TDB景気動向調査(全国)

- 2017年5月調査 -

 

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2017年6月5日
株式会社帝国データバンク

景気回復一服、人手不足に課題

〜 輸出および設備投資がけん引し回復が続く見込み 〜

(調査対象2万3,983社、有効回答1万142社、回答率42.3%、調査開始2002年5月)

調査結果のポイント

  1. 2017年5月の景気DIは前月から横ばいの46.5となった。国内景気は、東京五輪や復興需要などの建設関連が旺盛だったものの、人手不足による負担増もみられ、ここのところ続いていた景気回復が一服した。今後の国内景気は、海外リスクが懸念材料となるものの、輸出や設備投資がけん引役となり回復傾向が続くとみられる。

  2. 『建設』『不動産』『小売』など5業界が改善、『サービス』など5業界が悪化した。人手不足の状況は懸念要因が強まったものの、『建設』『不動産』がそろって改善したことで、関連する製造や卸売の建材業種も上向いた。『サービス』は50台を維持しているが9カ月ぶりに悪化した。

  3. 『北海道』『北陸』など10地域中4地域が改善、『近畿』など6地域が悪化した。景況感の改善傾向が続く『北海道』では建設業が押し上げ要因となった一方、『近畿』では中国の生産減退などで製造業が振るわなかった。規模別では、「大企業」は4カ月連続で改善した一方、「中小企業」は4カ月ぶりに悪化した。


2017年5月の動向 : 回復に一服

 2017年5月の景気DIは前月から横ばいの46.5となった。
東京五輪や震災復興などの公共工事増や旺盛な再開発需要に加えて、貸家などの新設住宅着工戸数の増加を受けた『建設』のほか、2014年3月以来3年2カ月ぶりに50台を回復した『不動産』が改善したことで、建材などの関連業種の景況感も上向いた。株価の高値安定や好天、ガソリン価格の6週連続下落などが、5月の国内景気全体へプラスに働いたものの、光熱費・人件費上昇などのコスト負担が重く、人材確保に苦慮するコメントがみられた『サービス』などの景況感が悪化。国内景気は、東京五輪や復興需要などの建設関連が旺盛だったものの、人手不足による負担増もみられ、ここのところ続いていた景気回復が一服した。

今後の見通し : 回復傾向続く

 今後の国内景気は輸出に加え、企業収益の改善や人手不足対策により持ち直しが見込まれる設備投資がけん引し、回復が続くと予想される。個人消費は実質賃金の伸び悩みにより回復への力強さに欠ける状態が続いているが、今後は徐々に企業部門の改善が家計部門に波及することが期待される。加えて、物価の上昇とともに、6月に予定されている骨太の方針や成長戦略が景気の底上げにつながることが見込まれる。しかし、米国の政治情勢や仏議会・英総選挙の行方、地政学的リスクの高まりは円高要因となることから、海外に不安要素を抱えることになる。今後の国内景気は、海外リスクが懸念材料となるものの、輸出や設備投資がけん引役となり回復傾向が続くとみられる。



※景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:5業界が改善した一方、『サービス』は9カ月ぶりに悪化

※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

規模別:「大企業」が4カ月連続で改善

※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:『北海道』が3年10カ月ぶりの大幅改善





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感 企業の声1(農・林・水産〜製造)


業界別の景況感 企業の声2(卸売〜サービス)


調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,983社、有効回答企業1万142社、回答率42.3%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2017年5月18日〜31日(インターネット調査)

景気動向指数(景気DI)について

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目について全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部 情報企画課
担当:窪田剛士、伊藤由紀
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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