸付条件の変更等の状況」については、これまでの累計申し込みが約370万件、金額にすると102兆円となっております。そのうち、実行された件数は約344万件、金額にすると約96兆円にのぼり、平成24年度の国家予算(一般会計)の90兆円を超える規模まで膨らんでいます。

 また、気になるのは金融円滑化法利用後倒産の増加です。帝国データバンクでは、金融円滑化法がスタートした2009年12月から、金融円滑化法施行後の倒産動向を集計していますが、2010年は23件、2011年は194件、2012年11月末時点ですでに361件と、前年の2倍近くの規模にまで増加しており、経済環境がより厳しくなっていることがうかがえます。

 また、帝国データバンクが金融機関向けに行った金融円滑化法に関する最新の調査結果(2012年11月実施:全国516金融機関に調査を実施し、359金融機関(69.6%)が回答)では、経営改善計画を提出している企業のうち、「目標を達成している企業の割合は40%以下」という回答が過半数を占めています。一方、金融円滑化法終了後に再度の条件変更の申し込みがあった場合、応じるかどうかについて尋ねたところ、「81%以上の申し込みに応じる」と回答した金融機関が大半であるという結果となりました。今後、貸しはがしや貸し渋りが頻発するのではないかという懸念は払拭される回答結果となっていますが、複数の金融機関と取引している企業も多いため、金融機関の支援姿勢がそろうかどうか、しばらく様子を見守りたいところです。

 兵庫県では、公益財団法人ひょうご産業活性化センターと地元金融機関が連携し、地元の中小企業の強みを活かした経営改善セミナー(知的資産経営セミナー)に地域金融機関が同席し、関係強化を図る取り組みを行っています。この取り組みに参加している金融機関からは、「これまで決算書と会社案内、経営者へのヒアリングなどから企業格付や融資判断を行っていたが、企業が自社の強みなどを見直す経営改善の場に同席することで、より深く企業を理解することができ、具体的な経営・金融支援が行えるようになった」という声が聞かれます。最近ではこの取り組みを参考に、他の地域においても同様の取り組みを開始されているようです。

 地方自治体にとってもこうした問題は無視できないでしょう。企業誘致に力を入れることももちろん重要ですが、地元企業の成長を支援することが、これまで以上に重要性を増してきます。特に、兵庫県のケースのように地域金融機関を巻き込んだ中小企業支援を積極的に行い、企業と金融機関における情報の非対称性を解消し、継続的に関係強化を行うことができる地盤作りなどは、まさに支援機関である官の重要な役割ではないでしょうか。

(宮)


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