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与信管理(6)与信限度-1(与信限度額の設定)

2015年11月5日

与信限度額とは
 企業間取引において「付き合うか否か」の次に出てくるテーマとして、「どこまで付き合うか」があります。これをコントロールするツールとして与信限度額というものがあります。
 取引の限度額を決めておくことによって、これを超えないように管理するとともに、超えた場合にアラームを鳴らしてリスクをセーブする、という機能を持たせることができます。そのように言うと、その与信限度額の決め方さえわかればしっかりと管理ができそうですが、なかなか難しいのが実情です。

万能の算式はない
 与信限度額の算定方法は市販の書籍にも多く紹介されており、その多くは自社の属性を基準としたものと相手先の属性を基準としたもの、その中でもそれぞれ積極的にリスクをとるものと安全志向のものに分類されます。

 自社属性に基づく方法としては「5年間粗利法」という取引商材の粗利益の5年分を限度とする方法や、「財務負担可能額法」という自社年商に売上伸長率や限界利益率を乗じて算出する方法などがあります。ただこれらはいずれも相手先の信用状況を加味しないリスクを負います。
 一方で相手先の属性に基づくものとしては「月商1割法」という相手先月商の10%以内に抑える方法や、「内部留保基準法」という相手先の自己資本の10%以内を限度とする方法などがあります。いずれもリスクについての一定の考え方に基づく方法ですが、お気づきのとおり、実際にこれらを適用すると、案件に対して限度額が大きすぎたり小さすぎたりして、計算通りにはいきません。そもそも企業が扱う商材や案件によって取引額はまったく異なるわけですから、万能の限度額算出ロジックはないのです。したがって、いくつかの方法を組み合わせて上限・下限だけを決めておく運用が現実的です。その中で、経験やノウハウが色濃く反映されます。

与信限度がすべてじゃない
 与信限度はその設定の要否を含め、会社の方針や体制によって運用が変わります。精緻な与信限度ロジックを決めても、実際に営業部門に強制できなければ意味がありません。「取引先との付き合い方」を管理する方法はほかにもあり、与信限度がすべてを解決するわけではありません。この話は次回(与信限度-2)につづきます。


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