TDB景気動向調査(全国)

- 2011年7月調査 -

 

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2011年8月3日
株式会社帝国データバンク 産業調査部

景気DIは35.5、3カ月連続で改善し震災前の水準を回復

〜生産活動の回復が鮮明となり、猛暑や省エネ・地デジ特需などが内需を底上げ〜

(調査対象2万3,065社、有効回答1万1,006社、回答率47.7%、調査開始2002年5月)

2011年7月の動向 : 回復局面

 2011年7月の景気動向指数(景気DI:0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比2.3ポイント増の35.5 となった。3カ月連続で改善し、5カ月ぶりに震災前(2011年2月:35.4)の水準を回復した。
 震災から4カ月が経過し、サプライチェーンの復旧が進んだことで企業の生産活動は回復傾向が鮮明となった。特に、復興へ向けたインフラ整備や生産設備の新設・復旧などで投資も活発化し、被災地を中心に東日本の復調が続いている。
 また、消費マインドは震災のショックから徐々に回復しつつあり、月前半の猛暑や節電・省エネ対策、地デジ切り替えなどの特需が内需の底上げにつながった。しかし、原発事故の長期化や家計における負担増の懸念、食の安全への不信感の増幅などはさらなる改善の重しとなっている。国内景気は震災から着実に回復しているものの、内需に自律的な力強さはみられない。

1) 企業の生産活動は回復傾向が鮮明となり、『製造』が国内景気の回復をけん引

2) 猛暑や省エネ・地デジ特需などが消費を底上げするも、自律的な力強さはみられず



今後の見通し:緩やかな回復局面

 中国などアジアを中心とした外需は堅調で、国内でも法人、個人ともに節電や省エネ意識が一段と高まるなかで、今後も新商品やサービスなどの需要増が見込まれる。家電エコポイント制度の新しい枠組みによる復活案が検討されるなど、政策的な後押しも内需の底上げに寄与することで、企業の収益改善につながることが期待される。
 ただ、震災復興や財政再建へ向けたコスト負担の増加は避けられない。円高や国内のエネルギー政策の不透明感もあり、企業の収益力低下や海外シフトの加速も懸念される。今後も所得や雇用に早期の改善は期待できず、原発事故の長期化や生活必需品などの値上がり傾向も、内需の回復を妨げる要因となる。
 景気予測DIは「1カ月後」(37.2、当月比1.7ポイント増)、「3カ月後」(37.9、同2.4ポイント増)、「6カ月後」(36.8、同1.3ポイント増)となった。国内景気は緩やかな回復基調が見込まれるが、内需の停滞によって、回復ペースは鈍化する可能性もある。



※1:網掛けなしは改善、黄色の網掛けは横ばい、青色の網掛けは悪化を示す
※2:景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:自動車関連業種を始め、『製造』の回復傾向が鮮明に



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

規模別:「大企業」「中小企業」「小規模企業」いずれも3カ月連続で改善



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:復興需要で「宮城」が全国第2位、「福島」も第7位に上昇





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感「現在」(2011年7月調査分)


業界別の景況感「先行き」(2011年7月調査分)


調査先企業の属性

1) 調査対象2万3,065社、有効回答企業数1万1,006社、回答率47.7%




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2011年7月19日〜31日(インターネット調査)

景気DIについて

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を行っており、景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など、企業活動全般に関する項目について、全国2 万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」超過、下であれば「悪い」超過を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に 基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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