人材活用の多様性に関する企業の意識調査

- TDB景気動向調査2012年8月特別企画 -

 

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2012年9月5日
株式会社帝国データバンク産業調査部

人材活用、「女性社員」の活用を重視する企業が約2割

〜 企業の海外進出が進むなか、3年後の外国人の現地法人管理職は約1割に拡大 〜


 日本の人口減少が進むなか、企業経営において人材をいかに活かし、従業員の能力を発揮させるかが大きな課題となっている。また、2012年7月31日に閣議決定された日本再生戦略では、人材活用の多様性(ダイバーシティ)によるイノベーションの創造を促すことを重要な政策の一つとして据えるなど、経済社会を支える人材活用に対する注目が高まっている。
 そこで帝国データバンクでは、人材活用の多様性に関する意識について調査を実施した。調査期間は2012年8月21日〜31日。調査対象は全国2万2,587社で、有効回答企業数は1万801社(回答率47.8%)。

調査結果のポイント


人材活用、「女性社員」の活用を重視する企業が約2割

 人材の活用における、若年者(新卒、第2新卒)、女性社員、高齢者社員、外国人社員のなかで重要度が「高い」と回答した割合が最も高かったのは、「若年者(新卒、第2新卒)の活用」で1万801社中2,492社、構成比23.1%となった。次いで「女性社員の活用」が同22.2%(2,401社)、「高齢者社員の活用」が同15.8%(1,703社)、「外国人社員の活用」は同4.6%(497社)となった。
 「女性社員の活用」の重要度の高さは、新卒一括採用などが実施されてきた「若年者(新卒、第2新卒)の活用」とほぼ同水準となっており、企業は女性社員の活用を重視している。
 業界別にみると、「女性社員」活用の重要度については、『小売』が同39.0%(188社)と約4割の企業が「高い」と回答した(参考表1参照)。また『サービス』(同30.0%、467社)、『不動産』(同28.6%、75社)も重要度が「高い」と認識する企業が多かった。「外国人社員」については、『製造』(同6.3%、196社)の割合が高かった。
 企業からは、「定期的に新卒を採用している。若い社員が入ることにより、職場が活性化することに加え、将来のためにも必要」(木材卸売、京都府)、「昨年より女性活躍推進プロジェクトを立ち上げ、女性のモチベーションの向上と企業の発展のために活動を行っている」(百貨店、栃木県)、「高齢者とはいえ元気な人が多く、長年培った技術の継承も兼ねて有効に活用する事で、多くの問題解決にも繋がる」(内装工事、愛知県)、「高度外国人材の積極採用により、成長するアジア地域に付加価値のある製品として販売ができている」(ポンプ製造、福岡県)などの声が挙がった。


注1:母数は、有効回答企業数1万801社


人材活用の多様化の成果、「女性社員の活用」では優秀な人材の登用、
「高齢者社員の活用」はコスト削減が最多

 人材活用の多様化を図ることにより、どのような成果が現れているか尋ねたところ、「若年者(新卒、第2新卒)の活用」については、1万801社中「従業員のモチベーションが上がった」が構成比16.0%(1,727社。複数回答、以下同)で最多となり、次いで「優秀な人材を登用することができた」が同15.0%(1,624社)となった。
 「女性社員の活用」では「優秀な人材を登用することができた」が同16.0%(1,727社)で最も多く、次いで「従業員のモチベーションが上がった」が同15.5%(1,675社)となった。女性社員を活用することで、組織の活力が向上している様子がうかがえる。
 「高齢者社員の活用」については、「コスト削減につながった」が同16.3%(1,762社)で最多となり、突出している。高齢者社員の活用は、人件費の削減に一定の役割を果たしている。
 「外国人社員の活用」では「優秀な人材を登用することができた」が同6.0%(645社)、「顧客の多様化するニーズに対応できるようになった」が同4.5%(486社)となった。
 全体を通してみると、「優秀な人材を登用することができた」が上位にあり、人材活用の多様化で、企業は人材の質の向上という成果を感じている様子がうかがえる。


注1:母数は、有効回答企業数1万801社
注2:選択肢のうち上位3つを掲載


外国人の活用状況、
3年後の「海外現地事業所(法人)の管理職」が約1割に拡大

 国内の労働力不足への懸念や円高や国内市場の縮小などにより、企業の海外展開の拡大が進むなかで、外国人をどう活用していくかが課題となっている。そこで、現在の外国人の活用状況について尋ねたところ、「一般社員」と回答した企業は1万801社中1,677社、構成比15.5%(複数回答、以下同)で最多となった。次いで、「契約社員(アルバイト含む)」(同9.3%、1,000社)、「海外現地事業所(法人)の管理職」(同4.5%、490社)となった。
 他方、3年後の活用状況についてみると、「一般社員」(同17.6%、1,899社)や契約社員(アルバイト含む)」(同9.9%、1,071社)は現在の活用状況から小幅な上昇にとどまるなか、「海外現地事業所(法人)の管理職」が同4.5%から同8.4%(912社)と、約1割に拡大している。「海外現地事業所(法人)の役員」についても同2.0%から同3.4%(369社)と増加した。企業の海外進出や国内の労働人口の減少により、外国人の活用において、重要なポストでの活用が徐々に増加していくことが見込まれる。


注:母数は有効回答企業1万801社


「海外に現地法人や支店を開設し事業を行っている」企業は13.0%、
3年後の「海外現地事業所(法人)の管理職」のニーズ高まる

 企業の海外展開の状況について尋ねたところ、1万801社中1,399社、構成比13.0%(複数回答、以下同)が「海外に現地法人や支店を開設し事業を行っている」と回答した。「海外に拠点はないが、国内から海外企業と取引を行っている」と回答した企業は同17.1%(1,851社)、「商社などを通じて間接的に海外企業と取引を行っている」は同18.0%(1,945社)となった。なお、「海外企業との取引はない」企業は同54.6%(5,895社)となった。
 業界別にみると、「海外に現地法人や支店を開設し事業を行っている」と回答した企業は『製造』(同20.4%、640社)、『金融』(同20.2%、26社)、『卸売』(同13.4%、438社)が全体を上回った(参考表2参照)。「海外に拠点はないが、国内から海外企業と取引を行っている」、「商社などを通じて間接的に海外企業と取引を行っている」はともに『製造』『卸売』の割合が高かった。  また、「海外に現地法人や支店を開設し事業を行っている」企業1,399社における現在の外国人の活用状況は、「一般社員」が構成比47.7%(668社)で最多となり、約半数の企業で活用している。次いで「海外現地事業所(法人)の管理職」が同31.5%(440社)と約3割、「海外現地事業所(法人)の役員」も同14.2%(198社)となった。海外現地法人事業所においては、現地の事情を熟知した外国人を労働者として活用するだけでなく、統括も任せている様子がうかがえる。
 3年後については、「一般社員」(同46.2%、647社)は微減であるのに対し、「海外現地事業所(法人)の管理職」(同45.1%、631社)が約1.4倍、「海外現地事業所(法人)の役員」(20.9%、293社)が約1.5倍と増加しており、現地事業所(法人)の統括のため、外国人を起用する企業が増加するとみられる。また、研究職についても、「研究職(国内事業所)」は現在とほぼ同水準にとどまる一方、「研究職(海外事業所・現地法人含む)」(同7.9%、111社)は増加した。
 企業からは「海外拠点に日本人を派遣するコスト負担が重くなっている。現地社員の登用をさらに進め、駐在員は最小限にしたい」(工場構内作業請負、神奈川県)や「ベトナムで現地法人を立ち上げ、ショッピングセンターの開発を目指しており、現地法人の社長はベトナム人の女性を採用済み」(貸事務所、大阪府)という声が聞かれた。一方、「海外拠点での人材の育成は難しい。教育をして、力を付けさせたら転職してしまう。人手はあるが人材が不足している」(無線通信機器製造、大阪府)などの声も挙がり、外国人をどう活用していくのかについては課題もある。
 今後、労働力人口の減少が懸念され、企業を取り巻く環境が変化していくなかで、さまざまな課題を解決し、多様な人材を有効に活用できなければ活発な経済活動の継続は見込み難い。個別の状況にあわせて、企業は適切に人材を活用する必要があり、行政による環境整備のサポートも求められる。


注:母数は、有効回答企業数1万801社


注:母数は、「海外に現地法人や支店を開設し事業を行っている」と回答した企業1,399社


【参考1】 活用の重要度が「高い」


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は有効回答企業1万801社


【参考2】 海外展開の状況


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は有効回答企業1万801社


【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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