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与信管理 (20)緊急事態(保全の動き)

2017年1月11日

緊急時はまず現地へ
 焦付きの事故を未然に防ぎたい審査部門にとって、支払延期という事態は避けたいところです。しかし、どれだけ手を尽くしても突発的な事態は起きます。したがって、被害を最小限に食い止める準備を進めることが大切です。

 状況が不確かな場合は、まず信頼のおける情報ルートで裏付けをとった上で、その取引先に出向いて状況を確認するのが王道です。情報が不確かな段階で関係者にあれこれ情報を伝えると、取引先を風評によって追い込むだけでなく、債権保全においても他社に出し抜かれる可能性があります。裏付けはあくまでそうした懸念のない先に絞って行い、問題がないと判断できた場合を除いて、早い段階で現地に出向いて取引先と対応を協議することが大切です。急場においても誠意ある形で対話を行う姿勢を見せることで、結果として有利な対応を導ける可能性があります。この際、営業担当に指示して動いてもらうこともできますが、債権額が大きい場合や周到な動きが必要となる場合は、審査部門の担当者やマネージャーが同行しましょう。

相殺と保全手段
 ここでは保全準備として債権譲渡による相殺について考えます。相殺はもっとも効力がある保全措置ですが、相対で売り買いをする商流を持っていて相互に債権・債務が発生することが前提となります。非常時に慌てて相殺債権を作ると、後で破産法の詐害行為として無効になる可能性があるため、債権譲渡による相殺は比較的多用されます。
 債権譲渡については相殺を目的としたものだけではなく、信用の不足した相手に予めその販売先からの債権の譲渡を承諾させ、緊急時に行使するという方法が一般的です。こうした手を打てない場合は、現地での現物回収(先取特権等)を行うことになります。

 ただ、現物回収のような手法は販売先の承諾を得なければ後で詐害行為として否認されるリスクもあり、「ダメでもともと」という火事場の緊急措置となります。したがって、契約時の基本契約として期限の利益喪失や契約解除、損害賠償、所有権留保、出荷停止等に関する条項を織り込み、必要があれば連帯保証を付けるといった措置を講じておくことが重要です。

 担保を含む保全措置は損失を最小限にするための措置ですが、いざとなって慌てても有益な選択肢は限られるため、契約時にいかに相手の信用を見定め、それに応じた条件を織り込んで取引をスタートできるかがポイントになります。与信管理はまさに、「備えあれば憂いなし」なのです。

 


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