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コンサルティングの現場から
(6)経営者が陥りやすいISOに対する誤解

2015年4月3日

 コンサルティング支援の一環で経営者の方とお話しする中で「ISOに対して誤解を抱いているのではないか」と感じることがあります。その「誤解」は、自社をよりよくしたいと考える経営者にとっては「もったいない」状態を生んでいる可能性が非常に高いと思います。あまり知られていないかもしれませんが、帝国データバンクは各種ISO規格の認証取得支援において、国内有数の支援組織でもあります。

経営者の誤解の源泉は?
 ISOと一言で言っても、昨今ではその規格数も増え、ISO9001(品質)、ISO14001(環境)、ISO27001(情報セキュリティ)、ISO22000(食品安全)など沢山の規格があります。今回は、最も国内での認証取得数の多いISO9001(品質)を例に挙げながら述べていきたいと思います。 ISO9001(品質)は、どのような企業がどのような目的を持って認証を取得されているのでしょうか。
 こんな質問を訪問時に経営者にさせていただくと、多く返ってくる答えとしては「品質の規格だから製造業・メーカーさんでしょ」「規模の大きな大企業や中堅企業がとっているイメージがある」とか「持っていないと、元請メーカーから発注してもらえないから渋々とっているのでは」などが主な答えとしてあがってきます。

 しかし残念ながら、これら全てが経営者の誤解なのです!
 どのあたりが誤解なのかというと、「品質の規格=製造業向け」という認識がよくある誤解のスタートラインなのではないかと日々感じています。
 確かに、ISO9001の規格ができた当初は「製造業向けの品質規格」でした。しかし、ISO9001はその後改訂を重ね、現在ではその「品質」が指す意味が大きく変化しています。
 現在のISO9001が指す品質とは「顧客品質」というより大きな概念となっています。このあたりの情報がメンテナンスされていないと、「ISO9001は製造業のもの」という思い込みの殻をやぶることができません。

なぜ製造業以外の取得支援件数が堅調なのか
 現に、昨今の認証取得企業の内訳を見ていると製造業以外の取得が増えています。帝国データバンクの支援先に限った話でいうと製造業以外の卸売業やサービス業、小売業などの取得が堅調で、非常に支援件数が増えています。
 このあたりが、弊社がISOの認証取得支援機関として、日本有数の支援シェアを保持し続けている要因かも知れません。つまり、帝国データバンクは「業種を問わず、企業規模も問わず、自社をよりよくしたいと願う経営者に対して、顧客品質を高める仕組みとしてISO9001の活用を提案している」ということです。

ISO9001で高めることができる「顧客品質」とは?
 ここでは、「顧客品質」とは何かを簡単にご説明いたします。ISO9001では、「顧客品質」を高めるために「企業が付加価値を生み出すプロセス全般の品質」が対象となります。大きく捉えると「顧客ニーズが顧客満足に変換される過程」すべてが対象です。
 INPUTからOUTPUTまでのプロセス全ての品質が高くないと、お客さまに提供する品質を高めることができません。これが、最新のISO9001が製造品質ではなく、「顧客品質」を高めるために活用される仕組みづくりのツールである所以です。
 よって「顧客品質」=「経営品質」と言い換えても過言ではありません。国際標準規格を活用して自社の経営品質を上げる仕組みづくりがISO9001認証取得と位置づけられるのです。

中小企業に圧倒的に不足しているC(検証)とA(改善)の仕組み
 ISOのマネジメント規格の認証を受ける過程では、組織の中にP(計画)→D(実行)→C(検証)→A(改善)の仕組みを構築していくことになります。
 もともと、日本の中小企業は、【P(計画)とD(実行)】をトコトン繰り返すことは得意な企業が多いのですが、【C(検証)→A(改善)】の仕組みがある企業はかなりの少数派と言われています。
 PとDだけの企業とは、期初に「今年は年度目標として○億円目指す!」と計画を立て、年間を通して実直に行動するという業務の進め方になります。途中で多少振り返っても順調か順調でないか、目標を達成したかしなかったかの確認程度で、「検証し、改善する」ことがないため、未達成に終わった計画であったとしても、次年度も似たような計画を立て、またひたすら実行するという経営になりがちです。
 ISO9001の構築と認証を取るということは、中小企業に不足しがちな「検証(C)して改善(A)する」という仕組みを補うプロセスであると言えます。

「会社が毎年よりよくなる仕組み」としてのISO9001
 前回のコラムで「仕組み化」することが、会社の経営品質を高めることにつながるということに触れました。ISO9001を誤解なく理解いただき、その認証・構築プロセスを正しく活用することができれば、「会社が毎年よりよくなる仕組み」が構築され、経営品質の向上が実現できるのです。
 帝国データバンクがご支援しているお客さまも、最初の動機はさまざまですが、よし!やろう!とご決断されるときの理由は、「会社の経営品質をよくする仕組みづくり」に認証が付いてくるということが99%のお客さまの取り組まれる理由です。 支援のスタンス、構築のプロセス次第で、お客さまへ提供できる付加価値が大きく変わってくると痛感しています。ご興味のある方は、一度最寄の弊社支店担当へお問い合わせください。

組織としてのマーケティングの仕組みを考えるのは、社長の仕事
 自社の営業パーソンの活動を振り返って、本来マーケティングでやるべき「見込み客探し」の仕事を、営業パーソンに任せっきりにしていないでしょうか。上位2割の営業パーソンは、優秀ですから会社の方針を汲んで、見込み客を集めることはできるかも知れません。もし6割の普通の営業パーソンとの違いがこの「見込み客を集める」機能だとしたらどうでしょうか。そこを会社が組織として補ってあげることができたなら、営業パーソンたちに均等に前提条件として提示してあげられたのなら、「組織の上位8割の戦力化」に一歩近づけます。
 ここで是非考えていただきたいのは、会社の戦略にのっとって、優先的に働きかけるべきお客さまは、どのような特徴を持ち他の客層と何によって区分されるのか、どこに多く存在しているのか、そしてそこにどのような働きかけをすれば、自社のビジネスメッセージを伝えることができるのか。そこを考え、定義し、社内に共有するという業務は、まさに経営者である社長の仕事です。社長が本来するべき業務に集中し、遂行することができれば、企業をもう一段高いステージに成長させることができるのです。

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