TDB景気動向調査(全国)

- 2015年10月調査 -

 

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2015年11月5日
株式会社帝国データバンク

悪化傾向は一服も、業種による格差拡大

〜 年明け以降、個人消費や住宅投資が期待されるものの、一進一退で推移する見込み 〜

(調査対象2万3,173社、有効回答1万838社、回答率46.8%、調査開始2002年5月)

調査結果のポイント

  1. 10月の景気DIは前月比0.2ポイント増の44.8となり、3カ月ぶりに改善した。住宅着工戸数の増加傾向が内装工事など関連業種へと波及してきた一方、海外経済の減速による輸出の減少は景気を下押しする要因となった。国内景気は、悪化傾向が一服したものの、業種による景況感の格差が一段と拡大している。今後は、緩やかに上向いていくと予測されるものの、一進一退で推移するとみられる。
  2. 業界別では『建設』『卸売』など5業界が改善した一方、『小売』『運輸・倉庫』など3業界が悪化した。秋冬物の衣類販売が堅調なほか、訪日旅行客の増加によるビジネスホテルの改修などで景況感が改善した一方、実質賃金の伸び悩みや家電商品の冬モデル発売を前にした買い控えなどで個人消費関連は低調となった。
  3. 地域別では、『北関東』や『中国』など5地域が改善、『北海道』や『北陸』など4地域が悪化、『東海』が横ばいだった。『北関東』は前月の集中豪雨による影響が徐々に和らいできたほか、『中国』では設備投資が堅調で製造を中心に全体を押し上げた。一方、『北海道』は公共工事の減少などが響き、大幅な悪化となった。


2015年10月の動向 : 景況感の業種による格差拡大

 2015年10月の景気DIは前月比0.2ポイント増の44.8となり3カ月ぶりに改善した。 10月は、住宅着工戸数の増加傾向を受けて、内装工事や電気配線工事など関連業種へと波及してきた。また、前月まで景気を悪化させる一因となっていた天候が安定したこともプラス材料になった。ガソリンや軽油価格の低下は企業のコスト負担を抑制する要因となっている。一方、国内自動車生産の低迷で設備投資意欲の弱含みが続いたほか、5月以降の公共工事の減少は土木関連の景況感を悪化させる要因となった。さらに、海外経済の減速が鮮明となっており、中国やASEANなどアジア向け輸出は低調に推移した。国内景気は、天候不順などの悪材料が低減したことで悪化傾向は一服したものの、業種による景況感の格差が一段と拡大している。

今後の見通し : 一進一退で推移

 中国経済の先行きに対する不透明感により、輸出や設備投資を抑制することが懸念される。また、米国は7〜9月期成長率が低調だったことに加え、今後の金利引き上げによる経済への影響を危惧する見方が広がっており、年内は海外経済の動向に懸念が残る。米国シェールオイルの減産見通しや底堅いエネルギー需要などにともなう原油価格の上昇懸念や、人材不足による人件費の上昇など企業のコスト負担が増すことも悪材料となろう。他方、年明け以降は雇用者数の増大とともに所得の増加が期待されるほか、次回の消費税率引き上げにともなう駆け込み需要が、2016年度初め頃から住宅や高額耐久財などで発生すると見込まれる。今後の国内景気は、年明け以降に緩やかに上向いていくと予測されるものの、賃金上昇は実感に乏しいものとなり、一進一退で推移するとみられる。


※景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:住宅関連業種が改善する一方、『小売』など個人消費関連は停滞



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す
※「太陽光発電」はセル・モジュール、部品・材料、製造装置の各製造会社、エネルギー、販売・施工などを含む

規模別:「中小企業」が住宅関連工事の好調で3カ月ぶりに改善

※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:10地域中5地域が改善





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感「現在」(2015年10月調査分)


業界別の景況感「先行き」(2015年10月調査分)


調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,173社、有効回答企業1万838社、回答率46.8%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2015年10月19日〜31日(インターネット調査)

景気動向指数(景気DI)について

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目について全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 顧客サービス統括部 産業調査グループ 情報企画課
担当:窪田剛士、伊藤由紀
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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