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与信管理(5)債権譲渡登記は危ない?(債権譲渡登記)

2015年10月5日

債権譲渡登記とは
 債権譲渡登記は1998年10月の債権譲渡特例法により始まったもので、債務者が有する債権を担保として債権者に譲渡することを第三者への対抗要件にできる登記です。債権譲渡担保はそれ以前から資金繰りや保全の手段として存在していましたが、この法律により法的な第三者対抗要件が具備され、一般に普及しました。

 債権の流動化による資金繰りの円滑化を意図した法制化でしたが、与信管理の観点では緊急時の保全に用いられることが多いため、債権譲渡登記が信用不安のシグナルとして見られる風潮がありました。このため施行当初は商業登記に直接登記されていたものが、現在は情報開示が制限されています。譲渡人の本店管轄法務局にて「現在事項証明書(債権譲渡登記事項概要ファイル)」と指定して申請する方法をとりますが、債権譲渡登記がない場合は記録されていない旨、登記がある場合でも譲受人の名前くらいの情報しか入手できません。

債権譲渡登記は中身の見極めが重要
 保全目的の債権譲渡登記がある以上、与信管理の観点ではその登記内容に留意する必要があります。ただ近年は金融庁がABL(動産・売掛金担保融資)を積極的に推進していることもあり、債権譲渡登記と合わせて資金繰り円滑化の一手段として利用が広がっています。
したがって「債権譲渡登記があるから危ない会社だ」といった見方では実体を見誤る可能性があります。ノンバンクなどの金融業者が銀行等を譲受人として反復的に登記を行うケースがもっとも多く、この場合は数十件、数百件の登記がなされていることがあります。

 またこのほかにも資金繰りの簡素化のために特定の債権を反復的に譲渡しているケースがあり、こうした多数の登記が同一関係者により反復的になされている場合は、資金繰りの一環と見なすべきことが多いと言えます。利用されている登記の全体数からすれば、信用を疑うべき登記の割合は多くないわけです。こうしたことを理解せずに「あの会社は債権譲渡登記が付いているから危ない」といったことを言うと、風評被害を招くことがありますので、審査担当者は注意すべきです。
もちろん、逆に登記を無視することも禁物であり、中身を見て性質を見極めることが重要です。


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