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人材戦略:第2回「中小企業の採用のポイント」

2014年2月5日

 企業は、成長ステージに応じていくつかの壁が存在すると言われています。創業間もない時期は「いかに資金を調達できるか」、経営を軌道に乗せて成長する時期は「いかに売上高を伸ばせるか」、そしてより大きな事業に拡大させる時期は、社長個人の力に依存した経営から脱却し、「組織体制をいかに整備できるか」が事業継続の主なポイントとして挙げられます。
 TDB REPORT 124号では、年商30億円未満の企業を「個人経営から脱却してより大きなビジネスに拡大させる時期」にある企業と定義し、組織体制整備の壁を突破する戦略のポイントを「採用」「育成」「活用」の視点から探りました。そこで、誌面と関連したコラムを掲載していきます。第1回は企業業績と従業員数の関係を考察しました。第2回は、中小企業の採用のポイントを見ていきます。

 1.新卒採用は大企業偏重
 中小企業は大企業と比較して採用に割ける予算の額が多くありません。そのため、大々的なPR活動や入社前後のギャップを生みにくい綿密な採用活動を実施することが難しいのが実情です。リクルートホールディングスが実施した「第30回ワークス大卒求人倍率調査(2014年卒)」によると、大卒求人倍率は規模の大きさに比例して下がっている状況が見てとれます。また、厚生労働省の「職業安定業務統計」によると、規模の小さな企業で離職率が高いという傾向が出ています。特に、従業員数5人未満の企業において新卒社員の約6割が3年以内に離職するという結果が出ており、たとえ採用はできても人材が流出してしまうという中小企業の深刻な状況がうかがえます。

 2.高齢者や外国人は「買い手市場」
 中小企業にとって、新卒採用や、新卒で採用した人材を繋ぎとめることは難しいようです。そのようななか、中小企業への人材供給源として注目される層のひとつが高齢者層。少子高齢化の進展にともない、若者世代の労働力が減少することから60歳以上の就業者数は増加することが見込まれています。高齢・障害・求職者支援機構が2012年に実施した「団塊世代(1947〜49年生まれ)の就業・生活意識に関する調査研究報告書」によると、就業者の約5割が「今後(も)働きたい」と回答しています。また、就業希望年齢としては、「65〜69歳まで」との回答が4割以上を占めています。しかしながら、希望者全員が65歳以上まで働ける企業は約5割、70歳以上まで働ける企業の割合は約2割と、高齢者雇用が定着しているとは言えない状況です。
 もうひとつ注目される層が、外国人のなかでも専門的な知識や技術を持った高度外国人材。リーマン・ショックや製造業の海外移転などを背景に、派遣・請負などの就業形態の外国人は大きく減少しましたが、専門的・技術的分野の就労目的で在留資格を有する外国人は「高度人材ポイント制度」のように日本で働きやすくなるための制度が拡充されたことで増加しています。また、厚生労働省が高度外国人材の「卵」といえる留学生を対象にしたアンケートでは、留学生全体の卒業後の進路希望は「日本で就職を希望する」との回答が5割を超えていることからも、日本での就業意識の高さが見てとれます。しかしながら、日本で就職できたのは留学生全体の2割にとどまっています。

 3.高齢者や外国人は就労環境次第で大きな戦力になる可能性も
 雇用市場において、高齢者や外国人が「買い手市場」であることが分かりました。では両分野の人材を雇うメリットはどこにあるのでしょうか。帝国データバンクが2012年9月に発表した「人材活用の多様性に関する企業の意識調査」では、高齢者雇用のメリットとして「コスト削減につながった」、外国人雇用のメリットとして「優秀な人材を登用することができた」という回答が一番多いという結果が出ています。熟練の技やきめ細やかなサービスができる高齢者や、専門知識や語学力を有する高度外国人材。うまくフィットすれば中小企業にとって大きな戦力になる可能性を秘めています。

 そのような人材を活かすためには何が必要か。TDB REPORT124号では企業への取材を用いて詳しく解説しています。次回も、事業拡大に資する人材戦略を紹介していきます。

 TDB REPORT124号のご紹介はこちら
 http://www.tdb.co.jp/lineup/publish/tdbrep124.html

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