TDB景気動向調査(全国)

- 2016年2月調査 -

 

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2016年3月3日
株式会社帝国データバンク

東日本大震災以来となる2カ月連続の全地域悪化

〜 景気の腰折れ回避にアベノミクスのさらなる強化を期待 〜

(調査対象2万3,189社、有効回答1万497社、回答率45.3%、調査開始2002年5月)

調査結果のポイント

  1. 2月の景気DIは前月比1.2ポイント減の42.3となり3カ月連続で悪化した。建設需要の低迷や鋼材生産の大幅悪化に加えて、マイナス金利の実施が金融機関の景況感を大きく悪化させた。国内景気は、全国的に悪化している。今後の景気は低水準で推移するとみられるが、腰折れを回避するためにアベノミクスを一段と強化することが期待される。
  2. 業界別では『金融』『建設』『製造』『小売』など8業界が悪化、『農・林・水産』と『不動産』の2業界が改善した。『製造』では建設需要や海外需要の低迷が響き鋼材価格が安値をつけるなど、市況が悪化した。また、青果物向け段ボール箱の出荷減少や食品素材価格上昇によるコストアップも悪化要因となった。
  3. 地域別では、東日本大震災直後の2011年4月以来、4年10カ月ぶりに2カ月連続で全10地域が悪化した。6地域で1ポイント以上悪化しており、全国的に景気が大きく後退した。特に『東海』は、国内車両工場全ラインの稼働停止が域内経済に悪影響を及ぼし、域内4県すべてが悪化した。


2016年2月の動向 : 悪化している

 2016年2月の景気DIは前月比1.2ポイント減の42.3となり3カ月連続で悪化した。

 2月は、前月末に導入された日本銀行によるマイナス金利政策が実施に移されたなかで、金融機関の収益悪化予想にともない、長期金利の低下、預金金利や住宅ローン金利の引き下げなど、さまざまな影響が表れた。また、公共工事やマンション着工戸数の減少による建設需要の低迷や軽自動車生産の減少が長引いていることで、関連する鋼材生産の大幅悪化につながった。地域別では、国内車両製造ラインの停止が『東海』経済の悪化要因となったほか、7カ月連続トップとなった『四国』で景気停滞感が強まるなど、東日本大震災以来4年10カ月ぶりに全10地域が2カ月連続で悪化した。国内景気は、全国的に悪化している。

 

今後の見通し : 低水準で推移

 海外経済では、中国の経済減速や原油価格下落による資源国経済の低迷が長引くとみられるほか、米国は経済の勢いが弱く利上げの先送りが予想される。これら世界経済の下振れリスクの高まりは、金融市場の混乱などを通じて、企業や家計のマインドを萎縮させる可能性がある。また、国内経済では、公共工事の減少が地域経済を悪化させているなか、マンション価格の高騰や企業の設備投資意欲の減退は景気の重石になるとみられる。また、賃金の上昇圧力の弱まりとともに原油価格の下落はデフレからの脱却を遅らせる要因となろう。今後の景気は低水準で推移するとみられるが、腰折れを回避するためにアベノミクスを一段と強化することが期待される。



※景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:10業界中8業界が悪化、建設需要の低迷で鋼材生産が大幅悪化



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す
※「太陽光発電」はセル・モジュール、部品・材料、製造装置の各製造会社、エネルギー、販売・施工などを含む

規模別:2カ月連続して全規模悪化

※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:東日本大震災以来、2カ月連続で全10地域が悪化





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感 企業の声1(農・林・水産〜製造)


業界別の景況感 企業の声2(卸売〜サービス)


調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,189社、有効回答企業1万497社、回答率45.3%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2016年2月16日〜29日(インターネット調査)

景気動向指数(景気DI)について

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目について全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 顧客サービス統括部 産業調査グループ 情報企画課
担当:窪田剛士、伊藤由紀
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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