TDB景気動向調査(全国)

- 2015年8月調査 -

 

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2015年9月3日
株式会社帝国データバンク

景況感の二分化傾向強まる

〜 景気対策の期待で年明けから上向き傾向強まる見通し 〜

(調査対象2万3,283社、有効回答1万833社、回答率46.5%、調査開始2002年5月)

調査結果のポイント

  1. 8月の景気DIは前月比0.3ポイント減の45.1となり、2カ月ぶりに悪化した。世界的な金融市場の混乱に加え、公共事業の発注遅れや生産活動の弱含みが表れている。国内景気は、中国発の世界同時株安で下押しされたものの、雇用・所得環境の安定もあり、景況感の悪化は小幅にとどまった。今後は、年明けから上向き傾向が強まると予測される。
  2. 業界別では『金融』『製造』『サービス』など10業界中6業界が悪化した一方、メリハリ消費が進み高額品の購入も増加した『小売』など4業界が改善した。さらに、業種別にみると、悪化が51業種中26業種、改善が23業種となり、景況感は業種間で二分される状況となった。
  3. 地域別では、『南関東』や『九州』など6地域が悪化、『四国』や『北陸』など3地域が改善、『北海道』が横ばいとなった。公共工事の発注が先送りされるなか、大型台風などの天候不順で店舗休業や漁獲高減少も加わり、地域間で明暗が分かれた。


2015年8月の動向 : 小幅な悪化

 2015年8月の景気DIは前月比0.3ポイント減の45.1となり2カ月ぶりに悪化した。
 8月は、公共工事の発注が先送り・縮小されたほか、輸出用工作機械の大幅な受注減少や大手電機メーカーの発注縮小、国内自動車生産の低迷などで生産活動も弱含んだ。また、雇用状況のひっ迫や最低賃金の引き上げにともなう人件費上昇が続くなか、価格転嫁が困難な企業の収益を圧迫している。金融市場では、中国における人民元相場の切り下げや上海株式市場急落を発端として大きく混乱した。他方、有効求人倍率は23年5カ月ぶりの高水準だったほか、お盆期間の天候が安定し旅行需要などが堅調だった。さらに、プレミアム商品券やインバウンド消費の恩恵を受けた『小売』が改善するなど、業種や地域、企業規模において景況感が二分化される傾向が表れてきた。国内景気は、中国発の世界同時株安で下押しされたものの、雇用・所得環境などは安定的に推移しており、景況感の悪化は小幅にとどまった。

今後の見通し : 年明け後に上向き傾向強まる

 中国経済の成長鈍化などで新興国向け輸出の減速による生産調整の長期化や、企業の投資意欲の低下が懸念される。他方、2016年春の大卒採用活動の解禁で、企業の採用活動が活発化するなか、新規求人倍率や有効求人倍率は記録的な改善を見せており、雇用者所得は上昇していくとみられる。また、政治日程の都合などで手薄となっていた経済政策は、来年の参議院選挙に向けて再び加速すると見込まれる。さらに、米国における金利引き上げの後ずれ見通しはプラス材料といえる。今後の国内景気は、年内はやや弱含みで推移するものの、景気対策の実施などで年明けから上向き傾向が強まると予測される。


※景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:業種間で改善と悪化が二分される



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す
※「太陽光発電」はセル・モジュール、部品・材料、製造装置の各製造会社、エネルギー、販売・施工などを含む

規模別:「中小企業」が2カ月ぶりに悪化、『金融』『不動産』などが下押し



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:10地域中6地域が悪化、地域間で明暗分かれる





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感「現在」(2015年8月調査分)


業界別の景況感「先行き」(2015年8月調査分)


調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,283社、有効回答企業1万833社、回答率46.5%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2015年8月18日〜31日(インターネット調査)

景気動向指数(景気DI)について

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目について全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 顧客サービス統括部 産業調査グループ 情報企画課
担当:窪田剛士、伊藤由紀
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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