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差し迫る跡継ぎ問題

2014年7月3日

 経営者の高齢化進展と後継者不足により、同族経営の多い中小企業において、親族内の後継者不在による事業承継難は大きな経営課題となっています。
 また、政府の日本再興戦略や骨太方針においても、円滑な事業承継を支援する方針が打ち出され、関心は高まっています。

 後継ぎ問題を考えるうえで、高齢化の進展と後継者不足の深刻な状況を把握する必要があります。帝国データバンクが行った「2014年全国社長分析」によると、経営者の高齢化が進む一方で、後継者へのバトンタッチが進んでいない企業が増加している実態が浮かび上がります。
 社長の平均年齢の推移を見ると、一貫して上昇を続けており、2013年には58.9歳と過去最高齢を更新するなど、社長の高齢化が進んでいます。また、社長交代率(過去1 年間に社長の交代があった企業の比率)の推移を見ても、波はあるものの2010年以降は低下傾向が続き、2013年は前年比0.06ポイント増加したものの3.67%と、依然として低水準にあります。

 高齢化の進展を裏付ける別のデータもあります。自営業主を年齢別にみると(中小企業白書2014)、1982年時点で、30〜40歳の自営業主層が突出していました。年々、高齢者が占める割合が高まってきており、2012年には、60〜64歳が全体に占める割合が最も高くなっています。70歳以上の年齢層が占める割合も、過去と比較しても最も高くなっています。

 また、後継者不在企業が多いという点も課題としてあります。
 後継者が決まっていない企業の比率(後継者不在率)を見ていくと、年代が上がるにつれ下降しているものの、「70〜74歳」でも4割以上の企業で後継者が未定という結果になっています。
 同族経営の多い中小企業において、親族内に後継者がいない場合は、今後の経営にとって大きな課題となります。また、親族に後継者がいても、後継者として十分な資質を備えていない場合や十分なコミュニケーションがとれていないケースも考えられます。
 親族といえどもお互いに切り出しにくいテーマであるため、経営者と後継者が信頼関係に基づいて話をする機会が少ないことも一因といえます。

 2014年版中小企業白書では、2014年度に講じようとする中小企業施策のなかで、「事業再生・事業承継支援」として13の施策が挙げられています。今後の事業承継支援のポイントは、中小企業・小規模事業者において従来主流であった「親族内承継」に対し「第三者承継」の割合が増加していることを踏まえ、「第三者承継」を円滑に実施していくための具体的な支援策を拡充していくこと、また同時に、後継者不在企業の「廃業支援」も行っていくことです。
 中小企業の新陳代謝促進のために廃業促進を掲げている点は注目に値します。ただ、円満な廃業を促進するためには、社長による個人保証の問題など解決すべき課題も多く、そのため、国による各種支援策の重要性は大きいといえます。


「2014年全国社長分析」
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p140106.html

TDB REPORT128号「事業承継2014−差し迫る後継ぎ問題 中小企業の出口戦略−」
http://www.tdb.co.jp/lineup/publish/tdbrep128.html

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