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与信管理(30)財務分析からわかること

2017年11月6日

TDBの財務諸表分析表
 財務分析指標については世間一般にさまざまな本があり、与信管理の現場でも各企業で与信判断の要素に組み入れたり、審査で重視すべき指標を定めたりしています。  TDBの信用調査報告書に添付されている財務諸表分析表では、財務指標を1)収益性分析、2)効率性分析、3)安全性・安定性分析の観点から大別し、各指標を提供しています。

 1)収益性分析は、会社の収益獲得能力がどれくらいあるかを判断する指標となり、主に売上高経常利益率などがあります。2)効率性分析は、投下した資産が売上の獲得にどれだけ貢献したかを判断する指標となり、棚卸資産回転期間などがあります。3)安全性・安定性分析は、業況の変動に耐えうる体力や安定した経営ができているかを判断する指標となり、有利子負債月商倍率などがあります。

 決算書の勘定科目を見てもわからなかったことが、これらの財務指標を確認することで浮き彫りになるほか、同業他社などとの比較もできるようになるため、財務指標は企業審査の基本的な道具として理解しておくべきものと言えます。いくつかの財務指標について、みていきましょう。

有利子負債月商倍率
 有利子負債月商倍率は、月商に対する借入金の量を表す指標となり、具体的には(短期借入金+社債+長期借入金)÷月商、で求められます。
 この値が低いほど、「安全性が高い」と言えますが、一方でこの指標は売上規模と借入金規模のバランスであるため、必ずしも高い数値が一律に悪いとは言い切れません。
 例えば、ホテル業といった多額の固定資産が計上される業種では、合わせて借入金も多くなるため、おのずと有利子負債月商倍率も高くなる傾向にあります。

 返済期間は適切か、また返済原資はどの程度有しているのか、収益性やキャッシュ・フローの分析も視野に入れた判断が大切です。固定資産の投資はたいていの場合において期待した投資効果があり、それに基づいて返済計画も立てられています。審査においては「計画通りに進んでいるのか」を確認することがポイントになり、与信判断で重要となる各財務指標の推移によりその進捗を検証することが大切です。

棚卸資産回転期間
 棚卸資産回転期間は、在庫を効率的に減らしコントロールできているか、を表す指標です。
 具体的には(棚卸資産÷月商)という算式で求められます。回転期間が長期化している場合、販売不振や過剰仕入、過剰生産の可能性があり、さらに在庫の不自然な増加によって回転期間の長期化が突出していれば、粉飾の兆候をつかむポイントにもなります。

 また、棚卸資産の推移にも注意が必要です。なぜなら、原価計算において期首在庫に当期仕入を加えて期末在庫を引くという計算を行っており、この期末在庫を架空に増やすとことで原価を減少させ利益を水増しするといった操作に用いられることが多いためです。

 日常の審査で逐一チェックすることは難しいですが、過大な場合や変動が大きい場合は、工場や倉庫といった現場を営業パーソンにチェックさせるといった「実体の確認」を試みることも大切です。


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