トピックス

最新調査結果はこちら

差し迫る跡継ぎ問題(第3回) 出口戦略のポイント

2014年9月3日

1.事業承継の現状 
 事業承継のかたちは、100社あれば100通りの方法があるといわれるように、多種多様です。後継者の選定ひとつをとっても、経営者の親族だけでなく、従業員からの内部昇格や外部招聘などがあります。また、これらの内部昇格、外部招聘の人材は、就業経験が未熟な経営者の子息が承継を実現するまでの繋ぎであるケースもあります。このほかにも、遺言・種類株式の発行といった相続対策、経営承継税制の利用、M&A仲介機関への相談など、外部環境や企業内部の状況に応じて取るべき承継手法も変わってきます。

 これらを踏まえ、政府や自治体でも、事業承継の促進、中小企業の活性化を目指して、「事業引継ぎ相談窓口」(全国47都道府県設置、原則無料)や「事業引継ぎ支援センター」(全国14ヵ所、2014年8月現在)を設置しているほか、「経営者保証に関するガイドライン」(2014年2月1日から適用)、「事業承継税制の拡充」(2015年1月から本格施行)などの制度的な仕組みもあります。

 また、民間でも支援の動きは広がっています。税理士、会計士、弁護士などによる支援事業はもちろんのこと、金融機関や信用金庫などでもセミナーのほか、パッケージ支援(勉強会、実地研修、資金・サービス支援など)に力を入れて企業の事業承継の動きを促進しています。

 多くの中小企業経営者が、これらの支援を活用しなければ事業承継が進められないというわけではありませんが、成功させるためのポイントにはどのようなものがあるでしょうか?


2.事業承継は、経営者が自ら「想い」を伝えることから始まる!
 多くの中小企業では、「経営者の高齢化」「後継者不足」という問題に直面しています。では、経営者(社長)は、後継候補者(子息・親族、幹部職など)を含めて、周囲の者と自身の後継問題について話し合いが行われているのでしょうか。

 『2014年中小企業白書』では、事業承継が円滑に進まなかった理由として3番目に、「事業承継に関して誰にも相談しなかった」という回答があがっています。また、そのうちの約8割が、「相談しても解決するとは思えなかった」と回答しています。

 中小企業の経営者は、10年、20年、30年と、経営者として企業の生産、販売、管理、資金繰りなど、企業運営に取り組み、従業員とその家族の生活を支えるという重責を背負い、企業を継続・発展させてきた方が多いのではないでしょうか。その中で、時には喜びや充実感を感じながらも、多くの苦境、苦難を乗り越えてきた経営者は多いと考えます。特に、資金繰りについては、失われた20年と言われる長期平成不況、リーマン・ショック後の世界的な経済の収縮、東日本大震災による混乱など、多くの経営者が厳しいやり繰り・苦い経験をしてきたことでしょう。

 このような経験から、特に後継者となりうる子息や親族に自分が経験をしてきたような苦労をさせたくないとの想いや、あるいは、日々の業務に忙殺されて事業承継に関わるような話をする時間が作れないまま、結果として事業承継の準備に着手できていないという経営者の方は多いと思います。 

 「会社は自分が引退した後にも継続してほしい」「従業員やその家族のためにも、事業は継続させていきたい」と考えるのなら、まず経営者の方から歩み寄って、後継候補者に会社の過去・現在・未来について、話をすることが大切です。

 経営者としての仕事の醍醐味、これまでの苦労、事業、従業員、取引先など会社への「想い」は、口に出して話さなければ伝わらないことが多いものです。60代、70代の経営者の中には、自分のことを自ら話すことを躊躇う方も多いかと思いますが、事業承継は、経営者にとって解決すべき最後の課題です。勇気を出して、後継者に「想い」を伝えてみてください。  


TDB REPORT128号「事業承継2014 −差し迫る後継ぎ問題 中小企業の出口戦略−」
http://www.tdb.co.jp/lineup/publish/tdbrep128.html

今月のトピックス・主観客観に戻る

最新調査結果はこちら

このページのトップへ

このサイトについて  サイト利用規定  プライバシーポリシー  免責事項  サイトマップ
Copyright (c) 2002- TEIKOKU DATABANK, LTD. all rights reserved.