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与信管理(27)役員報酬の変更

2017年8月3日

損金として認められる役員報酬の種類
 損金として認められる役員報酬には「定期同額給与」と「事前確定届出給与」および「利益連動給与」がありますが、実務上、原則的に用いられるのは「定期同額給与」です。

 「事前確定届出給与」については給与支払前に支払額と時期を決めて税務署へ届出をしなければならず、「利益連動給与」については同族会社では適用できないうえ、基準となる利益指標は有価証券報告書に記載されたものでなければなりません。このような理由から、ほとんどのケースで役員報酬は毎月固定の定期同額給与となっています。

定期同額給与
 役員報酬は「定期同額給与」として毎月同額とし、改定は期首から3カ月を経過する日までに株主総会によって決議することが求められます。

 それ以降に改定を行った場合、差額部分は税務上、原則として損金不算入となります。業績が良くなったため期中で増額する場合のほかにも、最終的な法人の利益確保のために減額したといった場合も、役員報酬の改定前と改定後の差額部分が損金不算入となるので、注意が必要です。

 こうした期中改定の難しさがある一方、見方によっては基本的に役員報酬を1年に1度は改定できるとも言えます。与信管理の視点では、役員報酬の年度ごとの推移が重要な分析材料となります。同族会社が多い中小企業の決算書では、最終的な利益がほとんど計上されていなくても、相応の役員報酬が計上されていれば事業の収益性が十分あるとの判断につながります。逆に、役員報酬をほとんどとらず、無理に利益を出していることもあるかもしれません。
 販売管理費に占める役員報酬の割合が大きい中小企業の場合、その収益性については単純に利益だけで結論付けず、役員報酬の推移も合わせて確認する必要があるでしょう。

臨時改定事由や業績悪化事由による改定
 なお、役員報酬を期中に変更しても、差額が損金不算入とならないケースがあります。
 一つは、「臨時改定事由」といい、役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更、その他これらに類するやむを得ない事情に該当するケースです。
 もう一つは「業績悪化改定事由」といい、経営の状況が著しく悪化したこと、その他これに類する理由に該当するケースです。ともに会社法施行令に定められています。

 注意すべきは、期中での役員報酬の変更は、年次でまとめられる決算書だけでは把握できないということです。月ごとの推移を追えるケースは稀ですので、まずは年次の推移をチェックし、取引先の経営状態や方針の変化を敏感に捉えることが重要です。


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