TDB景気動向調査(全国)

- 2016年6月調査 -

 

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2016年7月5日
株式会社帝国データバンク

国内景気は悪化、内外からマイナスショック相次ぐ

〜 英国EU離脱の影響は当面継続、下振れ傾向で推移 〜

(調査対象2万3,606社、有効回答1万471社、回答率44.4%、調査開始2002年5月)

調査結果のポイント

  1. 6月の景気DIは前月比0.5ポイント減の41.3となり3カ月連続で悪化した。熊本地震や燃費データ不正問題、イギリスのEU離脱決定など、国内景気は国内外からの悪材料が相次いでおり、悪化傾向が続いている。今後の景気は、英国ショックが当面継続するとみられ、企業業績への影響も懸念されるなか、下振れ傾向を強めながら推移すると見込まれる。
  2. 業界別では『製造』『卸売』『運輸・倉庫』など6業界が悪化、『農・林・水産』『金融』『不動産』の3業界が改善、『その他』が横ばいとなった。軽自動車の販売低迷や熊本地震の影響が多くの業種で表れた一方、マイナス金利のプラス効果は『不動産』など一部にとどまっている。
  3. 改善した『東北』『九州』および横ばいの『中国』を除く7地域が悪化。『東海』は自動車の生産停止などにともない関連業種に影響が出た一方で、熊本地震で景況感が悪化していた『九州』は3カ月ぶりに改善した。


2016年6月の動向 : 悪化

 2016年6月の景気DIは前月比0.5ポイント減の41.3となり3カ月連続で悪化した。
 6月は、熊本地震や大手自動車メーカーの燃費データ不正問題の影響が続いた。そのようななか、24日には英国のEU離脱が決定され、企業の景況感を大きく悪化させる要因となった。また、住宅着工戸数は増加傾向にある一方、企業の設備投資意欲は先行き不透明感の高まりで慎重姿勢を強めているうえ、事務所や工場などの建築需要の停滞も建設関連の景況感を悪化させる要因となった。さらに、日本銀行によるマイナス金利導入の効果は一部業界にとどまっている。他方、熊本地震の影響で悪化した『九州』は3カ月ぶりに改善し、地震を契機に大きく落ち込んだ景況感は底を脱しつつある。国内景気は、国内外からの悪材料が相次いでおり、悪化傾向が続いている。

 

今後の見通し : 下振れ傾向を強めながら推移

 海外動向では、イギリスのEU離脱問題が大きな焦点となる。イギリスに進出している日本企業は1,380社判明(帝国データバンク「イギリス進出企業実態調査」)しており、大企業を中心に欧州戦略の見直しを迫られよう。EU離脱問題に関して、米国の利上げ先延ばしや、安全資産として日本円への需要が高まることは円高要因となる。国内では、熊本地震からの早期の復旧・復興や、マイナス金利政策の効果により左右されるとみられる。個人消費は、消費税率引き上げの延期により駆け込み需要が期待できなくなったなかで、家計の所得上昇がカギを握る。また、マイナス金利は徐々に住宅投資や設備投資に波及すると期待されよう。今後の景気は、英国ショックが当面継続するとみられ、企業業績への影響も懸念されるなか、下振れ傾向を強めながら推移すると見込まれる。



※景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:『製造』が12業種中10業種で悪化



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

規模別:全規模で 3カ月連続の悪化

※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:7地域が悪化、『東海』は自動車関連業種で低迷





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感 企業の声1(農・林・水産〜製造)


業界別の景況感 企業の声2(卸売〜サービス)


調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,606社、有効回答企業1万471社、回答率44.4%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2016年6月17日〜30日(インターネット調査)

景気動向指数(景気DI)について

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目について全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 顧客サービス統括部 産業調査グループ 情報企画課
担当:窪田剛士、伊藤由紀
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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