2012年度の業績見通しに関する企業の意識調査

- TDB景気動向調査2012年4月特別企画 -

 

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2012年5月7日
株式会社帝国データバンク産業調査部

企業の30.3%が「増収増益」見込み

〜 個人消費の動向に加えて、夏季の電力不足が企業業績の不安定要因になる可能性も 〜


 国内景気は、東日本大震災からの復旧・復興需要や政策支援が実施される一方で、原発事故の影響や全国的な電力不足懸念など、企業の経営環境は厳しい状況が続いている。また、地域や業界により景気の回復度は異なっており、企業の業績動向が注目される。
 そこで帝国データバンクでは、2012年度の業績見通しに関する企業の意識について調査を実施した。調査期間は2012年4月17日〜30日。調査対象は全国2万 3,313社で、有効回答企業数は1万380社(回答率44.5%)。なお、業績見通しに関する調査は2009年3月、2010年3月、2011年4月に続き4回目。

調査結果のポイント


2012年度の業績見通し、企業の30.3%が「増収増益」見込み

 2012年度(2012年4月決算〜2013年3月決算)の業績見通し(売り上げおよび経常利益ベース)について尋ねたところ、「増収増益(見込み含む)」と回答した企業は、「分からない/不回答」を除いた1万296社中3,115社、構成比30.3%となり、前年度(2011年度)の同29.9%(3,077社)と同程度の割合となった。一方、「減収減益(見込み含む)」は同19.4%(1,993社)と前年度の同24.7%(2,543社)から5.3ポイント減少している。東日本大震災で急激に悪化した2011年度の業績見通しと比べると、2011年度実績見込み、2012年度見通しともに改善した。震災から1年 が経過し、厳しい経営環境が続くなかでも企業業績は徐々に改善しつつある。
 「増収増益(見込み含む)」と回答した企業を業界別にみると、『金融』が同35.7%(45社)で最多だったほか、『小売』(同35.1%、154社)や『サービス』(同34.6%、524社)、『卸売』(同31.2%、986社)、『不動産』(同30.8%、80社)が3割を超えた(参考表1参照)。地域別では『南関東』(同34.7%、1,166社)と『東北』(同30.1%、182社)、『東海』(同30.0%、333社)が3割以上で、最高の『南関東』と最低の『四国』(同22.6%、77社)で12.1ポイントの差があった。
 他方、「減収減益(見込み含む)」は『不動産』(同26.9%、70社)や『農・林・水産』(同25.6%、11社)、『建設』(同25.2%、361社)などで高かった。
 具体的には、「受注状況はバブル期を超えて生産が間に合わないくらい好調で、目先落ち込む要因が見当たらない」(自動車向け金属加工機部品製造、大阪府)や「インターネット市場の拡大にともない、小口輸送が増加しているのは追い風」(自動車部品付属品卸売、東京都)といった増収増益を見込む企業がある一方で、「ここ数年の海外展開の結果、海外の景気動向(特に中国)の影響を受けやすく、為替動向の変動は収益に大きく影響するようになってきた」(電気照明器具製造、大阪府)や「3.11以後は民間土木が極めて不調」(建設、千葉県)など、海外経済の動向や市況、東日本大震災の影響を指摘する意見も多くみられた。
 企業の約3割が増収増益を見込み、減収減益見込みは減少するなど企業業績は緩やかに改善しつつある様子がうかがえるが、地域や業界によるバラツキは大きい。


注1:母数は2010年度実績見込みが「分からない/不回答」を除く1万675社、2011年度見通しが同1万664社、2011年度実績見込みが同1万300社、2012年度見通しが同1万296社
注2:「その他」の内訳詳細は、3ページ脚注1〜脚注4参照
注3:業績は、売り上げおよび経常利益ベース


2012年度業績見通しの下振れ材料、「個人消費の一段の低迷」が41.4%、
上振れ材料では「個人消費の回復」が39.6%

 2012年度の業績見通しを下振れさせる材料を尋ねたところ、「個人消費の一段の低迷」が1万380社中4,299社、構成比41.4%(複数回答、以下同)で最多となったほか、「原油・素材価格の動向」(同41.3%、4,285社)も4割を超えた。次いで、「所得の減少」(同29.4%、3,048社)、「物価下落(デフレ)の進行」(同26.1%、2,713社)、「為替動向」(同25.5%、2,646社)などが続いた。また、4社に1社が「外需の悪化」(同25.6%、2,661社)を挙げており、欧州債務危機など米欧中経済の先行きに対する懸念が前年度より強まった(「外需(米国経済の悪化)」、「外需(中国経済の成長鈍化)」、「外需(欧州経済の悪化)」のいずれかを回答)。
 また、北海道電力の泊原発3号機の定期検査による停止で、国内で稼働している原子力発電所がなくなるなか、「夏季の電力不足」は同22.4%(2,320社)と5社に1社が挙げた(「夏季の電力不足にともなう直接的悪影響」または「夏季の電力不足にともなう間接的悪影響」のいずれかを回答)。電力不足による自社の生産・販売活動の低下だけでなく、仕入先や得意先における間接的影響が企業業績の下振れ材料になると考える企業は多い。一方、前年度に半数以上が下振れ材料とみていた「東日本大震災による被害」は同7.6%(786社)に減少した(「東日本大震災による直接被害」または「東日本大震災による間接被害」のいずれかを回答)。
 企業からは、「電力事情や為替・原油など不安定要素が多すぎる」(木材・竹材卸売、愛媛県)や「人材の確保不足による機会損失」(労働者派遣、兵庫県)、「ヨーロッパの経済危機の収束以外ない」(食肉卸売、福井県)、「燃料価格や電力料金の上昇は痛い」(建設、岡山県)など、広範な要因をリスクとして捉える声が挙がった。
 一方、2012年度の業績見通しを上振れさせる材料で最も多かったのは「個人消費の回復」が1万380社中4,109社、構成比39.6%(複数回答、以下同)となり、4割近くの企業が消費の回復を上振れ要因として挙げた。次いで高かった「東日本大震災にともなう需要の増加」(同24.0%、2,491社)は前年度(41.6%)から17.6ポイント減少した。また、「欧米金融危機の早期払拭」(同14.4%、1,498社)や「為替動向」(同20.6%、2,141社)は、それぞれ前年度から8.0ポイント、5.0ポイント増加しており、欧州における債務危機への対応や2011年夏から続いていた超円高の修正などを企業が好材料と考えている様子がうかがえる。
 2012年度の企業業績には前年度と比べると明るい兆しが現れている。しかし、上振れ材料、下振れ材料ともに個人消費の動向が1位に挙げられ、厳しい雇用・所得環境が続くなかで業績の不安定要素となる可能性がある。また、企業からは「電力供給体制の安定化を切に望む」(骨材・石工品等製造、千葉県)という経済活動の基礎条件に対する意見も挙がっており、エネルギー戦略の重要性が一段と高まっている。


注1:「その他」は2012年度3.6%(378社)、2011年度4.9%(531社)
注2:「外需の悪化」は、「外需(米国経済の悪化)」、「外需(中国経済の成長鈍化)」、「外需(欧州経済の悪化)」のいずれかを回答
注3:「東日本大震災による被害」は、「東日本大震災による直接被害」または「東日本大震災による間接被害」のいずれかを回答
注4:「夏季の電力不足にともなう悪影響」は、「夏季の電力不足にともなう直接的悪影響」または「夏季の電力不足にともなう間接的悪影響」のいずれかを回答
注5:2012年4月調査の母数は有効回答企業1万380社。2011年4月調査は1万769社


注1:「その他」は2012年度7.6%(788社)、2011年度16.0%(1,726社)
注2:「外需の好調維持」は、「外需(米国経済の回復)」、「外需(中国経済の成長維持)」、「外需(欧州経済の回復)」のいずれかを回答
注3:2012年4月調査の母数は有効回答企業1万380社。2011年4月調査は1万769社


【参考1】 2012年度の業績見通し 〜 規模・業界・地域別 〜


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は有効回答企業1万380社のうち、「分からない/不回答」を除く1万296社


 「2011年度業績、2012年度業績見通しについて」


【参考2】 2012年度業績見通しの下振れ材料(複数回答) 〜 規模・業界・地域別 〜


注:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は、有効回答企業1万380社


【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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