TDB景気動向調査(全国)

- 2011年4月調査 -

 

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2011年5月9日
株式会社帝国データバンク 産業調査部

景気DIは30.4、前月比1.2ポイント減と2カ月連続で悪化

〜国内景気は内需の下支えによって一段の急落には陥らず、復興の兆しも見え始める〜

(調査対象2万2,240社、有効回答1万769社、回答率48.4%、調査開始2002年5月)

2011年4月の動向 : 停滞するも、復興の兆し見え始める

 2011年4月の景気動向指数(景気DI:0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比1.2ポイント減の30.4となり、2カ月連続で悪化した。

 福島第一原発の事故は、事故後1カ月を経過して原子力事故の評価尺度(INES)に基づく暫定評価が最も深刻なレベル7に引き上げられた。放射能汚染の広がりや汚染水の放出などでも情報公開の遅れが指摘されるなど、海外では日本を敬遠する動きに拍車がかかった。また、為替動向は不安定で原材料価格も騰勢を強めるなど企業の収益性は厳しく、相次いだ強い余震も家計や企業のマインドを下押しした。さらに、統一地方選挙の結果も受けて政局は不透明感を増し、復興政策や原発対応への懸念も強まるなど、震災後の閉塞感を払拭するには至っていない。
 ただ、企業の生産活動には復調の動きもみられ、個人消費も生活必需品などでは底堅い。新興国向け需要も工作機械や電子部品などで好調を維持している。国内景気は停滞を余儀なくされているが、内需の下支えによって一段の急落には陥らず、復興の兆しも見え始めている。

1) サプライチェーンの混乱や原材料高、海外の日本敬遠の動きも影響し、企業収益が低下

2) 生活必需品は堅調な一方、不要不急のモノやサービスは停滞、個人消費の二極化強まる



今後の見通し:不透明要素を抱えながらも、緩やかな復調へ

 福島第一原発の事故の収束には長期化が避けられない見通しとなっている。夏季や冬季などの電力需要期には東北や関東地方の電力不足が景気回復の足かせとなるほか、不安定な為替や原材料価格の動向も先行き不透明感を増幅させる要因となっている。海外では日本の一次産品に加えて工業製品に対しても風評被害が拡大しており、また、渡航自粛が長引くことによって全国的な観光需要の縮小につながる恐れもある。
 こうした厳しい情勢下だが、企業の生産活動はサプライチェーンの回復や被災地の復興へ向けた動きの活発化にともなって徐々に持ち直していくとみられる。さらに、政策支援の実効性を高めて消費意欲の回復にもつなげることで、景気回復への好循環が生まれることが期待される。
 景気予測DI は「1カ月後」(31.9、当月比1.5ポイント増)、「3カ月後」(33.0、同2.6ポイント増)、「6カ月後」(34.3、同3.9ポイント増)となった。国内景気は余震や原発事故など不透明要素を抱えながらも、緩やかな回復基調を取り戻すとみられる。



※1:網掛けなしは改善、黄色の網掛けは横ばい、青色の網掛けは悪化を示す
※2:景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:『製造』は悪化が続くも、『小売』は2カ月ぶりに改善



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

規模別:「大企業」「中小企業」「小規模企業」いずれも2カ月連続で悪化



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:『東北』は悪化幅が縮小するも、全10地域中で2カ月連続の最下位





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感「現在」(2011年4月調査分)


業界別の景況感「先行き」(2011年4月調査分)


調査先企業の属性

1) 調査対象(2万2,240社、有効回答企業1万769社、回答率48.4%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2011年4月18日〜30日(インターネット調査)

景気DIについて

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を行っており、景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など、企業活動全般に関する項目について、全国2 万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」超過、下であれば「悪い」超過を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に 基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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