TDB景気動向調査(全国)

- 2016年7月調査 -

 

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2016年8月3日
株式会社帝国データバンク

国内景気の悪化傾向は一服、マイナスショック和らぐ

〜 1年5カ月ぶりに全地域が改善 〜

(調査対象2万3,639社、有効回答1万285社、回答率43.5%、調査開始2002年5月)

調査結果のポイント

  1. 7月の景気DIは前月比1.1ポイント増の42.4となり4カ月ぶりに改善した。熊本地震や燃費不正問題、イギリスのEU離脱問題など、前月までのマイナスショックの影響が和らぎ、悪化傾向が一服した。今後の景気は、拡張的な経済政策がプラス材料となる一方、海外経済に懸念材料も多く、一進一退を続けながら横ばい状態で推移すると見込まれる。
  2. 『農・林・水産』『不動産』を除く8業界が改善した。熊本地震や燃費不正問題、EU離脱ショックの影響が徐々に落ち着きつつあるなか、参院選の与党勝利を受け経済対策への期待も高まり、『建設』『製造』『小売』『運輸・倉庫』『サービス』など6業界で改善幅が1ポイント超と大きく持ち直した。
  3. 全10地域が改善した。『九州』は熊本地震からの復旧・復興にともなう土木事業関連が景況感を押し上げた。また、『東海』では、工場爆発で停止していた自動車生産が再開され、製造業が改善する要因となった。


2016年7月の動向 : 悪化傾向に一服

 2016年7月の景気DIは前月比1.1ポイント増の42.4となり4カ月ぶりに改善した。
 7月は、熊本地震や大手自動車メーカーの燃費データ不正問題、イギリスのEU離脱ショックの影響が徐々に落ち着きつつあり、景況感の回復につながった。公共工事が増加したほか、ガソリンや軽油価格の低下でコスト負担が一部で和らいだことが、景況感を改善させる要因となった。マイナス金利政策は住宅関連業種で好影響を及ぼしている一方、金融機関で設備投資への慎重姿勢が強まるなど、導入の効果は業種間でバラツキがみられる。消費関連では『小売』が3カ月ぶりに改善したが、消費者の節約志向が高まるなか、インバウンド消費における高額品から低額品への移行が懸念される。他方、熊本地震で落ち込んだ景況感から底を脱する兆しを見せていた『九州』は2カ月連続で改善した。国内景気は、前月までのマイナスショックの影響が徐々に和らぎ、悪化傾向が一服した。

 

今後の見通し : 一進一退を続けながら横ばい状態で推移

 7月末に決定された日本銀行による追加金融緩和策とともに、財政の前倒し支出や事業規模28兆円の経済対策など、財政政策と金融政策の両輪による効果が期待される。また、個人消費は低所得者向けの現金給付や最低賃金の引き上げなど、所得面での底上げが図られる見通しである。しかし、最低賃金の引き上げは企業負担の増加で設備投資などに後ろ向きの影響を与える可能性もあり、消費の回復には業績改善にともなう賃金上昇が不可欠といえよう。海外では、米国の雇用状況が好調だった一方、中国など新興国や資源国経済の景気減速は懸念材料である。今後の景気は、拡張的な経済政策がプラス材料となる一方、海外経済に懸念材料も多く、一進一退を続けながら横ばい状態で推移すると見込まれる。



※景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:8業界が改善し、うち6業界で改善幅が1ポイント超



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

規模別:4カ月ぶりに全規模で改善、「大企業」の回復目立つ

※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:1年5カ月ぶりに全地域が改善、熊本地震からの復旧・復興進む





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感 企業の声1(農・林・水産〜製造)


業界別の景況感 企業の声2(卸売〜サービス)


調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,639社、有効回答企業1万285社、回答率43.5%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2016年7月15日〜31日(インターネット調査)

景気動向指数(景気DI)について

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目について全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 顧客サービス統括部 産業調査グループ 情報企画課
担当:窪田剛士、伊藤由紀
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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