TDB景気動向調査(全国)

- 2011年5月調査 -

 

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2011年6月3日
株式会社帝国データバンク 産業調査部

景気DI は31.4、前月比1.0ポイント増と3カ月ぶりに改善

〜国内景気は供給面、需要面の改善で回復基調を取り戻しつつあるが、依然として弱含み〜

(調査対象2万2,660社、有効回答1万1,111社、回答率49.0%、調査開始2002年5月)

2011年5月の動向 : 回復基調を取り戻しつつある

 サプライチェーンは回復途上であり、原材料価格も上昇傾向にあるものの、企業の生産活動には回復の動きが現れ始めている。家計の消費活動も緩やかではあるが回復が広がっており、生活必需品のほか、不要不急のモノやサービスなどでも幅広い改善がみられた。ただ、いずれも回復に力強さはなく、全51 業種のなかで震災前の水準に戻したのはわずか3業種にとどまった。
 景気DIは震災から3カ月目にしてようやく改善に転じたが、震災前(35.4:2011年2月)を大きく下回る水準が続いており、震災や福島第一原発事故に加えて、デフレや円高、雇用不安なども設備投資や消費マインドのさらなる改善の妨げとなっている。国内景気は供給面、需要面の緩やかな改善によって回復基調を取り戻しつつあるが、依然として弱含みの状況にある。

1) 企業の生産活動は回復の動きが現れ始め、消費も生活必需品を中心に幅広く改善

2) 震災や原発事故に加えてデフレや円高などの影響も大きく、回復に力強さはない



今後の見通し:緩やかな回復

 福島第一原発の事故は収束しておらず、事故後2カ月が経過して1号機におけるメルトダウンが公表されるなど、原発事故やその情報公開に対する国内外の不信感は依然として払拭されていない。このことは被災地周辺の農産物だけでなく、国内の一次産品や工業製品、観光への悪影響を長期化させる要因ともなっている。政局も安定しないなか、今後の復興政策や財政、税制改革などへの懸念も残る。
 しかし、生産や販売などの企業活動は緩やかな回復が見込まれる。消費面も含めて夏季の電力不足による影響は避けられないが、節電対策は新たな需要も生みだしており、いっそうの取り組み拡大による生産や消費活動への好影響も期待される。
 景気予測DIは「1カ月後」(33.0、当月比1.6ポイント増)、「3カ月後」(34.4、同3.0ポイント増)、「6カ月後」(36.0、同4.6ポイント増)となった。国内景気は原発事故の長期化が重しとはなるものの、緩やかな回復基調を維持するとみられる。



※1:網掛けなしは改善、黄色の網掛けは横ばい、青色の網掛けは悪化を示す
※2:景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:『製造』は3カ月ぶり、『小売』は2カ月連続で改善



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

規模別:「大企業」「中小企業」「小規模企業」いずれも3 カ月ぶりに改善



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:復興需要で「岩手」「宮城」が大きく改善し、『東北』は最大の改善幅に







※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感「現在」(2011年4月調査分)


業界別の景況感「先行き」(2011年4月調査分)


調査先企業の属性

1) 調査対象(2万2,240社、有効回答企業1万769社、回答率48.4%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2011年5月19日〜31日(インターネット調査)

景気DIについて

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を行っており、景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など、企業活動全般に関する項目について、全国2 万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」超過、下であれば「悪い」超過を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に 基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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