2013年度の雇用動向に関する企業の意識調査

- TDB景気動向調査2013年2月特別企画 -

 

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2013年3月14日
株式会社帝国データバンク産業調査部

正社員採用、4年連続で改善

〜 改正高年齢者雇用安定法等への対応、
「60歳以降の従業員の賃金体系の見直し」が約6割 〜


はじめに

 2013年1月の有効求人倍率は0.85倍と3カ月連続で改善し、回復の兆しがみられる。ただし、完全失業率は4.2%と依然として高水準であり、雇用環境の厳しさからは脱していない。他方、2013年4月から高年齢者雇用安定法が改正され、希望者全員の継続雇用が義務づけられるなど高年齢者の雇用増への対応が求められている。
 帝国データバンクは、2013年度の雇用動向に関する企業の意識について調査を実施した。なお、本調査は、TDB景気動向調査2013年2月調査とともに行った。

調査期間:2013年2月18日〜2月28日。
調査対象は全国2万3,051社で、有効回答企業数は1万338社(回答率44.8%)。
なお、雇用動向に関する調査は2005年2月以降、毎年実施し今回で9回目。
本調査における詳細データは、景気動向調査専用HP
(http://www.tdb-di.com/visitors/)に掲載した。

調査結果(要旨)

  1. 2013年度の正社員採用、「増加する」が22.8%で前年比微増。4年連続で改善した。
    「採用予定はない」は34.0%で微減。需要増への対応に加えて組織の若返りを図りたい企業もみられ、正社員採用環境は徐々に改善している。
  2. 雇用環境の改善時期は、「2013年度」が10.4%、「2014年度」が20.7%、「2015年度」が10.6%となった。全体の約4割が今後3年以内を見込んでおり、「長期的に改善する見込みはない」が大幅に減少し、今後の雇用環境への見方が改善していることがうかがえる。
  3. 現在の高齢者雇用についての対応状況は、「継続雇用制度の導入」が約7割となった。
  4. 改正高年齢者雇用安定法等への対応は、「60歳以降の従業員の賃金体系の見直し」が約6割となった。正社員採用の抑制による対応は約2割となった。

1. 2013年度の正社員採用、「増加する」が微増、4年連続で改善

 2013年度(2013年4月〜2014年3月入社)の正社員(新卒・中途入社)の採用状況について尋ねたところ、「増加する(見込み含む)」と回答した企業は1万338社中2,357社、構成比22.8%となった。2012年度(2012年3月調査)の21.9%と比べると0.9ポイント増となり、小幅ではあるものの、4年連続で改善した。
 業界別では、復興需要に加えて公共工事への期待が高まっている『建設』(同30.5%、435社)が最も高く、『サービス』(同27.5%、405社)や『運輸・倉庫』(同24.7%、96社)、『小売』(同23.5%、103社)なども正社員採用意欲が比較的高い結果となった(参考表参照)。
 地域別では『東北』(同28.5%、168社)が最も高く、次いで『北海道』(同26.3%、144社)、『九州』(同25.6%、207社)の順となった。
 他方、「採用予定はない」は同34.0%(3,511社)となり、3年連続で減少した。

 企業からは、「公共事業の増加への対応で資格者等が必要なため」(土木建築サービス、北海道)、「受注量の増加により人員増加」(機械製造、南関東)など、需要増に対応するため新規採用を増加させる声が聞かれた。また、「技術の伝承と組織の若返りを図るため」(鉄鋼・非鉄・鉱業、九州)、「リーマン・ショック以降、新卒の採用を見送っていたため若手社員が減少し、社員の年齢層が上がりバランスが悪くなったため、今後積極的に新卒を採用する予定」(情報サービス、南関東)など組織の若返りや人員構成のアンバランス解消を図る声などもあり、正社員採用は徐々に改善している。
 しかし、「現状は忙しいが、先行き不透明な状況では採用に踏み切れない」(建具製造、南関東)など、今後の景況感がみえず、採用に慎重な姿勢をとる企業や、「高年齢者雇用安定法改定にともない、新たな採用は難しい」(機械・器具卸売、近畿)など、高年齢者の雇用が新規採用に影響を与えるとの声も聞かれた。


注:有効回答社数は、2008年3月調査が1万189社、2009年2月調査が1万658社、2010年2月調査が1万624社、2011年2月調査が1万990社、2012年3月調査が1万711社、2013年2月調査が1万338社


2. 雇用の改善時期、今後3年以内が約4割

 自社の属する地域・業界の雇用環境が改善する時期はいつ頃になるか尋ねたところ、「2013年度」と回答した企業は構成比10.4%(1,072社)、「2014年度」は同20.7%(2,139社)、「2015年度」は同10.6%(1,094社)となった。雇用環境の改善が見込める時期が今後3年以内と考える企業は合わせて同41.6%(4,305社)で、改善を見込む企業は4割を超えた。
 また、「長期的に改善する見込みはない」と回答した企業は同20.8%(2,150社)となり、前回調査と比較すると、9.1ポイント減と大幅に減少した。景気回復への期待から今後の雇用環境に対する見方が改善している。
 規模別にみると、「長期的に改善する見込みはない」が『大企業』は同17.9%(425社)、『中小企業』は同21.7%(1,725社)、『小規模企業』は同23.1%(552社)となり、規模が大きいほど割合が低い。


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:2013年の母数は、有効回答企業1万338社、2012年の母数は、有効回答企業1万711社

3. 現在の高齢者雇用、継続雇用制度を導入する企業が約7割

 現在の高齢者雇用について対応状況を尋ねたところ、「継続雇用制度の導入(雇用を限定する基準あり)」が構成比43.6%(4,512社)で最多となった。次いで「継続雇用制度の導入(雇用を限定する基準なし)」が同26.1%(2,702社)となった。合計すると69.8%となり、約7割の企業が「継続雇用制度」を導入している。「定年の引き上げ」は同7.3%(752社)、「もとから定年はない」は同6.2%(646社)、「定年の定めの廃止」は同1.7%(179社)となった。


注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は、有効回答企業1万338社


4. 高年齢従業員の増加への対応、
「60歳以降の従業員の賃金体系の見直し」が約6割、正社員採用抑制は約2割

 2013年4月に高年齢者雇用安定法が改正されることや老齢年金支給開始年齢の引き上げなどにより高年齢の従業員の増加が見込まれるなか、どのような対応を取るか尋ねたところ、「60歳以降の従業員の賃金体系の見直し」が構成比58.2%(6,021社、複数回答、以下同)と最も多かった。次いで「60歳以降の従業員の労働条件(勤務日数・時間など)の見直し」(同46.3%、4,783社)となった。60歳以降の従業員の待遇を見直すことで高年齢従業員の増加に対応する企業が多くみられた。
 また、「新卒者の採用抑制」は同11.3%(1,171社)、「中途採用者の採用抑制」が15.2%(1,576社)となった。このいずれかを選択した企業は同21.5%(2,223社)となり、約2割の企業が正社員採用の抑制で対応すると回答した。景気回復による雇用増加が期待されるなか、同法改正の影響で正社員採用抑制が懸念される。
 企業からは、「60歳以降の雇用については、能力・体力を勘案し本人の希望職種を最優先に、その労働に見合う賃金設定とする」(化学品製造、近畿)といった高年齢者それぞれに合わせた業務、賃金を設定するという企業がある一方で、「高年齢者は若者向けのファッションを売りにくいなど、仕事の確保がかなり難しい」(服飾品小売、近畿)など高年齢者に適した仕事が少ないという企業もあった。
 新政権による景気対策への期待は大きく、株高や円安傾向となっているものの、雇用の増加には実需の拡大が不可欠であり、実体経済へ波及させていくことが求められている。さらに今後増加が見込まれる高年齢者を活かしながらも、若年者採用が抑制されることのないよう、個別企業の状況にあわせた施策を検討していく必要がある。


注1:以下、「60歳到達前・到達時のグループ会社への出向・転籍の実施」(3.3%、339社)、「60歳到達前・到達 時の希望者への再就職先支援」(2.7%、274社)、「その他」(1.8%、184社)、「特になし」(24.3%、2,511社)
注2:「正社員採用の抑制」は「新卒者の採用抑制」または「中途採用者の採用抑制」のいずれかを選択した企業
注3:母数は、有効回答企業数1万338社


参考表

【参考】】正社員採用について

注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は、有効回答企業1万338社


調査先企業の属性

1) 調査対象(2万3,051社、有効回答企業1万338社、回答率44.8%)


2) 企業規模区分

中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分。

注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング


【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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