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与信管理 (17)金融円滑化法

2016年10月5日

金融円滑化法の効果、倒産件数は減少へ
 2009年12月に開始された中小企業金融円滑化法(以下、金融円滑化法)が、2013年3月末に終了を迎えました。2008年のリーマン・ショック以降、中小企業の倒産件数は増加傾向を辿っていましたが、この金融円滑化法の効果もあってか、2012年の1年間の倒産件数は前年を2.1%下回り、2013年以降も減少トレンドとなっています。
 金融円滑化法は、正確には「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」であり、当時の民主党連立政権下、時限立法として施行されました。借入金の元本返済猶予を受けた利用企業が、猶予期間中に経営を改善して通常の借入返済を再開できるようになる、というシナリオを描いた法律でしたが、法律施行後も円高の進行や欧州危機、中国経済の失速などから、中小企業の経営状況の本格的な改善には至りませんでした。このため、金融円滑化法は二度にわたり期間を延長されてきました。

不良債権予備軍の増加
 過剰債務や業績不振に苦しんでいた中小企業には助けとなったこの法律ですが、貸し手側である銀行においては不良債権の予備軍が増加したとの懸念があります。もともとバブル崩壊後、金融機関の不良債権問題は10年以上も続き、この間金融機関の破綻や公的資金注入、自己査定基準の整備と厳格化といった動きを経て、金融行政は不良債権問題の解消(貸し手の健全化)と中小企業の金融円滑化(借り手の健全化)の舵取りをしてきました。

 こうした中、借り手の健全化に比重を置いた金融円滑化法の施行にあたり、金融庁は元本返済猶予を受けている債権について不良債権の引当基準を緩和し、「金利の支払いがあることを前提に、経営改善計画を1年以内に策定できる先においては不良債権として扱わなくても良い」としました。しかし潜在的な不良債権予備軍が増加しているとの指摘から、これ以上の期間延長はできないとの判断に至ったと見られます。

 この法律の施行期間において計画通り業況を回復しキャッシュフローを改善した会社は、文字通り延命できたわけですが、改善できなかった会社は破綻に追い込まれる可能性があります。延命を支えてきた金融機関が結論を出して見切るケースも出ています。より一層、個別企業の営業キャッシュフロー・財務キャッシュフローの動きが注目されてきているのです。


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