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与信管理(7)与信限度-2(与信限度以外の管理方法)

2015年12月3日

与信限度の不足を補う「取引条件」
 前回、与信限度額の考え方と実情をご紹介しました。与信限度の算定に万能な方法はないのですが、取引額の上限を決めておけば、与信を無制限に広げるリスクは回避できます。上限管理を入れるだけでも、売掛債権の管理機能は高まります。売上債権額は「月売上高×回収サイト」ですから、売り過ぎるか、回収サイトが延びるか、いずれかの状態になると上限を超えてしまいます。上限を超えたときにアラームを鳴らすことで、売り過ぎにブレーキをかけることができるのです。

 しかし、与信限度額自体、大雑把な算定しかできませんし、限度を決めたとしても、限度額内の焦げ付きはすべて容認するという腹の括り方はなかなかできないものです。 そこで、取引先との付き合い方のもうひとつの側面として出てくるのが「取引条件」です。契約に所有権留保条項や期限の利益喪失条項を入れるのは基本的な保全手段であり、与信管理の基本として広く契約に用いられますが、相手の信用状況に合わせて、より踏み込んだ契約や保全措置をとることが重要です。
 算出与信限度から見ると厳しい、もしくは相手の信用度を考えると厳しい事案の場合、踏み込んだ契約や保全措置を付与すれば承認できることがあります。金融機関が融資契約の際に不動産担保をとるだけでなく、財務制限条項(コベナンツ)を付して、財務内容が一定以上悪化した場合に契約を解除できるようにしているのも、契約時の保全措置の一環です。相手との力関係にもよりますが、こうした「リスクの大きさに見合う保全をとること」は与信管理の基本です。

「攻め」としての儲けのコントロール

 与信限度を補う「付き合い方」のもうひとつは、粗利益率のコントロールです。通常、利益率は営業サイドで取引量とともに商談に基づいて申請されますが、本来、相手の信用度に応じて利幅を調整できれば、リスクのみならず収益を最適化できるはずです。
 実際には、商談先行の後追い審査では利益率のコントロールが難しくなります。運用のカギは、相手の信用状態に関する情報をいかに早く営業部門にフィードバックし、それに基づいて商談を進めてもらうか、ということになります。継続的な取引先であれば、次回取引の条件見直しとして営業部門に申し送るなどの手段がとれます。

 与信限度・保全・粗利益率。この3つを複合的に用いることで、より戦略的で緻密な与信管理が実現します。


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