リオおよび東京五輪に対する企業の意識調査

- TDB景気動向調査2016年5月特別企画 -

 

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2016年6月14日
株式会社帝国データバンク

東京五輪、企業の34.9%が「プラスの影響」

〜 7社に1社が東京五輪で自社商品に期待 〜


はじめに

 2016年8月〜9月にかけてブラジルのリオ五輪、2020年には東京五輪が開催される。五輪などのメガスポーツイベントでは、思いもかけないヒット商品が生まれたり、関連する企業・業界に対して業績への影響が表れる。
 そこで、帝国データバンクは、リオおよび東京五輪による企業への影響について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2016年5月調査とともに行った。
※調査期間は2016年5月18日〜31日、調査対象は全国2万3,586社で、有効回答企業数は1万588社(回答率44.9%)

※本調査における詳細データは景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com/)に掲載している。

調査結果(要旨)

  1. 企業の33.3%がリオ五輪に「関心がある」一方で、52.6%は「関心はない」。東京五輪は、企業の66.9%で「関心がある」と回答。特に、「大企業」ほど関心度は高く、「小規模企業」を10ポイント以上上回った。リオ・東京五輪双方に「関心がある」企業は全体の32.8%
  2. 自社の企業活動に「プラスの影響」があると回答した企業は、リオ五輪では3.2%、東京五輪では34.9%。ただし、プラスの影響とする企業も規模・業界・地域・従業員数による差は大きく、企業の属性で五輪から受ける恩恵は大きく異なる
  3. リオ五輪関連で自社の売り上げが「増加」するとした企業は2.5%、「減少」は0.8%。リオ五輪関連で企業の売り上げは平均0.07%増加すると試算。東京五輪では、売り上げが「増加」するとした企業は32.4%、「減少」は3.3%。東京五輪で企業の売り上げは平均1.84%増加と試算
  4. 自社において期待する商品・サービスの有無では、リオ五輪関連で「ある」は1.5%、「ない」は81.4%。リオ五輪関連では自社商品・サービスへの期待が低い。東京五輪関連では、「ある」が14.7%となり、7社に1社で期待している。ただし、6割超の企業は五輪関連需要を慎重にみていることも明らかとなった

1. リオ五輪に関心のある企業は33.3%、東京五輪は66.9%

 2016年8月〜9月にかけて開催されるブラジル・リオ五輪に関心があるか尋ねたところ、「関心がある」と回答した企業は33.3%で3社に1社にとどまった。また、「関心はない」は52.6%となり、半数超の企業がリオ五輪に関心を持っていなかった。
 他方、2020年の東京五輪に対する関心度では、「関心がある」が66.9%で7割近くの企業が関心を示した。また、企業の21.4%は「関心はない」と回答した。
 リオ五輪、東京五輪ともに企業規模が大きいほど関心度は高く、「大企業」(リオ五輪:38.8%、東京五輪:74.0%)は「小規模企業」(リオ五輪:28.5%、東京五輪:62.1%)を10ポイント以上上回っている。また、いずれの五輪に対しても「関心がある」企業は全体の32.8%を占めている。
 企業からも、「4年に1度の五輪は国民の関心事であり、一時的にしろ“愛国心”を目覚めさせてくれる一大イベントである」(貸事務所、山形県)や「リオ五輪は時差の影響であまり関心度が上がらないように思われるが、東京五輪は2002年サッカーW杯と同様に、物流において国内需要の大幅増を見込めると予想している」(一般貨物自動車運送、東京都)などの声があがった。

 他方、「関心はない」という企業からは、「オリンピック自体が遠いところで行われているようであまり関心ない」(生ゴム・ゴム製品卸売、兵庫県)や「どちらもごたごた続きで、関心がない」(食料・飲料卸売、広島県)といった、実感を得られていないことや問題が噴出するなかで関心を持てないでいる様子がうかがえる。




2. 自社の企業活動に「プラスの影響」と考える企業、リオ五輪は3.2%、東京五輪は34.9%

 リオ五輪が自社の企業活動にどのような影響を与えるか尋ねたところ、「プラスの影響がある」と回答した企業は3.2%、「マイナスの影響がある」も1.2%にとどまった。他方、「影響はない」は8割を超えており、多くの企業はリオ五輪が自社にあまり影響を及ぼさないと考えている。
 他方、東京五輪による影響では、「プラスの影響がある」が34.9%で3社に1社となった一方、「マイナスの影響がある」は7.1%にとどまる。また、「影響はない」は35.1%で、「プラスの影響がある」と拮抗していた。
 東京五輪で自社の企業活動に「プラスの影響がある」と回答した企業において、規模・業界・地域・従業員数別にみていくと、最高と最低で割合に大きく差がみられる。規模別では最高となった「大企業」と最低となった「小規模企業」で15.2ポイント差、業界別では最高『金融』と最低『小売』で9.6ポイント差、地域別では最高『南関東』と最低『北海道』で24.8ポイント差、従業員数別では最高「1000人超」と最低「5人以下」で31.7ポイント差となっており、企業の属性で五輪から受ける恩恵は大きく異なると想定している様子がうかがえる。
 企業からは、「競技スポーツのスポンサーとなっており、その競技が注目を集めれば、企業イメージの向上となる」(大企業、金融、東京都、301〜1000人)や「海外事業を行っておらず、リオ五輪に関しては影響はない。東京五輪に向けては不動産取引の活発化等が見込まれるため、プラスの影響がある」(大企業、金融、東京都、301〜1000人)などの意見がみられた。他方、「地方には直接関係ない」(小規模企業、小売、北海道、5人以下)や「九州での建設業界にはあまり影響が期待出来ない」(小規模企業、建設、福岡県、6〜20人)といった、地理的な距離や事業内容など、さまざまな理由でプラスの影響を見込めないとする企業も多くみられた。


3. 企業の売り上げ、リオ五輪関連で0.07%増、東京五輪関連で1.84%増を見込む

 リオ五輪関連で自社の売り上げがどの程度変わると見込まれるか尋ねたところ、「増加」と回答した企業は2.5%だった(「10%以上増加」「5〜9%増加」「1〜4%増加」の合計)。また、「減少」は0.8%となった(「10%以上減少」「5〜9%減少」「1〜4%減少」の合計)。他方、「変わらない(0%)」は79.2%で、リオ五輪では約8割の企業が自社の売り上げに変化はないと捉えている。企業は、リオ五輪関連で売り上げが平均0.07%増加すると見込んでいる。
 他方、東京五輪による影響では、「増加」が32.4%で3割を超えたなか、「減少」は3.3%にとどまった。また、「変わらない(0%)」は39.9%だった。東京五輪関連による企業の売り上げに与える影響を試算すると、平均1.84%増加すると見込んでいる。
 五輪関連での売り上げ増加を見込む企業を業種別にみると、リオ五輪では、スポーツ教室やフィットネスクラブなどを含む「教育サービス」が0.96%増で最も高く、光通信やインターネット関連を含む「郵便、電気通信」のほか、「家電・情報機器小売」「放送」「広告関連」が続いた。
 東京五輪では、訪日旅行客や観戦者の増加が見込まれる「旅館・ホテル」が3.94%増で最も高く、さらに開催地以外での人手不足が懸念される「人材派遣・紹介」が2位となり、以下「郵便、電気通信」「家電・情報機器小売」「鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売」が続いた。
 五輪開催に関連して自社の業績を押し上げる契機と考える企業も多くみられる。


4. 企業の14.7%で、東京五輪に向けて期待する商品・サービスあり

 自社において、リオ五輪に関連して既存の商品・サービスだけでなく、新しいものも含めて期待する商品・サービスはあるか尋ねたところ、「ある」と回答した企業は1.5%だった。他方、「ない」は81.4%にのぼり、リオ五輪関連では自社商品・サービスにあまり期待していない様子がうかがえる。  一方、東京五輪関連では、「ある」が14.7%となり、概ね7社に1社は自社の既存あるいは新しい商品・サービスについて、東京五輪に向けて期待していることが明らかとなった。ただし、企業の61.0%は「ない」と回答しており、6割超の企業は五輪需要を慎重にみていることが分かった。
 企業からは、「セキュリティー関連の製品」(一般機械器具卸売、北海道)や「スポーツウェア関連」(ニット生地製造、石川県)、「通訳ツールや訪日旅行システムの構築など」(ソフト受託開発、東京都)、「日本を応援する商品」(食料品製造、大阪府)、「ライブハウス等飲食業でのサービス強化にともなう内装需要など」(職別工事、千葉県)、「屋内・屋外の広告メディアは、新規開発含め動いていく」(広告制作、東京都)、「薬物ドーピング検査機器」(分析機器製造、京都府)、「リオは和食、東京はインバウンド対応商品」(めん類製造、兵庫県)、「カメラやサングラス部品の販売が増加する期待あり」(光学機械用レンズ・プリズム製造、大阪府)、「ホテル及び交通関係の制服需要」(男子服卸売、宮城県)、「パラリンピック関係で福祉機器の進化に期待」(電気機械製造、静岡県)など、五輪に関連した商品・サービスのさまざまなアイデアが企画、開発されている。


まとめ

 1964年の東京五輪では、その後のビジネスや生活を大きく変えるさまざまな商品・サービスが生まれた。高速道路や新幹線などインフラの整備はもとより、カラーテレビの普及とともに家庭用ビデオテープレコーダーもヒットした。また、日常生活ではトイレの男女マークに代表されるピクトグラムも東京五輪がきっかけだった。さらに、住宅では1962年の“マンション法”の成立と五輪景気にともなう第1次マンションブームのほか、民間警備会社も個人へと拡大する契機ともなった。近年でも五輪やFIFAワールドカップTMなどで、対戦する相手国のことを教えてくれる地球儀や、選手が事前トレーニングを行った土地で栽培されたブドウから作ったワインなどが注目された。
 2016年8月〜9月にかけてブラジル・リオで開催される五輪や、2020年の東京五輪が、企業に与える影響は少なくない。企業の33.3%はリオ五輪に、66.9%は東京五輪に関心を持っており、企業の34.9%が2020年の東京五輪開催で自社の企業活動にプラスの影響があると考えている。また、企業の売上高にも波及し、リオ五輪で平均0.07%、東京五輪では平均1.84%売上高が増加すると試算された。さらに、五輪の開催によって、企業の持つ商品やサービスの新たな開発にもつながるとみられる。既存のものだけでなく、新規のものも含めると、企業の14.7%で東京五輪に向けて期待する商品・サービスが「ある」としている。
 リオ五輪および東京五輪は、企業の新規開発力を高め、“稼ぐ力”を得るチャンスともなろう。

 

調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,586社、有効回答企業1万588社、回答率44.9%)

2) 企業規模区分

中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分。

注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング


【問い合わせ先】
株式会社帝国データバンク 顧客サービス統括部 産業調査グループ 情報企画課
担当:窪田 剛士
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp
当リリース資料の詳細なデータは景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com/)をご参照下さい。

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