2013年度の業績見通しに関する企業の意識調査

- TDB景気動向調査2013年3月特別企画 -

 

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2013年4月11日
株式会社帝国データバンク産業調査部

「増収増益」見通し企業は3社に1社

〜 個人消費の回復と公共事業の増加に、業績の上振れ期待 〜


はじめに

 国内景気は、緊急経済対策による5兆円超の公共投資の執行や金融緩和など、デフレ脱却と景気回復に向けた経済政策により、円高水準の是正や株高が進行しており、輸出増加や消費回復期待が高まっている。ただ円安進行は輸出産業の景気回復が見込める一方、素材価格の上昇も懸念され、地域や業界、規模により景気の回復度が異なることから企業の業績動向への影響が注目される。
 帝国データバンクは、2013年度の業績見通しに関する企業の意識について調査を実施した。なお、本調査は、TDB景気動向調査2013年3月調査とともに行った。

調査期間:2013年3月18日〜3月29日。
調査対象は全国2万3,179社で、有効回答企業数は1万6社(回答率43.2%)。
なお、業績見通しに関する調査は2009年3月以降、毎年実施し今回で5回目(前回調査は2012年4月)。
本調査における詳細データは、景気動向調査専用HP
(http://www.tdb-di.com/visitors/)に掲載した。

調査結果(要旨)

  1. 2013年度の業績見通しを「増収増益」とする企業は、2012年度実績の4社に1社(25.8%)から3社に1社(29.4%)へと3.6ポイント増加した。「減収減益」は、18.0%と2012年度実績(26.4%)から8.4ポイント減少した。企業の業績見通しは改善している。
  2. 2013年度業績見通しの下振れ材料は「原油・素材価格の動向」(42.6%)が2012年4月の前年調査から1.3ポイント上昇し、トップとなった。次いで「個人消費の一段の低迷」(35.7%)、「為替動向」(26.0%)と続いた。
  3. 業績を上振れさせる材料は「個人消費の回復」が前年調査(第1位、39.6%)から4.9ポイント増の44.5%となり、前年に続き上振れ材料のトップとなった。今回調査で新たに選択肢に加えた「公共事業の増加」(32.9%)が第2位に、「所得の増加」(22.2%)が第3位(前年第8位、14.9%)と順位を上げた。

1. 2013年度の業績見通し、「増収増益」が3社に1社

 2013年度(2013年4月決算〜2014年3月決算)の業績見通し(売り上げおよび経常利益ベース)について尋ねたところ、「増収増益(見込み含む)」と回答した企業は、「分からない/不回答」を除いた9,911社中2,911社、構成比29.4%(以下同)となり、2012年度実績(見込み含む)の約4社に1社(25.8%)から約3社に1社へと3.6ポイント増加した。他方、「減収減益(見込み含む)」は18.0%と前年度の26.4%から8.4ポイント減少した。
 東日本大震災からの復興や電力不足など特殊事情のあった前年調査から、安倍政権に変わり大型補正予算や金融緩和政策などによる経済政策のもとで企業を取り巻く経営環境は好転し、2013年度の見通しは、前年度を上回る明るい見通しとなった。
 「増収増益(見込み含む)」企業を業界別にみると、『サービス』が35.8%で最多だったほか、『小売』(31.0%)や『金融』(29.5%)で高く、円安による燃料費上昇やTPP参加による影響を受ける『運輸・倉庫』(24.6%)や『農・林・水産』(7.3%)は低かった(参考表2参照)。
 地域別では『南関東』(31.7%)と『北陸』(30.8%)、『北海道』(30.3%)で割合が高く、最高の『南関東』と最低の『東北』(24.0%)で7.7ポイントの差があった。
 他方、「減収減益(見込み含む)」は『農・林・水産』(36.6%)や『製造』(20.3%)、『不動産』(20.2%)などで高かった。
 具体的には、「顧客企業の業績が鮮明に良くなってくれば、ソフトウエア投資も少し、前向きになるものと期待している」(情報サービス、東京都)や「企業業績の好転に伴い広告費が増額傾向」(広告サービス、東京都)といった増収増益を見込む企業がある一方で、「TPP参加交渉の行方を懸念している」(農業、長野県)や「円安でナフサ価格が上昇しているが、値上げを浸透させられない」(繊維製品製造、愛知県)など、TPP参加による輸入品流入を危惧する声や原材料価格上昇の影響を指摘する意見も多くみられた。
 2013年度の業績見通しは3社に1社が増収増益を見込み、減収減益見込みは大幅に減少するなど、企業業績は改善しつつある様子がうかがえるが、円安、素材価格の上昇もあり、地域や業界により景況感はまだら模様となっている。


注1:母数は「分からない/不回答」を除く2011年度実績見込みが同1万300社、2012年度見通しが同1万296社    2012年度実績見込みが同9,934社、2013年度見通しが同9,911社
注2:業績は、売り上げおよび経常利益ベース。「その他」の内訳詳細は、5頁参照


2. 2013年度業績見通しの下振れ材料、「原油・素材価格の動向」が42.6%

 2013年度の業績見通しを下振れさせる材料を尋ねたところ、「原油・素材価格の動向」が1万6社中4,259社、構成比42.6%(複数回答、以下同)で最多となり、次いで、「個人消費の一段の低迷」(35.7%)、「為替動向」(26.0%)と続いた。
 また、「外需の悪化」(25.8%)は前年調査時の構成比(25.6%)とほぼ変化はなく、依然4社に1社が下振れ要因として掲げている(「外需(米国経済の悪化)」、「外需(中国経済の成長鈍化)」、「外需(欧州経済の悪化)」のいずれかを回答)。
 前年調査で5社に1社(22.4%)が挙げていた「夏季の電力不足にともなう悪影響」は、電力不足への対応として電力会社による原子力発電から火力発電への切り替えが進んだことや、企業や家庭での節電努力により電力不足への懸念が後退したことで8.3%にまで大幅に減少した。
 下振れ材料で最多となった「原油・素材価格の動向」は、前年調査から1.3ポイント上昇し前年の第2位から下振れ材料のトップとなった。企業からは「円安により原材料価格の上昇など輸入品がコストアップ要因となる懸念がある」(繊維・繊維製品・服飾品卸売、東京都)、「急激に円安が進めば、原油や素材価格の高騰で、中小企業は厳しい経営環境となる。貸付でなく補助金がほしい」(建材卸売、兵庫県)など、円安進行による素材価格の上昇をリスクとして捉える声が挙がった。


注1:2013年4月調査の母数は有効回答企業1万6社。2012年4月調査は1万380社
注2:「外需の悪化」は、「外需(米国経済の悪化)」、「外需(中国経済の成長鈍化)」、「外需(欧州経済の悪化)」のいずれかを回答

3. 上振れ材料では「個人消費の回復」(44.5%)、「公共事業の増加」(32.9%)が上位に

 2013年度の業績見通しを上振れさせる材料で最も多かったのは「個人消費の回復」が1万6社中4,451社、構成比44.5%(複数回答、以下同)と前年調査(第1位、39.6%)から4.9ポイント増加し、前年に引き続き上振れ要因のトップとなった。次いで今回調査で新たに選択肢に加えた「公共事業の増加」(32.9%)が第2位となった。このほか「所得の増加」(22.2%)が第3位(前年第8位、14.9%)に、「為替動向」(21.3%)が第4位(前年第6位、20.6%)、「物価下落(デフレ)からの脱却」(19.7%)が第5位(前年第6位、16.5%)、「株式市況の好転」(18.2%)が第7位(前年第11位、12.6%)などが上位にあがった。
 アベノミクスによる株高、公共投資の増加、デフレ脱却への動きを背景に、企業は「個人消費の回復」や「公共事業の増加」が業績見通し上振れの好材料と捉えている。
 他方、前年調査で第2位の「東日本大震災にともなう需要の増加」は前年24.0%から12.1%(第11位)へ、同第3位の「経費削減等の経営努力」は前年23.6%から4.4%(第18位)に減少した。
 2013年度の企業業績には前年度と比べると明るい兆しが現れている。ただ企業からは「まだ正式な要請はないが素材価格(洋紙・化成品など)の値上がりが必至な年になる。価格に転嫁することは困難な状況だけに、2013年度の見通しには危機感を持っている」(出版・印刷、北海道)や、「輸入企業ゆえ、これ以上の円安が続くなら厳しい状況となる。輸入企業に対する政策支援が必要」(物流、岐阜県)など下振れ材料トップの「原油・素材価格の動向」に対する声が多く寄せられた。急ピッチで円安が進行した場合、原材料費の上昇によるコストアップが2013年度業績の不安定要素となる可能性がある。


注1:2013年3月調査の母数は有効回答企業1万6社。2012年3月調査は1万380社
注2:「外需の好調維持」は、「外需(米国経済の回復)」、「外需(中国経済の成長持続)」、「外需(欧州経済の回復)」のいずれかを回答


参考表

【参考1】2012年度実績見込み

注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は有効回答企業1万0,006社のうち、「分からない/不回答」を除く9,934社


【参考2】2013年度見通し

注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:母数は有効回答企業1万0,006社のうち、「分からない/不回答」を除く9,911社


調査先企業の属性

1) 調査対象(2万3,179社、有効回答企業1万6社、回答率43.2%)


2) 企業規模区分

中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分。

注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング


【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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