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与信管理(13)キャッシュストック
(キャッシュフロー分析の見方)

2016年6月3日

キャッシュフロー計算書の見方
 キャッシュフロー計算書は、2000年3月期決算の有価証券報告書から、貸借対照表・損益計算書に次ぐ第3の財務諸表として提出を義務づけられました。キャッシュフロー計算書は、発生主義や実現主義で作成された従来の財務諸表では読み取りにくい「現金の流れ」をわかりやすく示したもので、これによって企業の資金繰りの状態が分析しやすくなりました。
 有価証券報告書を作成しない企業がキャッシュフロー計算書を作成することは稀ですが、帝国データバンクでは入手した財務諸表を用いてキャッシュフロー計算書を独自に作成して添付するサービスを1998年6月から始めました。
 キャッシュフロー計算書はその期に現金が増えたか減ったかを示すものですが、その過程において営業活動・投資活動・財務活動のどこで現金が創出されているかをチェックすることが重要です。

 理想的な状態は、営業活動で創出した現金(営業CFが+)を、投資(投資CFが−)や借入返済(財務CFが−)に回している状態と言われます。逆に危険な状態は、営業活動で現金を創出できず(営業CFが−)、資産の切り売り(投資CFが+)や借入増加(財務CFが+)で賄っている状態と言われます。

審査におけるキャッシュフロー計算書の着眼点
 与信管理の観点では、「本業の儲けを示す営業キャッシュフローがプラスかマイナスか」という部分がもっとも重要です。なぜなら営業キャッシュフローがマイナスで現金が減り続けるということは、商売をやめて元本保証の資産運用をしたほうがましである、ということになるからです。
 営業キャッシュフローがマイナスとなる主な要因には、利益の減少、売上債権や棚卸資産の増加、買入債務の減少などがあり、いずれも資金繰りを窮屈にする要因になります。また近年多い粉飾決算では、売上債権・棚卸資産・買入債務といった営業循環内の科目以外の流動資産(立替金・仮払金・未払金など)に大きな変動が生じています。営業キャッシュフローのマイナスが2期以上続く場合は、資金繰りの状態をより精査する必要があると言えるでしょう。

 しかし、キャッシュフローはあくまで現預金の増減を示すものであり、いわゆる動態分析に当たります。資金繰りの良否は、「そもそも現預金がどれだけあるか」と併せて見る必要があります。多少キャッシュフローが悪くても、びくともしないだけの蓄えがあれば、当面は大丈夫との判断ができます。
 従来の財務分析においてフローを利益額、ストックを自己資本(比率)で見るならば、現預金のフローはキャッシュフロー、ストックは現預金額となります。

 「利益は出ているが、連動してキャッシュの蓄積(キャッシュストック)はできているか」
「キャッシュフローが一時的に悪化しているが、持ちこたえるストックがあるか」
 そうした観点で見ることが重要です。


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