TDB景気動向調査(全国)

- 2010年5月調査 -

 

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2010年6月3日
株式会社帝国データバンク 産業調査部

景気DIは31.7、国内景気の回復続くが、
やや減速感漂い始める

〜外需に比べて内需の回復遅れは鮮明で、家電や自動車の購入支援策には息切れの兆しも〜
(調査対象2万1,362社、有効回答1万806社、回答率50.6%、調査開始2002年5月)

2010年5月の動向 : 回復局面

 2010年5月の景気動向指数(景気DI:0〜100、50が判断の分かれ目)は、前月比1.0ポイント増の31.7となり、5カ月連続で改善した。

 業界別にみると、前月に6年ぶりの首位となった『製造』(34.5)が中国などの外需や国内の緩やかな自律回復の動きによって改善を続け、2カ月連続の首位となり、全体をけん引した。そのほか、『製造』には及ばないものの、『小売』(31.6)や『サービス』(32.3)、『不動産』(31.6)なども改善基調を持続した。

 しかし、内需関連業界は回復の遅れが鮮明となっている。また、『小売』では家電や自動車関連業種が悪化し、これまでの政策支援の効果には息切れの兆しもみられる。ギリシャの財政危機に端を発する世界的な株価下落や円高の進行なども影響したことで、『製造』だけでなく、全体の改善幅縮小につながった。国内景気は回復を続けているが、やや減速感が漂い始めている。

1) 外需や緩やかな自律回復の動きにより、幅広い業種で改善続く

2) 雇用環境や所得低迷で内需の回復遅れが鮮明、政策支援の効果には息切れの兆しも

3) ギリシャの財政危機による世界的な株安・円高などで、前月までに比べ改善幅も縮小



今後の見通し : 回復続くが、減速の可能性も

 大手メーカーや小売などの一部では業績回復が顕著であり、2010年度も内外需の取り込みやコスト圧縮によって収益力を向上させて、グローバル競争が激化するなかで設備投資の底上げにもつながるとみられる。また、緩やかな自律回復の動きに加えて、住宅版エコポイントや高校授業料の実質無償化、6月に支給開始となる子ども手当に対する企業の新商品やサービスの投入も、一定の効果を及ぼすことが期待される。
 しかし、中小企業をはじめ多くの企業では回復が鈍く、雇用や所得の全体的な改善も困難なことから、内需の本格回復は見込めない。これまで需要が前倒しされてきた家電小売や自動車小売の動向も、注視する必要がある。参院選を控えて政策見通しは不透明であり、海外でもユーロ圏および同圏が最大の輸出先である中国の景気動向も楽観できない。また、デフレの継続や、株安、円高、資源高なども懸念材料となる。
 景気予測DI は「1カ月後」(33.3、当月比1.6ポイント増)、「3 カ月後」(35.2、同3.5ポイント増)、「6カ月後」(36.3、同4.6ポイント増)となった。国内景気は回復が見込まれるものの、回復ペースは減速する可能性もある



※1:網掛けなしは改善、黄色の網掛けは横ばい、青色の網掛けは悪化を示す
※2:景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:『製造』は10業界中で2カ月連続首位、一方、内需は回復遅れが目立つ





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

規模別:「大企業」「中小企業」「小規模企業」の全規模が5カ月連続で改善





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:都市圏中心に改善続き、『南関東』は4カ月連続で首位





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感「現在」(2010年4月調査分)



業界別の景況感「先行き」(2010年4月調査分)



調査先企業の属性

1) 調査対象(2万1,362社、有効回答企業1万806社、回答率50.6%)







2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2010年5月20日〜 31日(インターネット調査)

景気DIについて

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を行っており、景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など、企業活動全般に関する項目について、全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」超過、下であれば「悪い」超過を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に 基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング(353) (3.2%)

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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