TDB景気動向調査(全国)

- 2015年5月調査 -

 

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2015年6月3日
株式会社帝国データバンク

まだら模様の国内景気、業界内で格差

〜 賃金上昇や株高で個人消費関連が好調 〜

(調査対象2万3,587社、有効回答1万664社、回答率45.2%、調査開始2002年5月)

調査結果のポイント

  1. 5月の景気DIは45.3となり前月と同水準となった。賃金や株価の上昇、訪日旅行客の増加などで個人消費関連が上向いてきた一方、公共工事の発注件数が減少し、中小企業を中心に再び価格の値下げ競争の兆しがみられ始めている。国内景気は、業界内においても景気回復に格差がみられ、上昇基調のなかでまだら模様の状態となっている。今後の国内景気は緩やかに改善すると見込まれる。
  2. 業界別では『不動産』『小売』など10業界中5業界が改善、『金融』『建設』など4業界が悪化した。特に、『小売』は、賃金上昇や夏のボーナスへの期待に加え、インバウンド消費の拡大や株高による資産効果などで高額品の販売も増加し、大幅に改善した。
  3. 地域別では、『北海道』や『東海』など10地域中5地域が改善した一方、『東北』『四国』など5地域が悪化した。『北海道』は訪日客や団体客が好調で「旅館・ホテル」や「娯楽サービス」が大幅に改善するなど、4カ月連続の改善傾向が続いた。


2015年5月の動向 : 上昇基調のなかでまだら模様

 2015年5月の景気DIは45.3となり前月と同水準で、景気は横ばいとなった。
 5月の国内景気は、為替レートが一時1ドル=124円台をつけ、2002年12月以来、約12年半ぶりの安値となった。円安や企業業績の回復を背景に、日経平均株価は1988年以来27年3カ月ぶりとなる11営業日連続の上昇を記録した。大手を中心にベア実施などによる賃金上昇や夏のボーナスへの期待が高まっている。また、株高やインバウンド消費もあり『小売』や「旅館・ホテル」「娯楽サービス」など個人消費関連が上向いてきた。他方、公共工事の発注件数の減少で、中小企業を中心に再び価格の値下げ競争の兆しがみられ始め、『建設』の景況感が悪化した。国内景気は、一部業種で景況感が過去最高を記録しているものの、同じ業界内においても景気回復には格差がみられ、上昇基調のなかでまだら模様の状態となっている。

今後の見通し :緩やかに改善

 大手企業が中心だったベアの実施が中小企業へと徐々に広がっているなか、賃金やボーナスの増加が期待されるほか、9月にはシルバーウイークによる需要拡大もあり、個人消費は緩やかに拡大すると見込まれる。建設需要は震災復興のほか、整備新幹線や東京五輪などの大型インフラ投資が高水準で続くとみられる。また、マイナンバー制度への企業の対応遅れが指摘されるなか、新たなコスト負担懸念の一方でビジネス機会の拡大も期待される。今後の国内景気は、円安進行が輸入価格上昇など中小企業の業績に再び悪影響を与えることが懸念されるものの、所得環境の改善にともなう個人消費の回復がけん引役となり、緩やかに改善すると見込まれる。



※景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:『小売』は高額品やインバウンド消費がけん引



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す
※「太陽光発電」はセル・モジュール、部品・材料、製造装置の各製造会社、エネルギー、販売・施工などを含む

規模別:「大企業」が5カ月連続で改善の一方、「中小企業」は横ばい



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

10地域中5地域で改善、『北海道』は4カ月連続の改善傾向続く





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感「現在」(2015年5月調査分)


業界別の景況感「先行き」(2015年5月調査分)


調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,587社、有効回答企業1万664社、回答率45.2%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2015年5月18日〜31日(インターネット調査)

景気動向指数(景気DI)について

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目について全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 顧客サービス統括部 産業調査グループ 情報企画課
担当:窪田
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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