TDB景気動向調査(全国)

- 2015年7月調査 -

 

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2015年8月5日
株式会社帝国データバンク

景気好転への材料増す

〜 景気モメンタムの実感なき上昇へ 〜

(調査対象2万3,176社、有効回答1万1,008社、回答率47.5%、調査開始2002年5月)

調査結果のポイント

  1. 7月の景気DIは前月比0.7ポイント増の45.4となり、4カ月ぶりに改善した。原油価格の下落や公共工事の下げ止まりなど、経済を停滞させていた要因が薄れてきた。国内景気は、賃金上昇やインバウンド消費の拡大など生産・消費活動への好材料が増えている。今後は、回復力に勢いは感じられないものの、なだらかな上向き傾向が期待される。
  2. 業界別では『建設』『製造』『卸売』『サービス』など10業界中9業界が改善した。設備投資や住宅投資が堅調に推移し建設・機械関連の改善が目立った。7月の景気は『製造』と『卸売』が大きく影響したほか、『サービス』も全体を0.10ポイント押し上げる結果となった。
  3. 地域別では、『東北』や『南関東』、『東海』など4カ月ぶりに10地域中9地域が改善した。公共工事が上向いたことに加え、プレミアム商品券による地元商店などへの消費効果がみられた。規模別では4カ月ぶりに全規模が改善し、とりわけ「中小企業」は建設や運輸など全10業界が改善した。


2015年7月の動向 :好材料増す

 2015年7月の景気DIは前月比0.7ポイント増の45.4となり4カ月ぶりに改善した。
 7月は、原油価格が1バレル=40ドル台(WTI)に下落したことで、ガソリンや軽油価格が低下し、中小運輸業の景況感を上向かせる要因となった。また、給与水準の上昇に加えて大手企業の夏季賞与妥結額が過去3番目の高水準となるなど所得環境が改善したうえ、継続する円安水準を追い風に中国などからの訪日旅行客によるインバウンド消費が拡大したことで、個人消費関連が好調だった。堅調な設備投資や下げ止まり傾向のみられた公共工事もあり建設関連需要が高まったほか、普通乗用車の生産が上昇に転じたことで機械製造などが堅調に推移した。国内景気は、賃金上昇やインバウンド消費の拡大など生産・消費活動への好材料が増えている。

今後の見通し : なだらかな上向き傾向

 有効求人倍率の改善や失業率の低下など労働需給は引き締まった状態にあり、雇用者所得は上昇していくとみられる。さらに、建設や情報サービス、旅館・ホテルなどで人手不足が高水準となっており雇用状況の改善は続くと予測される。また、住宅着工戸数の持ち直しや大型のインフラ投資も高水準で推移するとみられるほか、自動車生産の持ち直しを通じた機械需要の回復や、米国経済の堅調な成長はプラス材料といえよう。今後の国内景気は、回復力に勢いは感じられないものの、なだらかな上向き傾向が期待される。
 ただし、食品価格の上昇など個人消費が抑制されるリスクのほか、中国の成長鈍化で輸出が下押しされる可能性もある。これらが顕在化した場合、生産調整の長期化や企業の投資意欲の低下など景気が下振れする懸念は残る。


※景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:10業界中9業界で改善、『サービス』が全体を0.10ポイント押し上げ



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す
※「太陽光発電」はセル・モジュール、部品・材料、製造装置の各製造会社、エネルギー、販売・施工などを含む

規模別:「中小企業」は建設や運輸など全10業界が改善



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:4カ月ぶりに9地域が改善





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感「現在」(2015年7月調査分)


業界別の景況感「先行き」(2015年7月調査分)


調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,176社、有効回答企業1万1,008社、回答率47.5%




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2015年7月17日〜31日(インターネット調査)

景気動向指数(景気DI)について

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目について全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 顧客サービス統括部 産業調査グループ 情報企画課
担当:窪田剛士、伊藤由紀
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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