TDB景気動向調査(全国)

- 2015年6月調査 -

 

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2015年7月3日
株式会社帝国データバンク

国内景気、停滞感強まる

〜 国内外のリスクの高まりで、今後も回復力の感じられない状況続く 〜

(調査対象2万3,442社、有効回答1万867社、回答率46.4%、調査開始2002年5月)

調査結果のポイント

  1. 6月の景気DIは前月比0.6ポイント減の44.7となり、2カ月ぶりに悪化した。燃料価格の上昇や公共工事の減少、ギリシャのデフォルト懸念など悪材料が多かったうえ、大雨による天候不順も景気を下押しした。国内外において懸念材料が増しており、国内景気は停滞感が強まっている。今後の国内景気は、回復力の感じられない状況が続くと見込まれる。
  2. 業界別では『建設』『製造』『卸売』『運輸・倉庫』など10業界中8業界が悪化した。『建設』は、公共工事の減少が続いたうえ、企業の設備投資も不調で空調設備機器や電気通信工事などの悪化要因となった。6月の景気は『建設』と『卸売』の2業界で、悪化幅全体の5割超を占める結果となった。
  3. 地域別では、『北海道』や『北陸』、『九州』など10地域中9地域が悪化した。『九州』では、鹿児島市で6月の降水量が100年ぶりに記録を更新するなど、各地で大雨が続いた結果、工事の進捗遅れが出た建設や、さらに日照不足による野菜等の価格が上昇したことで農林水産や小売などに悪影響を及ぼした。


2015年6月の動向 : 停滞

 2015年6月の景気DIは前月比0.6ポイント減の44.7となり2カ月ぶりに悪化した。 6月は、円安などを背景とした企業業績の改善を受けて、日経平均株価が取引時間中としては1996年12月以来、約18年半ぶりの高値を付けた。しかし、ガソリンや軽油価格が10週連続で上昇しているほか、人手不足による人件費上昇や円安にともなう原材料価格の上昇など、徐々にコスト負担が高まっている。さらに、公共工事の発注件数および金額が減少し、地域経済の景況感を悪化させる要因となった。また、『九州』など西日本を中心とした大雨による天候不順も悪影響を及ぼした。一方、海外ではギリシャが債務問題をめぐり欧州連合(EU)などとの合意にいたらず、デフォルト(債務不履行)への懸念が高まったことで、月末にかけて金融市場は大きく動揺することとなった。国内景気は、国内外において懸念材料が増しており、停滞感が強まっている。

今後の見通し : ほぼ横ばい

 従業員の平均給与総額が2カ月連続で増加し、夏の賞与も増加見通しとなるなど、企業の賃金上昇は好材料となるほか、大型のインフラ投資も高水準で推移するとみられる。しかしながら、国家安全保障関連法案に関する国会審議の影響で、新成長戦略や骨太の方針など経済政策について停滞感が強まる可能性がある。さらに、海外ではギリシャにおける事実上のデフォルトにより国際金融市場の不透明感が増してきたほか、中国の成長鈍化も懸念材料といえよう。今後の国内景気は、国内外でのリスクの高まりもあり、回復力の感じられない状況が続くと見込まれる。


※景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:10業界中8業界で悪化、『卸売』が全体を0.23ポイント下押し



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す
※「太陽光発電」はセル・モジュール、部品・材料、製造装置の各製造会社、エネルギー、販売・施工などを含む

規模別:6カ月ぶりに全規模が悪化



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:10地域中9地域で悪化、『九州』は公共工事減少と大雨で大幅に悪化





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感「現在」(2015年6月調査分)


業界別の景況感「先行き」(2015年6月調査分)


調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,442社、有効回答企業1万867社、回答率46.4%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2015年6月17日〜30日(インターネット調査)

景気動向指数(景気DI)について

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目について全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 顧客サービス統括部 産業調査グループ 情報企画課
担当:窪田剛士、伊藤由紀
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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