2010年度の業績見通しに関する企業の意識調査

- TDB景気動向調査2010年3月 特別企画 -

 

PDF形式のファイルをご覧いただくには、
下記リンク先からダウンロードしてください。

プレスリリースをダウンロード

プレスリリースをダウンロード
2010年4月5日
株式会社帝国データバンク 産業調査部

「増収増益」を見込む企業、前年から倍増

〜 「外需」と「政策支援」に業績の上振れを期待 〜


 国内景気は中国など外需の増加に内需の底上げが加わったことで、一部大手では業績の回復が現れ始めている。一方、多くの企業では依然として厳しい状況が続き、家計の生活防衛意識も根強いなか、企業の業績動向が注目される。
 そこで帝国データバンクでは、2010年度の業績見通しに関する企業の意識について調査を実施した。調査期間は2010年3月19日〜31日。調査対象は全国2万1,882社で、有効回答企業数は1万870社(回答率49.7%)。なお、業績見通しに関する調査は2009年3月に続き2回目。

2010年度の業績見通し、26.2%の企業が「増収増益」見込み

 2010年度(2010年4月決算〜2011年3月決算)の業績見通し(売り上げおよび経常利益ベース)について尋ねたところ、「増収増益(見込み含む)」と回答した企業は、「分からない/不回答」を除いた1万767社中2,820社、構成比26.2%となった。2009年度の13.1%(1,408社)と比べると2倍に拡大した。一方、「減収減益(見込み含む)」は同25.5%(2,744社)と、2009年度の45.0%(4,845社)から19.5ポイント減少し、「増収増益(見込み含む)」とほぼ同水準となった。企業業績が前年度より改善すると見込む企業は1年前と比べて大幅に増加した。

 「増収増益(見込み含む)」と回答した企業を業界別にみると、電気機械などを中心に『製造』(同30.1%、917社)が最多となったほか、『金融』(同28.8%、34社)が3割近くに達しており、世界金融危機や世界同時不況が直撃した業界で業績回復を見込む企業が多い(【参考1】参照)。また、『サービス』(同28.3%、423社)や『不動産』(同27.7%、75社)が高かった一方、『建設』(同14.9%、226社)は1割台となっており、内需型産業の間でも業績にばらつきがみられた。

 他方、「減収減益(見込み含む)」は、『農・林・水産』(同44.4%、16社)や『建設』(同40.8%、618社)などで高かった。


 地域別にみると、「増収増益(見込み含む)」は『南関東』(同29.4%、1,047社)と『近畿』(同27.2%、484社)、『北関東』(同27.2%、189社)が全体を上回っており、都市部を中心とした地域で業績の改善を見込む企業が多くなっている。

 また、2009年度の業績を「増収増益」と回答した企業1,408社のうち2010年度も増収増益を見込む企業は同44.8%(631社)と4割以上となった(【参考1】参照)。また、「減収減益」だった企業4,845社のうち同24.6%(1,193社)が2010年度には「増収増益」に転じると見込んでいる。しかし、全体の1万760社でみると2年連続で「減収減益」を見込む企業は15.6%(1,678社)であり、2年連続で「増収増益」を見込む企業の5.9%を9.7ポイント上回るなど、経営環境の改善がみられるなかでも業績の二極化が表れている様子がうかがえる。


 具体的には、増収増益を見込む企業からは、「売上高の増加、変動費と固定費の削減ができた」(機械メンテナンス、福岡県)など厳しい環境下での経営改善努力が功を奏してきたとする企業のほか、「輸出環境が少しずつ上向き傾向にある」(産業機械製造、新潟県)や「新規開拓が順調」(金物卸売、東京都)など、海外経済の回復や積極的な新規開拓の成果を指摘する企業もあった。一方で、「2009年度が悪すぎた」(金型・同部品等製造、山梨県)といった2009年度の極度の落ち込みと比べると改善するものの水準は依然として十分ではないという声も多く挙がった。

 他方、減収減益を見込む企業からは、「デフレ状況が続いているため、増収を見込む要素が見当たらない」(漁業協同組合、北海道)や「新規参入の増加による過剰在庫・設備から当面は取扱商品の値崩れが予想される」(繊維製品製造、愛知県)といった、原材料価格が上昇しているなかでの価格競争の激化や、需要減少による売り上げ低迷など回復期待が持てないとする企業は多い。

 総じて、2010年度の業績見通しは、厳しい経営環境が続くなかで業績を慎重にみる企業と、外部環境の良化や経営改善努力、新規顧客の開拓による業績改善を見込む企業とに二極分化している様子がうかがえる。

2009年度業績、2010年度業績見通しについて


注1:母数は2008年度業績が「分からない/不回答」を除く1万881社、2009年度業績見通しが同1万876社、2009年度業績が同1万760社、2010年度業績見通しが同1万767社
注2:「その他」の内訳詳細は、3ページ脚注1〜脚注4参照
注3:業績は、売り上げおよび経常利益ベース
脚注1:2008年度業績「その他」の内訳は、「増収だが利益は前年度並み」(4.9%、535社)、「減収だが利益は前年度並み」(6.2%、673社)、「増益だが売上は前年度並み」(1.0%、112社)、「減益だが売上は前年度並み」(2.4%、260社)
脚注2:2009年度業績見通し「その他」の内訳は、「増収だが利益は前年度並み」(4.8%、520社)、「減収だが利益は前年度並み」(7.2%、781社)、「増益だが売上は前年度並み」(2.0%、215社)、「減益だが売上は前年度並み」(1.7%、180社)
脚注3:2009年度業績「その他」の内訳は、「増収だが利益は前年度並み」(4.3%、466社)、「減収だが利益は前年度並み」(8.0%、861社)、「増益だが売上は前年度並み」(1.6%、175社)、「減益だが売上は前年度並み」(1.4%、152社)
脚注4:2010年度業績見通し「その他」の内訳は、「増収だが利益は前年度並み」(8.0%、863社)、「減収だが利益は前年度並み」(5.8%、620社)、「増益だが売上は前年度並み」(2.7%、293社)、「減益だが売上は前年度並み」(1.7%、188社)

2010年度業績の上振れ材料、「中国経済の成長持続」が34.5%で最多
下振れ材料では、「個人消費の一段の低迷」が52.9%

 2010年度の業績を上振れさせる好材料を尋ねたところ、最も多かったのは「外需(中国経済の成長持続)」が1万870社中3,748社、構成比34.5%(複数回答、以下同)となった。さらに、「外需(米国経済の回復)」(同28.8%、3,132社)が続き、中国や米国など海外需要の回復が業績改善に好影響をもたらす要素として期待する企業は多い。

 次いで、エコカー補助金やエコポイント制度、子ども手当などの「政策支援」(同25.1%、2,725社)のほか、「株式市況の好転」(同24.4%、2,648社)や「為替動向」(同19.6%、2,131社)、「原油・素材価格の動向」(同19.2%、2,087社)など、政府による消費刺激策や金融・商品市場の動向が上位にあがっている。

 一方、2010年度の業績を下振れさせる悪材料では、「個人消費の一段の低迷」が1万870社中5,751社、構成比52.9%(複数回答、以下同)と5割超となっており、国内需要の最大項目である消費が低迷することが業績を悪化させる最大の懸念材料として挙げられている。また、2位に「所得の減少」(同41.6%、4,526社)、4位に「雇用の悪化」(同39.1%、4,250社)といった所得・雇用環境の悪化を約4割の企業が挙げており、内需、とりわけ消費関連の悪化を懸念する企業は多い。

 また、「物価下落(デフレ)の進行」が同40.1%(4,363社)と、4割超の企業でデフレの進行が業績の悪材料になるとみている。

 具体的には、「アジアの成長が需要を引っ張る」(繊維製品製造、滋賀県)や「政府の環境産業への補助を期待」(建設、佐賀県)といった、外需の回復や今後の環境市場を担う新規産業の発展に期待を寄せる声が多く挙がった。一方で、「デフレを解消しないと経済発展が望めない」(建設、岡山県)など一段の物価の下落を懸念する意見も多くみられた。

 2010年度の企業業績について、「景気の二番底懸念が薄れてきた」(機械・器具卸売、北海道)との認識から増収増益を見込む企業が1年前と比べて2倍に拡大するなど改善期待が表れ始めた。しかし、業績改善に向けた力強さは依然として弱く、デフレ経済からの脱却とともに個人の景況感が改善するまでは楽観できない。

2010年度業績の上振れ材料
(複数回答)


注:母数は有効回答企業1万870社

2010年度業績の下振れ材料
(複数回答)


注1:「外需の悪化」は、「外需(米国経済の悪化)」、「外需(中国経済の成長鈍化)」、「外需(欧州経済の悪化)」のいずれかを回答
注2:母数は有効回答企業1万870社

【参考1】 2010年度の業績見通し 〜規模・業界・地域・2009年度業績別〜


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は有効回答企業1万870社のうち、「分からない/不回答」を除く1万767社
注3:2009年度業績の合計は「分からない/不回答」を除く1万760社。クロス集計は、両年度の「分からない/不回答」を除いているため、列の総和は必ずしも合計と一致しない

【参考2】 2010年度業績の上振れ材料、下振れ材料 〜規模・業界別〜
<上振れ材料>


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は、有効回答企業1万870社

【参考2】 2010年度業績の上振れ材料、下振れ材料 〜規模・業界別〜
<下振れ材料>


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は、有効回答企業1万870社

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

プレスリリースをダウンロード   会員募集中

このページのトップへ

このサイトについて  サイト利用規定  プライバシーポリシー  免責事項  サイトマップ
Copyright (c) 2002- TEIKOKU DATABANK, LTD. all