TDB景気動向調査(全国)

- 2011年3月調査 -

 

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2011年4月5日
株式会社帝国データバンク 産業調査部

景気DIは31.6、東日本大震災で前月比3.8ポイント減と急落

〜内需停滞が顕著で海外では日本の一次産品を敬遠する動きも現れ、大きく下押しされる〜

(調査対象2万2,097社、有効回答1万747社、回答率48.6%、調査開始2002年5月)

2011年3月の動向:大きく下押し

 2011年3月の景気動向指数(景気DI:0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比3.8ポイント減の31.6となり、5カ月ぶりに悪化した。過去最大の悪化幅を記録したリーマン・ショック後の同4.1ポイント減(2008年12月)に次ぐ急落となり、2010年10月(31.5)以来の水準に後退した。

 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震と津波被害、それにともなう福島原発の事故によって、東日本を中心に企業の生産活動をはじめ、小売やサービスなど幅広い業界で企業活動が大きく落ち込んだ。また、消費意欲が低下して不要不急のモノやサービスが総じて需要減となった一方、一部の飲食料品や日用品、ガソリンなどでは需給バランスが崩れて品不足が深刻化し、東北・関東地方の電力不足、放射能汚染の拡大も社会的な混乱を増幅させた。
 さらに、海外による日本への渡航自粛の広がりも影響して、国内の観光需要が急減したほか、農畜産物や水産物の禁輸措置、輸入の自主規制などの動きも現れ始めており、東日本大震災の影響は未曾有の事態に陥っている。国内景気は内需の停滞が顕著で海外では日本の一次産品などを敬遠する動きも起こり、大きく下押しされている。

1) 東日本を中心に企業活動が落ち込み、消費意欲も低下して、内需の停滞が顕著に



今後の見通し:緩やかな回復見込みも、不透明感漂う

 震災による被害の全容はいまだ把握できない状況にある。東北・関東地方の電力不足は長期化する見込みで、企業活動の停滞や消費意欲の低下など多方面にわたって悪影響が長引く可能性が高い。また、福島第一原発の事故に収束の見通しは立っておらず、世界的にも深刻な放射能汚染の広がりは内需の停滞に拍車をかけるだけでなく、外需の日本離れを拡大、長期化させることにもつながりかねない。
 こうしたなか、政府や自治体は補正予算を策定中で、インフラ整備などの復興需要が増大することが見込まれる。新興国の成長も背景に、東海や近畿、九州などが景気を下支えしながら、官民一体となった復興への取り組みが活発化することが期待される。
 景気予測DIは「1カ月後」(32.8、当月比1.2ポイント増)、「3カ月後」(33.2、同1.6ポイント増)、「6カ月後」(34.6、同3.0ポイント増)となった。前月には踊り場を脱したとみられた国内景気だが、今後は極めて緩やかな回復にとどまるものとみられ、原発事故のほか円高や原材料高、政局など懸念材料は多く、不透明感が漂っている。



※1:網掛けなしは改善、黄色の網掛けは横ばい、青色の網掛けは悪化を示す
※2:景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:『小売』『サービス』は過去最大の悪化幅で、内需の停滞が顕著に



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

規模別:「大企業」「中小企業」「小規模企業」いずれも5カ月ぶりに悪化



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:『東北』『北関東』『南関東』は過去最大の悪化幅、『東海』以西が下支え





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感「現在」(2011年3月調査分)


業界別の景況感「先行き」(2011年3月調査分)


調査先企業の属性

1) 調査対象(2万2,097社、有効回答企業1万747社、回答率48.6%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2011年3月23日〜31日(インターネット調査)

景気DIについて

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を行っており、景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など、企業活動全般に関する項目について、全国2 万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」超過、下であれば「悪い」超過を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に 基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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