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与信管理(29)会計情報の限界とは?

2017年10月4日

会計情報の限界と「のれん」
 企業が作成する財務諸表といった会計情報は、その企業の業績測定や財務状況の把握には欠かせないものです。
 一方で、会計情報の性質としての限界を念頭に置いておくことも大切でしょう。企業価値は貨幣価値で測定することが困難な多くの要素によっても形成されます。

 例えば、知名度や信頼性から育ったブランド力、従業員のもつ技術力や育成過程にある有望な人材といった人的資源、築き上げてきたネットワークやノウハウ、こういったものは貨幣価値に置き換えにくい企業価値と言えます。
 これらは企業の競争力の源泉であり、超過収益力とも呼ばれます。しかし、企業が独自にその価値を測定して資産計上することは認められていないため、原則的に貸借対照表の資産に計上されることはありません。例外的に、企業の事業買収といったケースにおいては純資産を上回る金額で評価されることがあり、この差額が「のれん」として認識されます。

 また、連結会計においても、子会社との連結の過程で認識されます。しかし、いずれにおいても「のれん」の内訳を切り分けて認識することはできません。企業価値の見極めにはおいては、会計上で表れる企業価値とともに、こうした定性的な企業価値を見極めていくことが大切です。例えば、純資産よりも多い金額で事業買収されたとき、その差額が企業が作り上げてきた無形の価値、ということになります。

3つの会計基準
 今日、有価証券報告書を作成する企業においては、「日本基準」「米国会計基準」「国際会計基準(IFRS)」から会計基準を選択することができます。

 仮に同一企業の同一期であっても、採用する会計基準が異なると、財務諸表上の科目名称や金額が変わることもあります。例えば、前述の「のれん」については無形の資産として計上された後、「日本基準」では価値が持続すると見込まれる20年以内の期間にわたって、規則的な償却を求められます。一方、「米国会計基準」や「IFRS」では原則的に償却しないものとされています。「のれん」の性質に対して会計基準により異なる見方をとっているといえるでしょう。会計にはこうした多様性が認められており、会計情報が形成される過程には、このような側面もあるということに注意が必要です。


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