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与信管理(10)倒産って?-3(倒産形態と審査)

2016年3月3日

再建型と清算型
 企業倒産には再建型と清算型がありますが、これらは最初からきっぱり道が分かれているわけではありません。再建を目指したものの、関係者の協力が得られずに清算に移っていくことは珍しいことではありません。
 やはり再建型といっても一度関係者のお金を踏み倒しているわけですから、それでも事業を続けていくには法的な管理のみならず、当事者に強い意志とエネルギーが、そして関係者の忍耐と協力が必要になります。会社更生法の場合は経営陣が退陣することでけじめがついた形になりますが、民事再生法の場合は旧経営陣が残ることもありますから、結局その過程で賛同を得られず会社更生法に切り替えたり、清算に移行したりするケースが出てきやすくなります。流通業大手だったマイカルが経営陣の混乱もあり、民事再生法を申請した後、民事再生手続きの中止と会社更生法の申請を余儀なくされたのは典型的な例と言えます。
 清算型であれば相手の会社との縁はそこで切れ、ある意味で後腐れなく回収に集中できるわけですが、再建型の場合は「それでも付き合うか」という判断が発生します。それはとても戦略的な判断になります。

倒産への戦略的な対処
 再建型とはいっても、相手方との関係によって選択肢は限られてきます。自社の債権額が小さい場合はそこで取引を終えることも多いでしょう。
 ただ債権額が大きく、自社の商流の中でも一定以上の存在感がある相手である場合、少なくとも当面は営業を継続してもらうほうがメリットは大きいと言えます。そういう会社が急に事業を停止してしまった場合、それまでの売掛がダメになるだけでなく、納入予定だった在庫もムダになることがあります。特注品を納入しているケースです。さらにその特注品を作る金型を作ったばかりだった、その生産のために設備投資をしたばかりだった・・・といったことになると、実際の損失額は売上債権額をはるかに上回ることになります。

 倒産後の方向性を会社が説明する債権者説明会では、債権者の利害が錯綜する場面が多いものですが、商流に絡まない金融機関はすぐに清算して回収すべきものを回収してしまおうとするのに対し、商流に絡む事業会社は当面の商流が破綻しないように、不義理されたことにはいったん目を瞑って再建計画を支持する傾向があると言われます。
 これもどちらが悪いわけではなく、それぞれの立場や利害からすれば当然のことです。そうした中で自社がどういう立場をとるか、という判断を行うことになるわけです。
 買収に至るケースは極端ですが、もしその企業の事業に成長性や将来性があるならば、倒産は過去の負債を一度清算した会社を安く買うチャンスにもなります。審査部門が企業の「目利き」を深く行っていれば、そういう戦略的判断において意見を求められる存在にまで自らの立場を高めることができるのです。


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