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与信管理 (34)与信限度更新とファクタリング

2018年3月5日

与信限度の更新
 与信限度(額)は、「取引可」との与信判断をした先に対して、「どれだけ取引するか」を制約する工夫としてよく用いられています。
 一方、業種・業態もしくは取引形態によって、一律的な算式で算出・運用するのが難しいという事情もあり、多くは過去実績や与信申請額を調整する形で運用されているのが実情です。通常年に1回行われる与信限度の更新も、過年度実績をベースに、取引先の信用状態に応じて加減するケースが多くなります。「攻めの与信管理」の観点で言えば、「もっと売り込む先」「現状維持先」「取引を絞る先」を識別していくことになるわけですが、「取引を絞る」選択については、当然ながら取引先、そして間に入る営業との軋轢が生じやすくなります。

 直近で売上減少・赤字転落となった取引先に対して、取引先の信用悪化が疑いないものであれば、軋轢を恐れずに絞る動きをしていく必要がありますが、誤ると長年の取引による信頼関係を大きく壊す可能性もあるため、材料をよく集めて判断する必要があります。

売上債権ファクタリング
 このところ、「金利優遇」や「事業支援」をうたった金融業者の勧誘が増えているようです。ファクタリング自体は、昔から銀行系の大手ファクタリング業者があるように、売上債権を現金化する金融手段として定着しています。近年は大企業が印紙コストを敬遠して手形による支払いをやめ、期日現金払いとする動きが増えてきました。
 従来手形を割引に回して早期現金化していた納入・下請け業者のニーズを補う形で、ファクタリング業者を仲介するケースも増えています。ただ、なかには法外な手数料をとったり、ファクタリングを入り口として貸金で借り手を抜けられなくしたりする、悪質なファクタリング業者もあるようです。

 売上債権の買い取りは一過的な取引にも見えますが、手形の割引と同じで資金繰りにおいては反復利用になりやすく、反復化すると売掛債権譲渡担保を供与したり、債権譲渡登記が行われたりするようになります。債権譲渡登記はそれ自体が信用に影響するものではありません。ただ、通常の商流からは想定できない、よく知らない金融業者が債権譲渡登記の債権者になっている場合は、それを知った取引先が保守的な判断をすることは容易に想像がつきます。

 資金繰りに窮し、金融業者に重要な取引先への債権譲渡通知書を渡してしまうようなことになると、それこそ会社の生命線を握られてしまいます。「お金に困る」という事象がなくならない限り、そこに付け入る悪徳金融もなくならないわけですが、時代とともにその形は変化していきます。
 審査の場面ではあまり目にすることはないかもしれませんが、与信判断においてはそうした金融業者の存在を理解しておく必要がありますし、また重要な取引先の資金状態を把握し、パートナーとして啓蒙していくことも、安定した商流を維持するためには大切です。

 


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