TDB景気動向調査(全国)

- 2016年9月調査 -

 

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2016年10月5日
株式会社帝国データバンク

2カ月ぶりに全10地域で改善

〜 国内景気は『建設』が下支え 〜

(調査対象2万3,710社、有効回答1万292社、回答率43.4%、調査開始2002年5月)

調査結果のポイント

  1. 9月の景気DIは前月比0.6ポイント増の42.9となり2カ月ぶりに改善した。前月の天候不順による落ち込みから復調したことに加え、公共工事の増加で建設関連が改善した。国内景気は公的需要や住宅投資が下支え要因となり持ち直した。今後の景気は、徐々に上向いていく兆しが表れてきたものの、当面は横ばい圏内で推移していくとみられる。
  2. 『建設』『小売』『製造』など8業界が改善、『不動産』など2業界が悪化した。全国的に好況な公共工事や首都圏を中心とした再開発案件の活発化など旺盛な建設需要を追い風に、『建設』や関連業種が改善。「化学品製造」や「鉄鋼・非鉄・鉱業」が好調な『製造』とともに2業界で全体を0.4ポイント押し上げた。
  3. 2カ月ぶりに『北関東』や『北陸』『九州』など10地域すべてが改善した。『北関東』では、地場大手メーカーの好調な生産が景況感を押し上げる要因となった。『九州』では観光関連への復興支援策もあり「娯楽サービス」などが上向いたが、「熊本」は一部製造業で生産回復の遅れがみられるなど、4カ月ぶりに悪化した。


2016年9月の動向 : 持ち直し

 2016年9月の景気DIは前月比0.6ポイント増の42.9となり2カ月ぶりに改善した。
 日本銀行は9月21日に公表した過去3年余りにわたる金融政策の“総括的な検証”結果を受けて、“長短金利操作付き量的・質的金融緩和”政策を導入し、金融緩和政策の強化を決定した。そのようななか、9月の国内景気は、前月の台風など天候不順による悪化から持ち直しがみられたほか、公共工事の増加や首都圏・地方都市を中心とした再開発の活発化、持家や貸家を中心に好調な住宅投資などで『建設』や関連業種が改善、多くの地域で建設業が上向き、2カ月ぶりに全10地域が改善する要因となった。一方、家計所得が伸び悩み消費マインドの低迷が続くなか、「飲食店」は1年9カ月ぶりに30台に落ち込んだ。国内景気は、公的需要や住宅投資が下支え要因となり持ち直した。

 

今後の見通し : 横ばい状態で推移

 日本銀行が導入した新しい政策枠組みによる効果が期待される一方、短期的には財政支出による経済対策で国内景気は下支えされるとみられる。個人消費においては、家計可処分所得が伸びないなかで、最低賃金引き上げは消費を底上げする要因となるであろう。また、震災復興の継続とともに、東京五輪に向けた公共工事はこれから本格化すると見込まれる。しかしながら、原油価格がじわじわと上昇していたなかで、石油輸出機構(OPEC)非公式会合における減産合意は、ガソリンなど企業のコスト負担を増加させる要因となりかねない。また、米国で9月の金利引き上げ見送りにより円高リスクが高まったうえ、米国大統領選の行方なども先行きを不透明にする一因となっている。今後の景気は、徐々に上向いていく兆しが表れてきたものの、当面は横ばい圏内で推移していくとみられる。



※景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:旺盛な建設需要を追い風に『建設』など8業界が改善



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

規模別:「中小企業」「小規模企業」が3カ月連続で改善

※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:2カ月ぶりに全10地域が改善





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感 企業の声1(農・林・水産〜製造)


業界別の景況感 企業の声2(卸売〜サービス)


調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,710社、有効回答企業1万292社、回答率43.4%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2016年9月15日〜30日(インターネット調査)

景気動向指数(景気DI)について

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目について全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部 情報企画課
担当:窪田剛士、伊藤由紀
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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