TDB景気動向調査(全国)

- 2015年12月調査 -

 

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2016年1月8日
株式会社帝国データバンク

国内景気の停滞続く

〜 中東有事による原油価格高騰の影響を注視する必要性増す 〜

(調査対象2万3,097社、有効回答1万547社、回答率45.7%、調査開始2002年5月)

調査結果のポイント

  1. 12月の景気DIは前月比0.1ポイント減の44.7となり3カ月ぶりに悪化した。全国的に気温や海水温が高く、『製造』や『卸売』の食品関連の景況感悪化の一因となった。国内景気は、公共工事減少や暖冬による季節商材の販売不振などで地方の景気低迷が長引いており、停滞が続いている。今後は、下振れリスクをはらみつつ推移すると見込まれる。
  2. 業界別では『不動産』『小売』など5業界が悪化した一方、『農・林・水産』『製造』など3業界が改善、『卸売』『サービス』の2業界が横ばいとなった。『小売』は冬物衣料の販売が不調だった。また、くい打ちデータ改ざんの影響が『建設』や『不動産』で徐々に拡大してきている。
  3. 地域別では、『北海道』や『四国』『九州』など6地域が悪化、『東海』と『近畿』の2地域が改善、『南関東』と『中国』の2地域が横ばいとなった。『九州』は製造や不動産など6業界で悪化した。また、『北海道』では飲食店やメンテナンス・警備関連が弱く3カ月連続で40を下回る水準となった。


2015年12月の動向 : 停滞

 2015年12月の景気DIは前月比0.1ポイント減の44.7となり3カ月ぶりに悪化した。2015年の景気DIは年初と比較して0.8ポイント増と改善したものの、4月以降、悪化または横ばいが7カ月あり、景気は停滞感の漂う一年となった。
12月は、エルニーニョ現象が生鮮市場に悪影響をもたらしたうえ、冬物衣料の販売不振が服飾品小売の景況感を大幅に悪化させる背景ともなった。また、石油業界では、原油価格が再び下落に転じたものの販売価格の低下は大きく、収益を圧迫する要因となった。他方、公共工事の減少が続くなか、くい打ちデータ改ざんが建設や不動産などの業界に悪影響を徐々に及ぼしてきている。さらに、中国経済の減速を受けて、中国向け製品の減産に踏み切る動きも表れた。国内景気は、公共工事減少や暖冬による季節商材の販売不振などで地方の景気低迷が長引いており、停滞が続いている。

今後の見通し : 下振れリスクをはらみつつ推移

 2016年1月は、日経平均株価が米国や上海株式市場の影響を受けた大幅下落で幕を開けた。中国経済の減速が引き続き懸念されるほか、中東における政情不安の高まりは、原油輸入の8割を中東に依存する日本経済の大きな懸念材料となる。他方、米国が原油輸出を解禁したことで、原油価格の低水準は継続するとみられ、企業のコスト負担を和らげる要因となる。また、米国金利引き上げや円高など海外の経済動向に関する悪材料が重なる。アベノミクス第二弾の実行、企業業績の改善による賃金上昇や設備投資は好材料となるが、今後の景気は、中東有事次第では原油価格高騰によりインフレ懸念が生じることで消費減退などに影響を及ぼす可能性もあり、下振れリスクをはらみつつ推移するとみられる。


※景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:10業界中5業界が悪化、くい打ちデータ改ざん問題の影響が拡大



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す
※「太陽光発電」はセル・モジュール、部品・材料、製造装置の各製造会社、エネルギー、販売・施工などを含む

規模別:「中小企業」が改善の一方「大企業」は悪化、景気の停滞感続く

※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:10地域中6地域が悪化、長引く公共工事減少で地方の景気停滞続く





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感 企業の声1(農・林・水産〜製造)


業界別の景況感 企業の声2(卸売〜サービス)


調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,097社、有効回答企業1万547社、回答率45.7%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2015年12月15日〜2016年1月5日(インターネット調査)

景気動向指数(景気DI)について

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目について全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 顧客サービス統括部 産業調査グループ 情報企画課
担当:窪田剛士、伊藤由紀
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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