夏季の電力使用量削減に対する企業の意識調査

- TDB景気動向調査2012年6月特別企画 -

 

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2012年7月4日
株式会社帝国データバンク産業調査部

節電の実施、全地域で6割を超え全国に拡大

〜 節電内容、4割近くがLEDなど省電力製品を導入・検討 〜


 電力需要のピーク時における電力供給の不足が懸念されるなか、政府は2010年と比較した今夏の節電の数値目標として北海道電力7%、中部電力4%、北陸電力4%、関西電力10%、中国電力3%、四国電力7%、九州電力10%を掲げている(6月26日時点)。
 また、昨夏に東京電力管内で実施された計画停電について、今夏は4つの電力事業管内で計画されているなど、夏季の電力不足にともなう節電や影響に対する懸念も高まっている。
 そこで帝国データバンクでは、夏季の電力使用量削減に対する意識について調査を実施した。調査期間は2012年6月19日〜30日。調査対象は全国2万2,800社で、有効回答企業数は1万589社(回答率46.4%)。

調査結果のポイント


企業の7割超が「節電を実施」、削減量は企業の約2割が10%以上

 今夏の節電実施状況について尋ねたところ、「実施する(予定・検討を含む)」と回答した企業は1万589社中7,504社、構成比70.9%となった。一方、「実施しない(予定・検討を含む)」は同13.2%(1,395社)だった。また、「実施する」企業はすべての地域で6割を超え、全国的に拡大している(参考表1参照)。
 節電を「実施する」と回答した企業7,504社に節電の実施による電力使用の削減量の内訳を尋ねたところ、猛暑だった2010年と比較して「10%未満」が同40.3%(4,268社)で最も多く、4割超の企業が一桁台の削減と見込んでいる。また、「10%以上15%未満」が同14.9%(1,577社)、「15%以上25%未満」が同3.7%(394社)、「25%以上」が同0.8%(89社)となり、合わせて19.5%(2,060社)の企業が10%以上の電力使用削減を考えている様子がうかがえる。しかしながら、政府が数値目標として10%を掲げている関西電力と九州電力の要請地域となっている『近畿』は同20.6%(364社)となっているほか、『九州』は同16.2%(140社)といずれも2割前後にとどまっている(参考表1参照)。一方、2011年に計画停電を経験した『南関東』では、同78.4%(2,739社)が節電を実施し、10%以上の削減を見込む企業は同28.3%(990社)となり全10地域中で最も高かった。
 節電を実施する企業はすべての地域で6割を超えており、全国へと広く拡大している。ただ、前回調査(2011年6月)と比較すると、節電を実施する企業の割合は1.8ポイント低下(前回は72.7%)したほか、削減量も減少している。すでに節電を続けている企業も多いうえ、事業の性質から電力使用量削減に困難さを覚えているなど、さまざまな取り組みにより節電が特別なことでなくなった可能性がある。


注1:※は「分からない」(16.0%、1,767社)
注2:母数は有効回答企業1万589社


注1:※は「分からない」(16.0%、1,767社)
注2:母数は有効回答企業1万1,032社


節電内容、LEDなど省電力製品の導入も6.1ポイント増で4割近くに

 今夏の節電を「実施する(予定・検討を含む)」と回答した企業7,504社にその内容を尋ねたところ、「空調などの温度設定の見直し」が同92.5%(6,944社。複数回答、以下同)となり、節電を実施する企業の大部分が空調を挙げた。次いで、「消費電力の少ない製品・設備の導入(LEDなど)」(同38.0%、2,854社)、「稼働・営業時間の短縮」(同11.0%、824社)が続いた。節電内容を尋ねた前回調査(2011年5月)と比べると、「消費電力の少ない製品・設備の導入(LEDなど)」が6.1ポイント上昇した。
 地域別にみると、「消費電力の少ない製品・設備の導入(LEDなど)」について、『北海道』(同49.2%、164社)と『北陸』(同42.0%、150社)、『四国』(同41.7%、95社)が高く、4割を超えた(参考表2参照)。また、『南関東』では「夏季休暇の増加」が同8.9%(243社)と他地域と比べて高かった。
 業界別では、『製造』が「電力需要の少ない曜日に操業」(同9.1%、191社)、「生産体制の前倒し」(同7.7%、162社)が全10業界中で最も高くなっており、製造業の1割近くが生産体制についてまで取り組むとしている。
 空調などの温度設定に加えて、LEDなど省エネ製品・設備を導入する企業が増加している。また、企業からは「自販機の撤去などで待機電力を削減」(木製家具製造、愛知県)などの声もあり、さまざまな方法で節電を続けている様子がうかがえる。


注:母数は「節電を実施する」と回答した企業7,504社。2011年節電の内容は7,936社。


企業の意見(節電の内容)
  • 自販機の撤去などで待機電力を削減(木製家具製造、愛知県)
  • 照明などを間引き、温水便座の停止、LED照明など、少しでも節電を心がけている(プリント回路製造、静岡県)
  • 設備稼働時間を調整する(金型・同部品等製造、大阪府)
  • 太陽光発電設備を設置したので稼働中(建設、岐阜県)
  • 電気使用量デマンド装置を設置して、毎日管理している(ポリプロピレン製品卸売、兵庫県)
  • 当社自体が省エネの製品を製造しており、ユーザーに利用していただくため、積極的にPRをしている(電気計測器製造、神奈川県)

節電を実施しない理由、「節電が不可能な設備・業態だから」が最多、
「自社の属する地域では電力不足は生じない」は前年比半減

 今夏、節電を「実施しない(予定・検討を含む)」と回答した企業1,395社にその理由を尋ねたところ、最も多かったのは「節電が不可能な設備・業態だから」が同28.7%(401社。複数回答、以下同)となり、次いで、「自社の属する地域では電力不足は生じない」(同28.1%、392社)、「節電のメリットがない」(同23.5%、328社)が続いた。
 この質問を行った2011年5月調査と比べると、「自社の属する地域では電力不足は生じない」が27.6ポイント低下し、半分近くとなった。一方、「節電のメリットがない」は7.0ポイント、「努力目標で強制力はないから」は6.1ポイントそれぞれ上昇しており、節電によるメリットや強制力の有無を挙げる企業が増えている。
 2011年は計画停電が実施された東京電力管内で節電が要請されたが、今夏は7つの電力会社管内で節電要請がなされ、政府も数値目標を掲げ、全国的な問題へと拡大している。節電を実施する予定の企業は減少し、2010年比での削減量もやや少なくなっているなかで、企業による節電の実施自体は全国的な広がりをみせている。


注:母数は「節電を実施しない」と回答した企業1,395社。2011年節電しない理由は1,069社。


企業の意見(今夏に節電を実施しない理由)
  • ISO14001にて、過去より少しずつ実施している(金属表面処理、新潟県)
  • 可能な節電は実施済みで、これ以上は業務に支障が出る(精密機械器具卸売、岡山県)
  • 原発を稼働させれば済むこと(鉄鋼・同加工品卸売、福岡県)
  • 昨年、節電のための設備投資をしているので、節電しなくても電気使用量は30%以上ダウンする(鉄鋼・非鉄・鉱業、三重県)
  • 太陽光発電や地熱発電の導入、昼間消灯、クールビズと考えられるものは昨年から実施している(建設、北海道)
  • 日本中の原発が停止していても、火力発電所を稼働させたり、民間の発電所の電力を使うことで電力不足は解消できる(一般貨物自動車運送、愛知県)
  • そもそも電力不足ではないと思う(土木建築サービス、東京都)

クールビズ、「開始している」は75.1%、前年同時期より4.9ポイント増加
2012年夏、最終的には8割超の企業が実施の見込み

 クールビズの取組状況を尋ねたところ、すでに「開始している」と回答した企業は1万589社中7,951社、構成比75.1%と4社に3社が開始していた。
 これは、前年の同時期(2011年6月調査、70.2%)より4.9ポイント増加しており、8年目を迎えたクールビズが震災や電力不足などを背景としてさらに拡大していることがうかがえる。
 クールビズの実施について、現在「検討中」と回答した企業は同9.2%(976社)で、これをすでに「開始している」と回答した企業と合わせると計84.3%(8,927社)となり、8割を大きく上回る。
 2005年6月調査時には「開始している」企業(同20.7%)と「検討中」企業(同19.6%)を合わせた構成比は同40.3%だったが、最終的には同37.1%が実施した。2006年は同48.6%、2008年は同66.7%、2010年は同72.8%と徐々に増加していき、震災のあった2011年は同85.4%に急拡大するなど、クールビズを実施する企業の割合は概ね上昇してきた。環境意識の高まりやクールビズの認識の広がりに加えて、全国的な電力不足を背景として、2012年は最終的に全体の8割を上回る企業がクールビズを実施すると見込まれる。



【参考】 電力使用の削減量 〜 規模・業界・地域別 〜


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は有効回答企業1万589社。


【参考】 節電の内容(複数回答) 〜 規模・業界・地域別 〜


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は節電を「実施する(予定・検討含む)」と回答した企業7,504社。


【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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