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与信管理 (11)安定性の罠-1(安定性指標がよいケース)

2016年4月5日

自己資本比率は「一次判断」の指標
 審査担当者に話を伺うと、定量情報についてはまず利益が出ているか、自己資本比率は高いか、流動比率はどうか、といった財務分析面をチェックすることが多いようです。これは定量情報分析の王道であり、「見るからにダメ」か否かを一次的に判断するのに有益です。ただし、企業の与信で焦付きが生じる相手は往々にしてそれだけではわからないので厄介です。
 自己資本比率が高いことは、過去に利益を出してきたこと、そして借入が多くない・もしくはバランスがよいことを示しています。

 審査では手元流動性、すなわち現預金を合わせて見ることが重要です。老舗の企業では、自己資本比率は高いものの、稼いだ利益で不動産などに投資し、手元で自由に使える現預金や流動性資金が少ない場合があります。計画的に資金繰りを行う上で、現預金は最低でも月商分はほしいところで、足りない場合は自己資本比率が高くても資金繰りに余裕がないことになります。

流動比率も中身の見極めが重要
 流動比率についても、中身を見ることが重要です。まず受取手形や売掛金といった売上債権が多い、あるいは棚卸資産が多い場合は、資金の営業循環が滞っている可能性を疑う必要があります。売上債権であれば不良債権が含まれている、棚卸資産であれば販売できない不良在庫が含まれている可能性を疑うべきでしょう。

 「最近、得意先からの回収条件が悪化した」といった理由で売上債権が膨らむことがあります。こうした場合は、キャッシュフロー分析において営業キャッシュフローがマイナスになることが多く、そういう状況が2期以上続いていると「危険」と見るのがセオリーです。反対側の流動負債で見るべきポイントは、借入金の長短の仕分けです。運転資金目的で借りた「一年以内返済予定」の借入金が長期に一括計上されている場合、流動比率が表面的に良くなります。零細企業の場合は決算書の計上方法に厳密性が求められないため、本来流動負債に含むべき借入金が長期借入金として固定負債に計上されていることがあり、注意が必要です。

 期間損益については黒字が出ているに越したことはありませんが、赤字の場合はとくに零細企業について、理由を深掘りすることが重要です。


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