中国との関係悪化に関する企業の意識調査

- TDB景気動向調査2012年10月特別企画 -

 

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2012年11月5日
株式会社帝国データバンク産業調査部

中国との関係悪化、企業の約3割が悪影響

〜 3社に1社が悪化前と比べて売り上げ減少を見込む 〜


 2005年の日中関係の悪化以降、関係改善が進み、経済の相互依存関係が深まっていたなかで、9月中旬以降に発生した中国各地での反日デモは、日本企業にとって改めてリスクとして浮かび上がってきた。
 帝国データバンクでは、中国との関係悪化に関する影響について調査を実施した。調査期間は2012年10月19日〜31日。調査対象は全国2万2,879社で、有効回答企業数は1万534社(回答率46.0%)。

調査結果のポイント


中国との関係悪化、「悪影響」は全体で約3割、「輸送用機械・器具製造」では約6割

 反日デモをきっかけとした中国との関係悪化による、現在の自社への影響について尋ねたところ、「悪影響」と回答した企業は1万534社中3,122社、構成比29.6%で約3割となった。また、「好影響」とした企業は同0.6%(63社)、「影響はない」は同45.2%(4,760社)となった。
 業界別でみると、「悪影響」は『製造』が同38.9%(1,183社)、『運輸・倉庫』が同38.2%(154社)でともに約4割となった(参考表1参照)。とりわけ、『製造』のなかでも「輸送用機械・器具製造」は同61.2%(60社)と突出して高く、「機械製造」も同51.8%(228社)と半数を超えた。
 また、直接、中国の企業や政府などと事業(直接貿易、業務委託、直接投資など)を「行っている」企業は1万534社中1,687社、構成比16.0%となった。そのなかで「悪影響」と回答した企業は同55.5%(936社)と過半数の企業が影響を受けている(参考表2、3参照)。
 企業からは「工場内へのデモ隊の侵入により、生産が一時停止した。また、日系メーカーの製品販売の大幅不振が受注に大きく影響している」(自動車部品加工、岐阜県)などの声も聞かれた。


注1:※は「分からない」企業24.6%(2,589社)
注2:母数は有効回答企業1万534社


日中関係悪化により3社に1社が売り上げ「減少」

 中国との関係悪化による影響について「悪影響」「好影響」「影響はない」と回答した企業7,945社に対し、今回の日中関係の悪化前と比べた売り上げ(通期ベース)への影響について尋ねたところ、「減少」と回答した企業は33.6%(2,666社)となり、企業の3社に1社が売り上げの減少を見込んでいる。また、「変わらない(0%)」は同52.9%(4,201社)で、「増加」は同1.7%(137社)となった。
 業界別にみると「減少」と回答した企業は『製造』(同43.4%、1,016社)、『運輸・倉庫』(同46.5%、141社)で4割を超えた(参考表4参照)。


注1:※は「分からない」11.8%(941社)
注2:母数は、中国との関係悪化の影響で「悪影響」「好影響」「影響はない」と回答した企業7,945社


中国と直接事業を行う企業の具体的な影響、
「中国への出張、渡航の自粛」が約4割、「税関での手続きの遅延」が約3割

 中国と直接事業を「行っている」と回答した企業1,687社に対し、具体的な影響を尋ねたところ、「中国への出張、渡航の自粛」が同39.4%(664社)で最多となった(複数回答、以下同)。次いで、「税関での手続きの遅延」が31.0%(523社)と続いている。安全面への懸念から中国への出張、渡航を自粛した企業が多くみられたことに加えて、税関での手続きの遅延、さらに一部には製品・商品を差し止められたと回答した企業もあった。


注1:以下、「従業員の待遇改善要求、ストライキ、離職」(1.7%、29社)、「工場、店舗などの物的被害(破損、破壊など) 」(0.6%、10社)、「駐在員などの人的被害(怪我など) 」 (0.5%、9社)、「その他」(17.4%、294社)
注2:母数は、中国の企業や政府などと直接事業を「行っている」と回答した企業1,687社



中国と直接事業を行う企業の過半数が、今後も「現状の事業規模を維持」

 日中関係の悪化を受けて、中国に対する今後(2〜3年程度)の事業についてどのように考えているか尋ねたところ、中国と直接事業を「行っている」企業1,687社では、「現状の事業規模を維持」と回答した企業が同54.5%(920社)で最多となった。「事業の縮小、撤退を検討」は同15.5%(262社)であった。中国と直接事業を行う企業のうち、約半数は現状の事業規模を維持と回答しているものの、6社に1社は事業の縮小、撤退を検討している。


注:※は「分からない」企業15.9%(268社)
注2:母数は、中国の企業や政府などと直接事業を「行っている」と回答した企業1,687社


中国の市場の魅力は企業の29.5%、生産拠点の魅力では35.4%が「低下」したと回答

 今回の日中関係の悪化を受けて、自社にとっての中国に対する市場(消費地)および生産拠点(生産地)としての魅力がどのように変わったか尋ねたところ、市場(消費地)では1万534社中3,105社、構成比29.5%の企業が「低下」と回答した(「魅力は低下」(同22.0%、2,320社)、「魅力はなくなった」(同7.5%、785社)の合計)。生産拠点(生産地)については同35.4%(3,734社)の企業が「低下」と回答した(「魅力は低下」(同21.9%、2,308社)、「魅力はなくなった」(同13.5%、1,426社)の合計)。
 企業からは「対日感情の悪化と現地の人件費高騰で、現地生産などは非常に厳しくなった」(金属加工機械製造、長崎県)、「これまで事業を拡大してきたが、今回の関係悪化を受けて、撤退はしないが縮小を検討する」(自動制御機器製造、東京都)などの声が挙がった。
 市場としては規模が大きく、魅力的と考えている企業も少なくないが、生産拠点としては現地の人件費等の高騰などが進んでいたなかで、カントリーリスクが再認識され、魅力が薄れつつある様子がうかがえる。
 企業からは「中国の反日感情は、今後も何か問題がある度に出てくると思われ、東南アジアへ販売先をシフトしていく予定」(再生資源卸売、東京都)など、他国へシフトするとの声もみられた。日中関係の悪化は、企業全体の約3割が悪影響としているが、「取引顧客の中国工場での生産減少などがあり、顧客の今後の業績に反映されると、設備投資が減少することも考えられる」(電気工事、兵庫県)、「現在までは当社では大きな悪影響とはなっていないが、昨年中国拠点を設けた取引先が、9月中旬頃から閉鎖しており、今後悪影響が出始めるのではと警戒している」(パッケージソフトウェア、新潟県)など、今後を案じる声も散見された。長期化すれば影響の拡大も懸念され、適切な対応が求められる。


注1:※1は同11.4%(1,203社)、※2は同28.7%(3,025社)、※3は同9.9%(1,039社)、※4は同29.5%(3,109社)
注2:有効回答社数は1万534社


【参考1】 中国との関係悪化による自社の影響


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は有効回答企業数1万534社


【参考2】 中国との直接事業


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は有効回答企業数1万534社


【参考3】 中国との関係悪化による自社への影響(中国との直接事業実施別)


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は有効回答企業数1万534社


【参考4】 日中関係悪化による自社の売り上げへの影響


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は「中国との関係悪化の影響」で「悪影響」「好影響」「影響はない」と回答した企業7,945社


【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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