TDB景気動向調査(全国)

- 2014年5月調査 -

 

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2014年6月4日
株式会社帝国データバンク 産業調査部

景気DIは46.2、消費税ショックから脱せず

〜 天候要因など想定外の状況により、反動減の影響が半年程度継続する可能性も 〜

(調査対象2万3,373社、有効回答1万398社、回答率44.5%、調査開始2002年5月)

2014年5月の動向 : 消費税ショックが継続

 2014年5月の景気動向指数(景気DI:0〜100、50が判断の分かれ目)は、前月比0.6ポイント減の46.2となり、2カ月連続で悪化した。
 5月は、前月の消費税率引上げにともなう駆け込み需要の反動減の影響が多くの業界で残った。最も大きなショックを受けた『小売』は飲食料品や服飾品、日用品などを中心に通常状態に戻りつつあるものの、高額品の在庫が積み上がるなど反動減から脱することができなかった。加えて、建材関連の製造や卸売の動きが停滞したこともあり、『卸売』『運輸・倉庫』の景況感が悪化した。また、「中小企業」での収益環境の悪化がみられたなかで、反動減によるショックからは「大企業」が先行して脱する兆しが現れた。地域別では10地域のうち『北関東』のみ改善し9地域が悪化したが、アベノミクス効果が地方に浸透するなかで、景気の地域間格差は縮小傾向が定着してきた。
 国内景気は、買い回り品小売など一部の業種で改善がみられたものの、消費税増税ショックから脱せられなかった

調査結果のポイント

  1. 全国の景況感は前月比0.6 ポイント減となった。買い回り品業種など比較的低額の小売で反転したものの力強さに欠け、消費税増税ショックから脱せられなかった。
  2. 前月に消費税ショックが顕著に現れた『小売』は一転して改善し、飲食料品や服飾品、日用品などの業種が上向いた。他方、自動車や家電などの高額品は販売価格の下落などもあり依然として厳しい状況が続いた。
  3. 地域別では、『北関東』のみ改善し西日本での悪化が目立つが、景気の地域間格差は縮小する傾向が定着してきた。規模別では、中小企業での人手不足や資材費の高騰、増税分の価格転嫁が不十分な企業もあり、大企業より景況感の改善が遅れている。


今後の見通し : 緩やかに上昇

 今後は消費税増税ショックから抜け出すことが重要となる。中小企業の設備投資意欲は依然衰えておらず、5.5兆円規模の経済対策などの企業向け対策のほか、現金給付措置や住宅ローン減税の拡充など消費者向け対策も実施される。また、2014年度業績は個人消費の影響を強く受けるとみられるなか、雇用環境の改善や夏のボーナスの増加を含めた賃上げの広がりが期待される。
 他方、原油・素材価格の高騰や電気料金の値上げ、人手不足による労務費上昇などのコストアップ、中国経済の成長鈍化など海外需要の悪化、エルニーニョにより冷夏が予想されていることなどは懸念材料である。こうした要素を勘案すると、反動減による悪影響は半年程度続く可能性も見込まれる。
 以上を総合的に判断すると、今後の国内景気は、消費税ショックが継続する可能性もあるが、緩やかに上昇していくとみられる



※景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:『小売』は2カ月ぶりに改善するも、6業界が悪化



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す
※「太陽光発電」はセル・モジュール、部品・材料、製造装置の各製造会社、エネルギー、販売・施工などを含む

規模別:2カ月連続で全規模が悪化、反動減の影響は「大企業」から脱する兆し



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:10地域中9地域が悪化、景気の地域間格差は縮小傾向が定着





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感「現在」(2014年5月調査分)


業界別の景況感「先行き」(2014年5月調査分)


調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,373社、有効回答企業1万398社、回答率44.5%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2014年5月19日〜31日(インターネット調査)

景気DIについて

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を行っており、景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など、企業活動全般に関する項目について、全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」超過、下であれば「悪い」超過を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部 情報企画課
担当:窪田
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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