女性登用に対する企業の意識調査

- TDB景気動向調査2016年7月特別企画 -

 

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2016年8月15日
株式会社帝国データバンク

女性管理職割合は平均6.6%で前年比0.2ポイント上昇

〜 女性の活用・登用状況、企業の1割超が社外人材も視野に入れる 〜


はじめに

 生産年齢人口の減少や共働き世帯の増加などもあり、職場における女性の存在感の高まりがみられるなか、政府は女性の活躍促進を成長戦略の重要政策として打ち出している。また、企業においては新しい視点の取り入れや男性の働き方改革としても位置付けられるなど、人手不足に対する労働力確保だけでなく、企業の成長に女性の活躍が不可欠という認識も高まっている。
 そこで、帝国データバンクは、女性の活用や登用に対する企業の見解について調査を実施した。なお、本調査は、TDB景気動向調査2016年7月調査とともに行った。女性登用に関する調査は2013年7月調査、2014年7月調査、2015年7月調査に続き4回目。

※調査期間は2016年7月15日〜7月31日、調査対象は全国2万3,639社で、有効回答企業数は1万285社(回答率43.5%)。

※本調査における詳細データは景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com/)に掲載している。

調査結果(要旨)

  1. 女性管理職がいない企業は50.0%と半数にのぼる一方、「10%以上20%未満」「20%以上30%未満」の割合が増加しており、女性管理職の割合は平均6.6%と0.2ポイント上昇。また、従業員全体の女性割合は平均24.2%で前年と同水準、役員は平均8.7%で0.3ポイント上昇
  2. 今後、自社の女性管理職割合が増えると見込んでいる企業は23.5%
  3. 女性の活用や登用について「社内人材の活用・登用を進めている」企業は42.5%で4割を超えている一方、「社外からの活用・登用を進めている」企業も11.1%。その効果は「男女にかかわらず有能な人材を生かすことができた」が7割超で突出
  4. 女性活躍推進に向けた行動計画の策定が義務付けられている従業員数301人以上の企業は81.7%が策定済みで、具体的な取り組みでは、「女性の積極採用に関する取り組み」が43.1%で最多。努力義務となっている従業員数300人以下の企業でも、約半数となる49.1%が策定

1. 女性管理職割合は平均6.6%、2015年より0.2ポイント上昇

 自社の従業員に占める女性の割合を尋ねたところ、「30%以上」と回答した企業は28.2%であった1。また、「10%未満」(24.1%)と「0%(全員男性)」(5.7%)を合わせると、女性従業員割合が10%に満たない企業は29.8%で、女性従業員割合は平均24.2%となった。2015年と比較すると、「30%以上」(28.3%)、10%に満たない企業(29.5%)、女性従業員割合(平均24.2%)ともに、ほぼ同水準という結果となった。
 他方、自社の管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合では、「30%以上」とする企業は5.6%にとどまったものの、「20%以上30%未満」(4.3%)と「10%以上20%未満」(7.4%)が前年より上昇した。逆に、半数の企業は「0%(全員男性)」だった。その結果、女性管理職割合は平均6.6%となり、2015年より0.2ポイント上昇した。

 自社の役員(社長を含む)に占める女性の割合では、「0%(全員男性)」が60.3%で6割を超えている。さらに、「10%未満」(15.3%)と合わせると、女性役員が1割に満たない企業は75.6%

と前年より1.0ポイント低下した。また、「30%以上」とする企業も11.3%で、女性役員割合は平均8.7%と2015年から0.3ポイント上昇した。


1.「30%以上」は、「100%(全員女性)」「70%以上100%未満」「50%以上70%未満」「30%以上50%未満」の合計。「10%未満」は、「5%以上10%未満」「5%未満」の合計


 女性管理職の平均割合を規模別にみると、規模が小さくなるほど女性管理職の割合は高い。業界別では、前年に続き『小売』『不動産』『サービス』『金融』で高く、『運輸・倉庫』『建設』『製造』などで低かった。『金融』では前年から1.7ポイント上昇しており、「身近な女性従業員で女性管理職のロールモデルを作り展開していきたい」(大阪府)といった、社内での事例を積み重ねながら女性の登用を進めている様子がうかがえる。さらに、『サービス』は、「娯楽サービス」や「人材派遣・紹介」が前年のランキング外から10位以内に上昇している。企業からも、「女性比率の高い職場のため、従来、男女問わず、能力や実績を考慮した活用・登用を実施している」(フィットネスクラブ)や「有能であれば男でも女でも登用する」(民営職業紹介)など、男女問わず能力に応じて登用しているという声があがった。

 女性管理職の平均割合は前年から0.2ポイント上昇するなど、少しずつ増えているものの、依然として1ケタ台にとどまる。また、業界別にみると、最も高い『小売』と最も低い『運輸・倉庫』で9.3ポイントの開きがあり、業界間格差は前年(8.4ポイント)よりも拡大した。


2. 企業の4社に1社で、今後、自社の女性管理職割合が「増加する」と見込む

 自社の女性管理職割合は5年前と比較してどのように変わったか尋ねたところ、「変わらない」とする企業が69.8%と多数を占めている。割合が「増加した」と回答した企業は20.3%と2割を超えた一方、「減少した」企業は4.7%にとどまった。他方、現在と比較して今後どのように変わると考えているか尋ねたところ、企業の約6割が女性管理職の割合は「変わらない」とみているものの、企業の4社に1社が女性管理職の割合が「増加する」と見込んでおり、女性の管理職登用については、概ね拡大していくと考えている様子がうかがえる。
 女性役員については、5年前と比較して「増加した」企業は7.7%だったが、今後「増加する」と考えている企業は6.9%にとどまり、企業における女性役員の登用は進んでいないことが明らかとなった。

3. 女性の活用・登用状況、企業の1割が社外からも登用を進める

 自社において女性の活用や登用を進めているか尋ねたところ、企業の42.5%が「社内人材の活用・登用を進めている」と回答した(複数回答。以下同)。他方、「社外からの活用・登用を進めている」は11.1%となり、企業の1割超は活用・登用する女性として社外も視野を入れている様子がうかがえる。
 社内人材または社外から女性の活用や登用を進めている企業4,832社にその効果を尋ねたところ、「男女にかかわらず有能な人材を生かすことができた」が7割を超え、突出して高かった。以下、「女性の労働観が変化してきた」「従業員のモチベーションが上がった」「女性を登用したことで業務が円滑に進んだ」「多様な働き方が促進され、労働環境が改善された」が高く、いずれも2割超となった。

4. 女性活躍推進の行動計画、従業員300人以下の企業でも半数が策定

 4月1日より、女性が職業生活において、その希望に応じて十分に能力を発揮し、活躍できる環境を整備することを目的とした「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)に基づき、女性の活躍推進に向けた行動計画の策定が従業員数301人以上の企業に義務付けられた(従業員数300人以下の企業は努力義務)。
 そこで、行動計画の策定状況について尋ねたところ、「策定している」企業は全体で51.2%となった。策定が義務付けられている従業員数301人以上の企業では81.7%が策定している一方、努力義務とされている従業員数300人以下の企業においても49.1%にのぼった。
 また、具体的にどのような取り組みに関する行動計画を策定しているか尋ねたところ、従業員数301人以上の企業では「女性の積極採用に関する取り組み」が43.1%で最も高かった(複数回答、以下同)。さらに、「配置・育成・教育訓練に関する取り組み」(36.2%)、「女性の積極登用・評価に関する取り組み」「継続就業に関する取り組み」が3割超で続いた。他方、従業員数300人以下の企業では、多くの取り組みが1割台となっており、策定項目に大きな違いはなかった。
 しかしながら、「職場風土改革に関する取り組み(性別役割分担意識の見直しなど)」は、従業員数が301人以上の企業で12.4%、300人以下の企業で5.5%にとどまり、意識面への取り組みを行う企業は少数にとどまった。

 

まとめ

 安倍内閣による『日本再興戦略2016−第4次産業革命に向けて−』(成長戦略)では、2020年までに「指導的地位に占める女性割合30%」「25歳〜44歳の女性就業率77%」のほか、2013〜2017年度で「約50万人分の保育の受け皿を整備」「約9万人の保育人材を確保」などの目標を掲げ、女性が就業しやすくなるための環境整備を柱の1つとしている。
 そのようななか、課長職以上の管理職に占める女性の割合は平均6.6%となっており、目標達成に向けた動きはわずかな増加にとどまっている。また、『小売』や『不動産』は1割を超えている一方、『運輸・倉庫』や『建設』は前年同様4%台が続いた。業界間で女性登用に対する格差は大きいうえ、拡大している状況が明らかとなっている。しかしながら、企業の4社に1社は、今後、女性管理職は増加すると見込んでおり、女性の管理職登用は概ね増大していくと見込まれる。

調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,639社、有効回答企業1万285社、回答率43.5%)

2) 企業規模区分

中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分。

注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング


【問い合わせ先】
株式会社帝国データバンク 顧客サービス統括部 産業調査グループ 情報企画課
担当:窪田 剛士
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp
当リリース資料の詳細なデータは景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com/)をご参照下さい。

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