女性登用に対する企業の意識調査(2017年)

- TDB景気動向調査2017年7月特別企画 -

 

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2017年8月15日
株式会社帝国データバンク

女性管理職割合は平均6.9%、前年比0.3ポイント上昇

〜企業の半数超が「保育・幼児教育等の向上」「待機児童の解消」を重要視〜


はじめに

 生産年齢人口の減少や共働き世帯の増加などがみられるなか、政府は女性の活躍促進を成長戦略の重要政策として打ち出し、具体的政策目標として重点的に取り組むべき事項などもあげられている。また、企業においては女性視点の取り入れや男性の働き方改革としても位置付けられるなど、人手不足に対する労働力確保だけでなく、企業の成長に女性の活躍が不可欠という認識も高まっている。
 そこで、帝国データバンクは、女性の活用や登用に対する企業の見解について調査を実施した。なお、本調査は、TDB景気動向調査2017年7月調査とともに行った。女性登用に関する調査は2013年以降、毎年7月に実施、今回で5回目。


※調査期間は2017年7月18日〜7月31日、調査対象は全国2万3,767社で、有効回答企業数は1万93社(回答率42.5%)。

※本調査における詳細データは景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com/)に掲載している。


調査結果(要旨)

  1. 女性管理職がいない企業は49.2%と半数近くとなる一方、「30%以上」とする企業の割合が増加しており、女性管理職の割合は平均6.9%と前年比0.3ポイント上昇。また、従業員全体の女性割合は平均24.6%で同0.4ポイント上昇、役員は平均9.3%で同0.6ポイント上昇

  2. 女性社長の企業では、女性管理職割合は平均20.5%、役員は平均40.0%で、男性社長の企業より10ポイント以上高い

  3. 今後、自社の女性管理職割合が増えると見込んでいる企業は24.0%

  4. 女性の活用や登用について「社内人材の活用・登用を進めている」企業は43.0%で4割を超えている一方、「社外からの活用・登用を進めている」企業も12.7%。その効果は「男女にかかわらず有能な人材を生かすことができた」が約7割で突出。特に、従業員数の多い企業で効果を高く実感する傾向

  5. 女性が一層活躍するために社会全体として重要な取り組みは、「保育・幼児教育等の量的・質的向上」が58.8%で最多。以下、「待機児童の解消」「ひとり親家庭等への支援拡充」「待遇の改善(同一労働同一賃金など)」「長時間労働の是正」が続く

1. 女性管理職割合は平均6.9%、2016年より0.3ポイント上昇

 自社の従業員に占める女性の割合を尋ねたところ、「30%以上」と回答した企業は29.8%であった 1。また、「10%未満」(23.8%)と「0%(全員男性)」(5.6%)を合わせると、女性従業員割合が10%に満たない企業は29.4%で、女性従業員割合は平均24.6%となった。2016年と比較すると、「30%以上」(2016年28.2%)が1.6ポイント上昇した一方、10%に満たない企業(同29.8%)が0.4ポイント低下し、女性従業員割合(平均24.2%)は0.4ポイント上昇した。
 他方、自社の管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合では、「30%以上」とする企業は6.4%にとどまったものの、前年(5.6%)より0.8ポイント上昇した。逆に、半数近い企業は「0%(全員男性)」だった。その結果、女性管理職割合は平均6.9%となり、2016年より0.3ポイント上昇した。

 


 自社の役員(社長を含む)に占める女性の割合では、「0%(全員男性)」が59.4%と半数を超えているものの、前年(60.3%)より0.9ポイント低下した。また、「10%未満」(15.1%)と合わせると、女性役員が10%に満たない企業は74.5%と前年より1.1ポイント低下した。また、「30%以上」とする企業は12.5%で、女性役員割合は平均9.3%と2016年から0.6ポイント上昇した。
 従業員、管理職および役員の女性割合について、社長の男女別でみると、女性社長では従業員が平均35.7%(男性社長24.3%)、管理職が平均20.5%(同6.6%)、役員が平均40.0%(同8.6%)となり、いずれも女性社長の方が男性社長より10ポイント以上高かった。
 女性管理職の平均割合を企業規模別にみると、規模が小さくなるほど女性管理職の割合は高く、全規模で2016年から上昇した。業界別では、前年に続き『不動産』『小売』『サービス』『金融』で高く、『運輸・倉庫』『建設』『農・林・水産』などで低かった。『不動産』は前年から0.8ポイント上昇したほか、『卸売』も1.0ポイント上昇した。とりわけ、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」が前年の21位から8位に上がったほか、「繊維・繊維製品・服飾品製造」が20位から10位に上がった。衣服関連の企業からは、「女性対象の雑貨を企画、製造しているので、若い女性が開発に必要」(大阪府)や「事業・扱い商品の性格上、積極的に女性を登用している」(東京都)などの声が聞かれた。さらに、『サービス』では、「旅館・ホテル」が前年のランキング外から10位以内に上がったほか、「教育サービス」は前年より5.2ポイント増と最も上昇した。
 女性管理職の平均割合は前年から0.3ポイント上昇するなど、少しずつ増えているものの、依然として1ケタ台にとどまる。業界別にみると、最も高い『不動産』と最も低い『運輸・倉庫』で8.5ポイントの開きがあるものの、業界間格差は前年(9.3ポイント)よりも縮小した。

 



1 「30%以上」は、「100%(全員女性)」「70%以上100%未満」「50%以上70%未満」「30%以上50%未満」の合計。「10%未満」は、「5%以上10%未満」「5%未満」の合計


2. 企業の4社に1社で、自社の女性管理職割合が今後「増加する」と見込む

 自社の女性管理職割合は5年前と比較してどのように変わったか尋ねたところ、「変わらない」とする企業が69.9%と多数を占めている。割合が「増加した」と回答した企業は21.2%と2割を超えた一方、「減少した」企業は4.3%にとどまった。他方、現在と比較して今後どのように変わると考えているかを尋ねたところ、企業の6割弱が女性管理職の割合は「変わらない」とみているものの、企業の4社に1社が女性管理職の割合が「増加する」と見込んでおり、女性の管理職登用については、概ね拡大していくと考えている様子がうかがえる。
女 性役員については、5年前と比較して「増加した」企業は8.3%だったが、今後「増加する」と考えている企業は7.4%にとどまる。企業における女性役員の登用は進んでいないことが明らかとなった。

3. 女性の活用・登用状況、企業の48.3%が活用・登用を進める

 自社において女性の活用や登用を進めているか尋ねたところ、企業の43.0%が「社内人材の活用・登用を進めている」と回答した(複数回答。以下同)。他方、「社外からの活用・登用を進めている」は12.7%となり、企業の1割超は活用・登用する女性として社外も視野に入れている様子がうかがえる。社内または社外から女性の活用・登用を進めている企業は48.3%となり、前年調査(47.0%)より1.3ポイント上昇し、女性登用を進める企業が徐々に拡大している。

 


 

 社内人材または社外から女性の活用や登用を進めている企業4,879社にその効果を尋ねたところ、「男女にかかわらず有能な人材を生かすことができた」が69.1%で最も高かった。以下、「女性の労働観が変化してきた」「女性を登用したことで業務が円滑に進んだ」「従業員のモチベーションが上がった」「多様な働き方が促進され、労働環境が改善された」と続き、いずれも2割超となった。
 女性活用・登用の効果を従業員数別にみると、概ね従業員数の多い企業で効果を高く実感する傾向があった。従業員数1,000人超の企業では、「女性の労働観が変化してきた」や「多様な働き方が促進され、労働環境が改善された」が4割を超えたほか、約2割の企業で「男性の労働観が変化してきた」と回答している。他方、「女性を登用したことで業務が円滑に進んだ」は従業員数が20人以下の企業で3割超となった。従業員規模により、女性の活用・登用から異なる効果を得ている様子がうかがえる。



4. 「保育・幼児教育等の量的・質的向上」「待機児童の解消」への取り組みを5割超が重視

 第4次男女共同参画基本計画に定めた具体策や成果目標の実現に向け、6月6日に「すべての女性が輝く社会づくり本部」(内閣官房)において、今後重点的に取り組むべき事項「女性活躍加速のための重点方針2017」が決定された。
 そこで、女性が一層活躍していくために、社会全体としてどのような取り組みを進めていくことが重要と思うか尋ねたところ、「保育・幼児教育等の量的・質的向上」が58.8%で最も高かった(複数回答、以下同)。さらに、「待機児童の解消」(51.7%)が半数を超えたほか、「ひとり親家庭等への支援拡充」「待遇の改善(同一労働同一賃金など)」が4割超で続いた。
 また、「長時間労働の是正」や「ワーク・ライフ・バランスの推進」「男性の育児休業・産休(配偶者の出産直後の男性の休暇)の取得」では、特に大企業で重要と捉える傾向が高く、男女問わず仕事と生活の調和がとれた働き方の見直しを求めている様子がうかがえる。
 他方、「旧姓併記・使用の拡大(マイナンバーカード、パスポート、銀行口座など)」は5.1%にとどまる。女性社長では9.1%と同項目を重視する傾向がある一方、企業全体として広がっていないことが明らかとなった。

 

まとめ

 安倍内閣は女性の活躍推進を重要な政策の柱として掲げている。企業側からは、人手不足に対する労働力確保に加えて、女性視点や男性の働き方改革としても重視されているほか、女性の労働参加と生産性向上の関連性を示す研究もあり、企業の業績向上に対する効果も注目されている。
 こうしたなか、課長職以上の管理職に占める女性の割合は平均6.9%となり、前年からわずかに上昇しているものの、依然として1ケタ台にとどまる。代表者が女性の企業では、女性管理職割合は20.5%、役員は40.0%にのぼり、代表者が男性の企業と大きく異なっている。他方、女性が一層活躍するためには、社会全体として「保育・幼児養育等の量的・質的向上」「待機児童の解消」に取り組むことが重要と考える企業が半数を超えている。子育て世帯の女性がより働きやすい環境を整備することが、女性登用の広がり、ひいては持続的な企業の成長、経済成長にとっての第一歩になるといえよう。

調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,767社、有効回答企業1万93社、回答率42.5%)

2) 企業規模区分

中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分。

注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング


【問い合わせ先】
株式会社帝国データバンク 産業調査部 情報企画課
担当:窪田 剛士
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp
当リリース資料の詳細なデータは景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com/)をご参照下さい。

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