政権の新しい枠組みに関する企業の意識調査

- TDB景気動向調査2011年6月特別企画 -

 

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2011年7月5日
株式会社帝国データバンク産業調査部

新体制への移行、企業の4割超が「大連立」を求める

〜 新体制への移行時期としては「7月までの早期移行」が過半数に達する 〜


 菅首相は「一定のメドがついたあと若い世代に責任を引き継ぎたい」と述べ、事実上の退陣を表明したものの、退陣時期を明示せず、時期を巡ってさまざまな意見や憶測が出され、今後については不透明な状況となっている。また、国会の審議も滞っており、復興への道筋の策定にも時間がかかっている。
 そこで、帝国データバンクでは、政権の新しい枠組みに関する意識について調査を実施した。調査期間は2011年6月20日〜30日。調査対象は全国2 万2,773社で、有効回答企業数は1万1,032社(回答率48.4%)。

調査結果のポイント

新体制へ移行するうえでの選択肢、「大連立」が41.2%

 新体制へ移行するうえで望ましい選択肢を尋ねたところ、「大連立」と回答した企業は1万1,032社中4,550社、構成比41.2%となった。4割を超える企業が大連立による与野党の枠を超えた協力体制を求めている。次いで「衆議院解散」が同28.1%(3,097社)、「現与党中心の新内閣」同10.6%(1,173社)が続いた。
 業界別では、「大連立」を選択した企業は、農産物への風評被害などの対応を求めている『農・林・水産』が同52.6%(20社)と半数を超え、『不動産』(同45.6%、 129社)、『製造』(同42.0%、1,302社)なども高い(参考表1参照)。
 地域別では、全10地域で「大連立」と回答した企業が最も多く、『東海』(同44.1%、535社)や『近畿』(同43.0%、794社)など西日本が全体より割合が高い傾向にある。東日本大震災による被害が大きかった『東北』は同40.5%(229社)と全体より低く、「分からない」と回答した企業が同23.2%(131社)と高かった。
 企業からは、「新首相のもとで時限的に震災復興に限定して、大連立するべき。復興事案が終了したら、解散総選挙で民意を問う」(生コンクリート製造、千葉県)、「大連立でなくても政策ごとに真摯に議論し、国の将来を見据えて結論を出して欲しい」(樹脂加工、大阪府)などの声が挙がった。震災からの早期復興のために与野党の協力を求める企業が多い。


注1:※は「分からない」(20.1%、2,212社)
注2:母数は有効回答企業1万1,032社


新体制への移行時期、「7月までの早期移行」を求める企業が56.2%

 新体制への移行時期について尋ねたところ、「すぐにでも(6月中)」と回答した企業は1万1,032社中4,018社、構成比36.4%、「7月」が同19.8%(2,179社)となり、これらを合計した『7月までの早期移行』は同56.2%(6,197社)と、過半数の企業が早期の移行を求めていることが明らかとなった。次いで、「8月」(同13.2%、1,460社)が続き、年内は先にいくほど割合が低下する傾向にある。

 業界、地域を問わず『7月までの早期移行』の割合が高く、企業からは、「原発事故収束を含めた早期復興を望む。そのために、政府のスピーディーな対応が必要」(金属加工、福島県)、「あまりにも復旧・復興に対する取り組みが遅すぎる。原発事故による不透明な部分はあるが、「行動する政府」「行動できる政府」を早急に立ち上げてもらいたい」(農業協同組合、北海道)などの声が挙がった。企業は復興に向けてスピーディーに対応できる枠組みへ、可能な限り早い移行を求めている。



注:母数は有効回答企業1万1,032社


日本の復興に必要なこと、「行政府による復興ビジョンの提示」が最多

 今後日本が復興していくために必要なことを尋ねたところ、「行政府による復興ビジョンの提示」と回答した企業は1 万1,032社中8,245社、構成比74.7%(複数回答、以下同)となり、7 割を超える企業がビジョンの提示を求める結果となった。なお、この設問は震災直後の2011年3月調査以来2回目で、前回調査と比較すると、「行政府による復興ビジョンの提示」が7.0ポイント増加。震災の発生から3カ月以上経ってもいまだ復興へのビジョンが示されておらず、「ビジョンなしでは先行き不透明で産業界は方針を決められない」(金属品製造、東京都)など、今後の方向性を決めかねている企業も少なくない。次いで2 位は「インフラの整備(交通、通信等を含む)」(同50.4%、5,562社)となり、高速道路などインフラの復旧が進んだことで3月より21.0ポイント減。3位は「行政府による被災地域への支援」(同49.9%、5,507社)となった。前回1位であった「電気、ガソリン等エネルギーの安定供給」は夏場の電力不足が懸念されるものの、ガソリン不足や計画停電が行われていた前回調査時点より、27.1ポイント減の48.7%(5.369社)で4位となった。
 地域別にみると、全10地域で「行政府による復興ビジョンの提示」が7割を超えた(参考表3参照)。『東北』は「行政府による被災地域への支援」(同56.3%、318社)と「中長期的な被災者、地域への援助」(同53.3%、301社)が他の地域より高く、ビジョンに加えて長期的な支援・援助を求めている。
 企業からは「被災地域の復興ビジョンを明確にして欲しい。それとともに被災地域において投資促進税制・経済特区化などの投資インセンティブを与えるような施策が必要。これらがないと、企業は被災地域に再投資するのではなく、ますます海外展開を進展させる」(自動車部品製造、東京都)などの声が聞かれ、今後の日本経済のためにもビジョンの提示に加え、具体的な施策が必要とされている。



注:2011年6月調査の母数は、有効回答企業1万1,032社
  2011年3月調査の母数は、有効回答企業1万747社


首相に必要な資質・能力、「リーダーシップ」が不可欠とする企業が8割超え

 今後の日本の首相に求められる資質や能力について尋ねたところ、「リーダーシップ」と回答した企業は1万1,032社中9,681社、構成比87.8%(複数回答、以下同)で最多となった。次いで「外交力」(同54.5%、6,014社)、「ビジョン」(同53.2%、5,869社)、「信念」(同47.2%、5,208社)が上位に挙がっている。なお、この設問は安倍晋三首相、福田康夫首相と2代続いて首相が約1年で辞任していた2008 年9月に調査して以来、2回目である。前回と比較すると、第4位まで同じ項目が並んだ。「リーダーシップ」は前回でも83.7%と8割を超えていたが、今回は4.1 ポイント増と一段と高まっており、政治に期待するリーダーシップが発揮されておらず、震災によりさらにその期待が高まっていることがうかがえる。また、「ビジョン」が11.9ポイント増と大きく増加。企業からは、「首相がビジョンを掲げ、達成する覚悟が必要」(事務用機械卸売、東京都)などの声があった。日本の復興に必要なことのなかでも「行政府による復興ビジョンの提示」が最多となっており、復興へ向けた明確なビジョンを持ち、力強いリーダーシップで日本を引っ張っていく首相が求められている。



注:2011年6月調査の母数は、有効回答企業1万1,032社、
  2008年9月調査の母数は、有効回答企業1万708社


復興財源確保、「復興債の発行」が47.6%で最多

 復興財源を確保するためどのような方法が望ましいか尋ねたところ、「復興債(国債)の発行」と回答した企業は1 万1,032社中5,253社、構成比47.6%(複数回答、 以下同)で最多となった。次いで「既存予算の組み替え」同45.3%(4,998社)、「消費税増税」(同44.5%、4,906社)が続いた。「法人税増税」は同13.3%(1,466社) にとどまった。企業からは「復興債を発行し、2〜3年で景気回復をさせた後に消費税を増税」(薬品製造、大阪府)など、すぐに資金調達できる復興債で景気回復させた後に増税するなど、複数の方法を組み合わせて財源確保を行うべきとの声も挙がった。また、増税による消費の冷え込み、景気の停滞を懸念する声や,「国会議員定数の削減と減給、公務員数の削減と減給をしてからの増税だと思う」(スーパーマーケット、青森県)など国民負担増の前に、支出削減を求める声もあった。
 今回の調査結果で、新体制への移行に関しては「大連立」が最も多く選ばれ、早期移行や、「ビジョン」が求められており、すぐに資金調達ができる「復興債の発行」が財源の確保として最多であったのは、可能な限り早い復興を求めているからだ。企業からは「国のあるべき姿を皆で話し合い、新たな国家ビジョンを策定し新生日本とすべく一丸となり、党派を超えた新しい動きが欲しい」(建設、宮城県)などの声があった。東日本大震災の発生からすでに3カ月経っている。手間取っている暇はない。日本が一致団結して復興に取り組むことが重要である。



注1:その他は5.2%(573社)
注2:母数は、有効回答企業1万1,032社


【参考1】 新体制に移行するうえで望ましい選択肢 〜規模・業界・地域別 〜


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は有効回答企業1万1,032社


【参考2】 】新体制への移行時期 〜 規模・業界・地域別 〜


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は有効回答企業1万1,032社

【参考3】 日本の復興に必要なこと(複数回答) 〜 規模・業界・地域別 〜


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は有効回答企業1万1,032社



【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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