TDB景気動向調査(全国)

- 2014年9月調査 -

 

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2014年10月3日
株式会社帝国データバンク 産業調査部

アベノミクス効果にブレーキ、全国に波及

〜 政策頼みの状況が強まるが悪材料も多く、効果は限定的 〜

(調査対象2万3,561社、有効回答1万968社、回答率46.6%、調査開始2002年5月)

調査結果のポイント

  1. 9月の景気DIは前月比1.1ポイント減の45.1となり、2カ月連続で悪化した。『不動産』など一部の業界では改善傾向もみられたが、自動車関連で手持ちの受注残が減少するなかで、反動減の影響が生産減少や物流停滞につながりやすい状況となっている。国内景気は下押し圧力が続いており、政府の景気対策に依存する傾向が強まる懸念もある。今後の国内景気は、企業活動を抑制する悪材料も多く、政策効果は限定的にとどまると見込まれる。
  2. 業界別では『製造』『卸売』『運輸・倉庫』『小売』など10業界中8業界が悪化した。とりわけ『運輸・倉庫』は、人件費上昇や燃料価格の高止まりによる運送コストの上昇に加え、『製造』や『建設』の悪化を受けた物流量の減少も影響し、10業界中最大の悪化幅を記録した。
  3. 地域別では10地域中9地域が悪化した。アベノミクス効果で景気上昇が顕著だった地方圏でも悪化が続いている。また、『四国』では各県間で景況感に温度差が現れてきた。


2014年9月の動向 : 国内景気は弱含み

 景気DIは、前月比1.1ポイント減の45.1となり2カ月連続で悪化した。
 9月は、為替レートが約6年ぶりの円安水準となり、原材料価格高騰などを通じた収益悪化の要因となった。『製造』では、消費税率引き上げ後も駆け込み需要による受注残が消化されてきた自動車関連が、ここにきて息切れ。生産量の減少が顕著に現れた。また、『運輸・倉庫』では製造業の減産や建設業界での工事遅れや入札不調などの影響を受け悪化した。実質所得の減少に対する家計の支出抑制もあり、『小売』は2カ月ぶりに悪化した。地域別では、地方圏でアベノミクスによる上昇が目立っていたが、同一域内で景況感が二分する状況が出てきた。国内景気は、手持ちの受注残が減少するなかで、反動減の影響が生産減少や物流停滞につながりやすい状況となっており、景気の下押し圧力が続いている

今後の見通し : 政策頼みも効果は限定的

 消費税率10%への引き上げは12月8日に公表される7〜9月期GDP二次速報を受けて、判断されるとみられる。消費税率引き上げが決まった場合、経済対策として2014年度補正予算の策定と2015年度予算の前倒し執行が予想される。しかし、実質所得の低下による個人消費の冷え込みが深刻化し、今後の景気動向に大きな懸念材料として残る。また、一段の円安進行は原材料・エネルギー価格の上昇を通じて、企業活動を停滞させる要因になる。今後の国内景気は、景気対策頼みの状況が強まるが、原材料価格上昇や人手不足など企業活動を抑制する悪材料も多く、その効果は限定的にとどまるとみられる



※景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:『製造』は全業種が悪化、受注残の減少で生産量低下



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す
※「太陽光発電」はセル・モジュール、部品・材料、製造装置の各製造会社、エネルギー、販売・施工などを含む

規模別:2カ月連続で全規模悪化、「大企業」は増税後の半年で5カ月悪化



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:10地域中9地域で悪化、地域内での景況感に温度差も





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感「現在」(2014年9月調査分)


業界別の景況感「先行き」(2014年9月調査分)


調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,561社、有効回答企業1万968社、回答率46.6%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2014年9月16日〜30日(インターネット調査)

景気DIについて

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を行っており、景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など、企業活動全般に関する項目について、全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」超過、下であれば「悪い」超過を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部 情報企画課
担当:窪田
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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