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消費増税後の賃上げが支える地域経済

2014年5月7日

 4月に消費税が8%に引き上げられました。そのため、景気が上昇基調にあるなかで日本経済の再生を目指す安倍政権は経済界に対して消費拡大に影響する賃金の引き上げを強く要請しており、家計の負担増が賃上げでどれだけカバーできるか非常に注目されています。

 2014年の春闘では、賃上げ回答が目立ち、多くの大手企業がベースアップ(ベア)に踏み切るとしています。多くの産業で消費の反動減が生じているなか、賃上げは一定の下支え要因になるといえそうですが、今後は賃上げが中小企業に広がるかどうかが焦点になってきます。

●中小企業の47.6%が賃上げを見込む

 帝国データバンク(TDB)が2014年1月に約2万3千社を対象に実施した「2014年度の賃金動向に関する企業の意識調査」によると、中小企業の47.6%が賃上げを実施する予定があると回答しています。大企業の42.6%を5ポイント上回っているうえ、比較可能な過去8年間で最高となりました。

 しかし、中小企業が賃上げを行う背景には、自社の業績が改善したというだけではなく、労働力の定着・確保のほか、同業他社の賃金動向や社会全体の物価動向、消費税率引き上げへの対応など、さまざまな理由があります。とりわけ、自社以外の外部要因で賃上げを考えざるを得ないという企業が増加しているのも今年の特徴となっており、「賃上げは従業員のモラルの維持や生活の維持においてもやむを得ない」(コンクリート品製造、大阪府)など、従業員のモチベーション維持を図るために賃上げを行うという意見も挙がっています。

●大都市圏より地方圏で賃上げを見込む企業が多い

 他方、賃上げは地域によるバラツキもみられます。特に、近畿圏で最も賃上げを行う割合が高くなっているほか、北海道では前年比で最も賃上げを行う企業が増えています。さらに、都道府県別にみていくと、大都市圏より地方圏で賃上げを考えている中小企業が多いことも特徴的です。

 公共事業の拡大や円安などの効果で建設業や製造業が今回の景気上昇をけん引してきましたが、同時に人手不足に直面する企業も多くあります。さらに、景気が上向くにつれて、地方から東京圏への人口移動が加速しています。地方圏で賃上げを考える企業の割合が高まっている背景として、これらの理由が積み重なっていると考えられます。

「2014年度の賃金動向に関する企業の意識調査」 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p140204.html

 消費税増税による消費の落ち込みをいかに抑えるかは政策的に重要なテーマであると同時に、地域経済の動向を左右する大きな要因でもあります。総務省の家計調査によると、家計の消費支出は5カ月連続で増加していますが、景気や物価の上昇のためだけではなく、増税前の駆け込み需要による支出が含まれている可能性は多分にあります。そのため、中小企業の半数近くが賃上げを見込んでいることは、消費税増税後の個人消費を支え、地域経済を支えることにつながる好材料となるでしょう。

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