2010年度の業績見通しに対する企業の動向調査

- TDB景気動向調査2010年9月特別企画 -

 

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2010年10月6日
株式会社帝国データバンク産業調査部

業績見通し、企業の33.5%が下方修正

〜 今後の懸念材料、「内需」が過半数、「為替動向」「国内政治」も4割超 〜


 2010年初め、新興国や欧米など海外需要の拡大や、家電エコポイントやエコカー減税・補助金などで日本経済は回復基調にあった。しかし、米欧景気の先行き不透明感の台頭や6月以降の急速な円高に加えて、エコカー補助金(9月7日終了)など下支え要因が相次ぎ終了することなどもあり、国内景気の失速が鮮明となってきた。

 そこで帝国データバンクでは、2010年度の業績見通しの修正状況について調査を実施した。調査期間は2010年9月16日〜30日。調査対象は全国2万2,707社で、有効回答企業数は1万1,349社(回答率50.0%)。

2010年度業績見通し、3社に1社が売り上げ、経常利益ともに「下方修正」

 2010年度(2010年4月決算〜2011年3月決算)の業績および業績見通しについて、2010年度の期初見通しと比較して、通期の業績見通し(実績)に修正がある(あった)かどうか尋ねたところ、売り上げでは「下方修正」と回答した企業が1万1,349社中4,475社、構成比39.4%と4割近くとなった。また、「上方修正」とした企業は同14.0%(1,592社)であった。経常利益では、「下方修正」が同40.3%(4,575社)と4割を超えた一方、「上方修正」は同13.7%(1,551社)となった。

 売り上げと経常利益をともに「下方修正」した企業は同33.5%(3,799社)に達し、3社に1社が期初見通しよりも業績の悪化を見込んでいることが明らかとなった。一方、ともに「上方修正」した企業は同10.1%(1,141社)となっており、「下方修正」した企業の3分の1にとどまっている。

 一方で、ともに「上方修正」した割合がともに「下方修正」した割合を上回っていたのは「輸送用機械・器具製造」(上方修正:27.1%、下方修正:22.4%)など2業種であった(参考表1参照)。ただ、「輸送用機械・器具製造」は政策支援の効果により通期業績を上方修正した傾向が強く、政策支援終了による影響も大きいこともあり、期中における変動が著しい。
 総じて、2010年度の業績見通しは下方修正をした企業が多く、期初の見込みより厳しさが増していたことを示唆している。


注:母数は有効回答企業1万1,349社

業績見通しに影響を与えた要因、「内需不振」が48.4%で最多

 業績および業績見通しに影響を与えた要因について尋ねたところ、「内需不振」を挙げた企業が1万1,349社中5,497社、構成比48.4%で最多となった(複数回答、以下同)。次いで、「デフレ」(同25.8%、2,923社)、「コスト削減」(同22.5%、2,554社)、「円高」(同21.8%、2,478社)が続き、いずれも2割を超えた。特に、「内需不振」を挙げた企業では約6割が業績見通しを下方修正していた(参考表2参照)。

 業績見通しを「下方修正」した企業からは、「内需の減少」(鉄鋼・同加工品卸売卸売、大阪府)や「競争の激化と単価の下落」(葬儀業、佐賀県)などを指摘する声が挙がった。また、「口蹄疫の影響」(出版・印刷、宮崎県)や「為替でデリバティブを行っており円高やデフレは大逆風」(飲食料品卸売、東京都)などの意見もあった。他方、「上方修正」した企業からは、「取引先の業績回復」(経営コンサルタント、大阪府)や「設投資の節約疲れ」(電気機械製造、茨城県)といった意見のほか、「リーマン・ショック後の行きすぎた在庫調整の反動」(電気機械製造、大阪府)や「災害復興工事の特需」(建設石材窯業製品卸売、山口県)などの声もあった。

  また、夏の猛暑については、「異常気象による一次産業の壊滅」(飲食料品卸売、北海道)などにより下方修正した企業がある一方、「空前の猛暑による清涼飲料への特需」(飲食料品小売、群馬県)といった猛暑効果を上方修正要因としている企業もあり、猛暑による影響は分かれた。


注:母数は有効回答企業1万1,349社

今後の懸念材料、「内需」が54.1%で最多、「為替動向」「国内政治」も4割超

  今後の不確定要素として懸念することを尋ねたところ、「内需」を挙げた企業が1万1,349社中6,139社、構成比54.1%で最多となった(複数回答、3つまで選択、以下同)。さらに「為替動向」(同40.6%、4,604社)が続き、「国内政治」も同40.4%(4,585社)と4割を超えた。低迷する内需に加えて、急速に進んだ円高などの外国為替レートの動きや政治情勢などに対して、経済活動をするうえでの懸念材料であると考える企業が多いことがうかがえる。

 企業からは、「業界内競争の激化や低価格商品へのシフト」(出版企画・編集・制作・印刷請負、東京都)といった国内要因のほか、「国内が不振で海外へ目を向けており、為替動向は一喜一憂」(娯楽用具・玩具製造、東京都)や「外需要因が地域経済に影響を及ぼしている」(建設、静岡県)、「中国の動向次第で、資源不足にもデフレにも振れてしまう現状」(機械・器具卸売、大阪府)などを指摘する意見もあった。



注:母数は有効回答企業1万1,349社

半数以上が政府・日銀に「新たな消費喚起策の実施」や「円高対策」を求める

 政府や日本銀行にどのような政策を求めるか尋ねたところ、1万1,349社中5,877社、構成比51.8%の企業が「新たな消費喚起策の実施」を挙げた(複数回答、以下同)。次いで「円高対策」(同50.0%、5,679社)が5割以上となったほか、さらに「企業向け金融支援の拡充」(同38.1%、4,329社)が続いた。

  規模別にみると、「新たな消費喚起策の実施」や「円高対策」、「家計向け所得支援の拡充」は『大企業』が『中小企業』を上回った一方、「企業向け金融支援の拡充」や「規制緩和」、「一段の金融緩和策」では『中小企業』が『大企業』を上回った。とりわけ、「円高対策」と「企業向け金融支援の拡充」で規模間の差が大きく、「円高対策」は『大企業』が同52.1%(1,399社)だったのに対し、『小規模企業』では同42.6%(1,031社)と『大企業』が『小規模企業』より9.5ポイント高かった。また、「企業向け金融支援の拡充」では、『小規模企業』の同43.8%(1,059社)に対して『大企業』は同32.1%(862社)となり、『小規模企業』が『大企業』より11.7ポイント高かった。企業が政府・日銀に求める政策は企業規模によって望む内容が異なり、政策実施においてはターゲットを明確にすることが肝要である。



注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は、有効回答企業1万1,349社

【参考1】 業績および業績見通しの修正状況 〜 輸送用機械・器具製造、電気・ガス・水道・熱供給 〜


注:母数は、「輸送用機械・器具製造」の有効回答企業107社



注:母数は、「電器・ガス・水道・熱供給」の有効回答企業9社

【参考2】 業績および業績見通しの修正状況 〜 業績見通しへの影響要因「内需不振」 〜


注:母数は、業績見通しへの影響として「内需不振」と回答した企業5,497社


【参考3】 業績および業績見通しの修正状況 〜 規模・業界・地域別 〜


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は、有効回答企業1万1,349社

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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