TDB景気動向調査(全国)

- 2011年8月調査 -

 

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2011年9月5日
株式会社帝国データバンク 産業調査部

景気DIは35.2、前月比0.3ポイント減と4カ月ぶりに悪化

〜円高による輸出環境の悪化と内需の伸び悩みにより、回復局面には早くも変調が表れ始める〜

(調査対象2万2,762社、有効回答1万1,070社、回答率48.6%、調査開始2002年5月)

2011年8月の動向 : 回復局面

 2011年8月の景気動向指数(景気DI:0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比0.3ポイント減の35.2となり、4カ月ぶりに悪化した。
震災から5カ月が経過し、企業の生産設備やサプライチェーンの復旧は進んだものの、今夏の節電の影響に加えて、円が戦後最高値を更新するなど日本の輸出環境が厳しさを増したことで、企業活動は停滞した。
 しかし、復興需要の増加により被災地を中心とした東北の改善基調が続いている。た、月前半の猛暑により節電製品などの需要増が続き、円高による輸入品価格低下などのメリットもみられた。ただ、個人消費の回復にはこれらの効果は限定的で、景気DIは4カ月ぶりの悪化を余儀なくされた。国内景気は輸出環境の悪化と内需の伸び悩みにより、震災後の回復局面に早くも変調が表れ始めている。

1) 輸出環境の悪化で企業の生産や出荷が停滞、個人消費も伸び悩む

2) 復興需要により『東北』が過去最高の第2位、県別でも「宮城」などの被災県が上位に



今後の見通し:踊り場局面に入る可能性

 欧米経済は不透明感が漂っているが、中国やインドなどの新興国経済は比較的堅調な推移が見込まれる。内需は弱いものの、節電や省エネ意識が定着するなかで、新商品・サービスを創出する動きも活発化しており、これらが家計の消費喚起や企業の収益底上げにつながることが期待される。また、野田新内閣による復興政策や新たな景気刺激策にも期待がかかる。
 しかし、円高基調からの短期的な反転は期待薄である。需要不足のなか、エネルギーや環境、貿易問題なども山積しており、企業の海外シフトの加速、産業空洞化の懸念が高まっている。震災復興や財政再建に向けた負担増も避けられないものとみられる。
 景気予測DIは「1カ月後」(35.0、当月比0.2ポイント減)、「3カ月後」(34.8、同0.4ポイント減)、「6カ月後」(34.5、同0.7ポイント減)となった。国内景気は踊り場局面に入る可能性があり、国際競争力の低下が長期化すれば一段の下振れも懸念される。



※1:網掛けなしは改善、黄色の網掛けは横ばい、青色の網掛けは悪化を示す
※2:景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:『小売』は底堅いものの、『製造』は4カ月ぶりに悪化



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

規模別:「大企業」「中小企業」「小規模企業」いずれも4カ月ぶりに悪化



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:復興需要により『東北』が全国10 地域中で過去最高の第2位に上昇





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感「現在」(2011年8月調査分)


業界別の景況感「先行き」(2011年8月調査分)


調査先企業の属性

1) 調査対象2万2,762社、有効回答企業1万1,070社、回答率48.6%




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2011年8月19日〜31日(インターネット調査)

景気DIについて

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を行っており、景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など、企業活動全般に関する項目について、全国2 万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」超過、下であれば「悪い」超過を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に 基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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