TDB景気動向調査(全国)

- 2010年3月調査 -

 

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2010年4月5日
株式会社帝国データバンク 産業調査部

景気DIは28.8で3カ月連続改善、国内景気は着実に回復

〜 緩やかな自律回復の動きも表れ始め、『小売』がリーマン・ショック時を上回る水準まで改善 〜
(調査対象2万1,882社、有効回答1万870社、回答率49.7%、調査開始2002年5月)

2010年3月の動向 : 緩やかな回復局面

 2010年3月の景気動向指数(景気DI:0〜100、50が判断の分かれ目)は、前月比2.1ポイント増の28.8と3カ月連続で改善し、その改善幅も拡大基調が続いた。

 業界別にみると、『製造』(31.0)が中国やインドなど新興国の需要増にけん引されたほか、国内でも政策的な消費喚起によって改善を続け、2009年春先の景気底入れ後の 最高を大幅に更新。『小売』(29.3)も水準としては『製造』に及ばなかったものの、家電や自動車をはじめ、家具や衣料品関連なども大きく改善したことから、『製造』とともにリーマン・ショック時(2008年9月)を上回る水準まで改善した。

 全体の景気DIはリーマン・ショック時(29.3)の水準には戻していないが、外需だけでなく、政策的な消費喚起や緩やかな自律回復の動きにより内需も幅広く底上げされたことで、過去最低をつけた2009年2月(18.6)から10.2ポイント改善した。国内景気はいまだ脆弱であるものの、踊り場局面を脱して着実に回復を続けている。

1) 好調な外需や消費喚起により、『製造』は30台を回復してリーマン・ショック時を上回る

2) 政策に加えて自律回復の動きも表れ、『小売』もリーマン・ショック時を上回る水準に



今後の見通し : 緩やかな回復局面

 中国やインドなど好調な外需によって、国内の生産活動は回復が見込まれる。また、家計の金融資産が3年ぶりに増加(2009年末)するなかで、政策的な消費喚起や低価 格品の広がりが消費者の購買力を復調させる契機となっている。今後、選択消費や巣ごもりの傾向がやや緩和され、内需の底上げにつながることで、緩やかな自律回復の動き が続くとみられる。2010年度は前年度から続く家計支援に加えて、子ども手当や高校授業料の実質無償化、住宅版エコポイント制度なども一定の効果が期待される。

 ただ、企業のコスト削減圧力は依然大きく、国内の人的投資や設備投資は弱含む可能性が高い。雇用や所得に早期改善は見込めず、政策で前倒しされた需要も夏場以降は息切れの懸念がある。また、新興国の成長拡大で原材料価格は上昇傾向にあるが、家計の生活防衛意識が根強く残ることで、転嫁は進まず、企業の収益性低下も懸念される。

 景気予測DIは「1カ月後」(29.6、当月比0.8ポイント増)、「3カ月後」(30.5、同1.7ポイント増)、「6カ月後」(32.1、同3.3ポイント増)となった。国内景気は力強さには欠けるものの、内外需の底上げにより、緩やかな回復局面が続くとみられる。



※1:網掛けなしは改善、黄色の網掛けは横ばい、青色の網掛けは悪化を示す
※2:景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:『小売』がリーマン・ショック時を上回る水準まで改善





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

規模別:「大企業」「中小企業」「小規模企業」の全規模が3カ月連続で改善





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:『南関東』が内外需の改善により、1年6カ月ぶりに30台を回復





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感「現在」(2010年3月調査分)



業界別の景況感「先行き」(2010年3月調査分)



調査先企業の属性

1) 調査対象(2万1,882社、有効回答企業1万870社、回答率49.7%)







2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2010年3月19日〜 31日(インターネット調査)

景気DIについて

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を行っており、景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など、企業活動全般に関する項目について、全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」超過、下であれば「悪い」超過を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に 基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング(353) (3.2%)

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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